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【薬剤師国試対策】酸塩基平衡・pH計算を徹底整理|Henderson-Hasselbalch式・緩衝液

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • 弱酸・弱塩基のpH計算式を導いて使える
  • Henderson-Hasselbalch式で緩衝液のpHを計算できる
  • 緩衝液の原理と緩衝容量を説明できる
  • 中和滴定の当量点・半当量点でのpHを求められる
  • 体内の主要な緩衝系を列挙できる
目次
  1. 1.酸・塩基の定義と強弱
  2. 2.弱酸・弱塩基のpH計算
  3. 弱酸(濃度 Ca、酸解離定数 Ka)
  4. 弱塩基(濃度 Cb、塩基解離定数 Kb)
  5. 3.Henderson-Hasselbalch式
  6. 4.緩衝液の原理
  7. 体内の主要な緩衝系
  8. 5.中和滴定の当量点
  9. 6.国試頻出まとめ
  10. 7.国試過去問チェック

🧪 酸・塩基の定義と強弱

  • ブレンステッド・ローリー:プロトン(H⁺)を与えるものが酸、受け取るものが塩基
  • 強酸:HCl・HBr・HI・H₂SO₄・HNO₃・HClO₄ → 完全解離
  • 弱酸:CH₃COOH(Ka = 1.8×10⁻⁵)・安息香酸・H₂CO₃ など → 部分解離
説明
pH = −log[H⁺] 水素イオン濃度の対数
pH + pOH = 14(25℃) 水のイオン積 Kw = 10⁻¹⁴
pKa = −log Ka 酸解離定数の対数

強塩基(NaOH等)は完全解離 → [OH⁻] = C → pOH = −logC → pH = 14 − pOH


📐 弱酸・弱塩基のpH計算

弱酸(濃度 Ca、酸解離定数 Ka)

pH ≒ ½(pKa − log Ca)

弱塩基(濃度 Cb、塩基解離定数 Kb)

pOH ≒ ½(pKb − log Cb) → pH = 14 − pOH

⚠️ pKa(酸形) + pKb(共役塩基形) = 14(25℃)
NH₄⁺ の pKa = 14 − pKb(NH₃) = 14 − 4.7 = 9.3


🔄 Henderson-Hasselbalch式

pH = pKa + log([A⁻]/[HA])

[A⁻]/[HA] pH と pKa の関係
10 : 1 pH = pKa + 1
1 : 1 pH = pKa(半当量点)
1 : 10 pH = pKa − 1

⚠️ 半当量点では pH = pKa! 中和滴定グラフの読み取りで頻出。緩衝能が最大になる点でもある。


💊 緩衝液の原理

弱酸とその共役塩基(または弱塩基とその共役酸)の混合液。少量の酸・塩基を加えてもpHが大きく変化しない。

  • 緩衝能が最大:[A⁻] = [HA] のとき(pH = pKa)
  • 緩衝有効範囲:pH = pKa ± 1

体内の主要な緩衝系

緩衝系 主な場所 pKa
重炭酸緩衝系(HCO₃⁻/H₂CO₃) 血漿 6.1
リン酸緩衝系(HPO₄²⁻/H₂PO₄⁻) 細胞内液・尿 6.8
タンパク質(ヒスチジン残基) 血漿・赤血球 ≒6〜7
ヘモグロビン緩衝系 赤血球

✅ 血液の生理的pH = 7.35〜7.45
pH < 7.35 → アシドーシス / pH > 7.45 → アルカローシス


⚖️ 中和滴定の当量点

滴定の種類 当量点のpH 理由
強酸 + 強塩基 pH = 7 生成塩は中性
弱酸 + 強塩基 pH > 7 共役塩基が加水分解して塩基性
強酸 + 弱塩基 pH < 7 共役酸が加水分解して酸性

⚠️ 弱酸+強塩基の当量点はpH > 7(塩基性)! 中性にならないことに注意。


📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 強塩基のpH pH = 14 + logC(例:0.01 mol/L NaOH → pH=12)
2 弱酸pH計算 pH ≒ ½(pKa − log Ca)
3 弱塩基pH計算 pOH ≒ ½(pKb − log Cb)
4 Henderson-Hasselbalch pH = pKa + log([A⁻]/[HA])
5 半当量点 pH = pKa(緩衝能最大)
6 緩衝有効範囲 pKa ± 1
7 弱酸+強塩基の当量点 pH > 7(塩基性)
8 NH₄⁺ のpKa 14 − pKb(NH₃) = 14 − 4.7 = 9.3
9 体内主要緩衝系 重炭酸(血漿)・リン酸(細胞内)

📝 国試過去問チェック

第107回薬剤師国家試験 問1(必須)

0.010 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液のpHとして最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、水のイオン積 Kw = [H⁺][OH⁻] = 1.0×10⁻¹⁴ (mol/L)² とする。

1. 1

2. 2

3. 7

4. 12

5. 13

解答と解説を見る

正解:4

NaOH は強塩基なので完全解離する。

[OH⁻] = 0.010 mol/L = 10⁻² mol/L

pOH = −log(10⁻²) = 2

pH = 14 − pOH = 14 − 2 = 12

4○ pH = 12。正しい。

1✗ pH=1 は [H⁺]=0.1 mol/L の強酸に相当。

2✗ pH=2 は pOH=12、つまり [OH⁻]=10⁻¹² mol/L に相当。

3✗ pH=7 は中性。NaOH水溶液は塩基性。

5✗ pH=13 は [OH⁻]=0.1 mol/L(0.1 mol/L NaOH)に相当。0.010 mol/Lより10倍高濃度。


第109回薬剤師国家試験 問5(必須)

25℃における 0.01 mol/L 安息香酸水溶液のpHに最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、安息香酸の pKa = 4.2(25℃)とする。

1. 1.5

2. 3.0

3. 4.5

4. 6.0

5. 7.5

解答と解説を見る

正解:2

安息香酸は弱酸なので近似式を使う。

pH ≒ ½(pKa − log Ca) = ½(4.2 − log(0.01)) = ½(4.2 − (−2)) = ½ × 6.2 = 3.1 ≈ 3.0

2○ pH ≈ 3.0。正しい。

1✗ pH=1.5 は [H⁺]=0.03 mol/L に相当し、0.01 mol/L 安息香酸より高い。弱酸でこの値にはならない。

3✗ pH=4.5 ≈ pKa は半当量点のpH。弱酸単独の溶液では pKa より低い。


第108回薬剤師国家試験 問95(一般)

0.20 mol/L 塩化アンモニウム水溶液 100 mL を用いてアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH 9.0)を調製したい。この塩化アンモニウム水溶液に加える 0.18 mol/L アンモニア水溶液の液量に最も近いのはどれか。1つ選べ。

ただし、アンモニアの pKb = 4.7、Kw = [H⁺][OH⁻] = 1.0×10⁻¹⁴ (mol/L)²、10^0.3 = 2 とし、混合により各水溶液の体積は変化しないものとする。

1. 15 mL

2. 35 mL

3. 55 mL

4. 75 mL

5. 95 mL

解答と解説を見る

正解:3

NH₄⁺ の pKa = 14 − pKb(NH₃) = 14 − 4.7 = 9.3

Henderson-Hasselbalch式:pH = pKa + log([NH₃]/[NH₄⁺])

9.0 = 9.3 + log([NH₃]/[NH₄⁺])

log([NH₃]/[NH₄⁺]) = −0.3 = −log2  → [NH₃]/[NH₄⁺] = 1/2

NH₄Cl の量:0.20 mol/L × 100 mL = 20 mmol → [NH₄⁺] = 20 mmol

必要な [NH₃] = 20/2 = 10 mmol

アンモニア水の体積 = 10 mmol ÷ 0.18 mol/L = 10/180 L ≈ 55 mL

3○ 55 mL。正しい。


第110回薬剤師国家試験 問96(一般)

28%アンモニア水を量り、水で全量 500 mL とした後、その 20 mL を正確に量り、さらに水で全量 1000 mL とした。この水溶液のpHを測定したところ、11.0 であった。28%アンモニア水の採取量に最も近いのはどれか。1つ選べ。

ただし、28%アンモニア水の比重 d = 0.90、アンモニアの分子量 NH₃ = 17、アンモニアの塩基解離定数 Kb = 1.7×10⁻⁵ mol/L、Kw = 1.0×10⁻¹⁴ (mol/L)²、1.0〜1.1 の範囲の値は 1 とし、温度は 25℃とする。

1. 10 mL

2. 20 mL

3. 50 mL

4. 100 mL

5. 200 mL

解答と解説を見る

正解:4

① 最終溶液のNH₃濃度を求める

pH = 11.0 → [OH⁻] = 10⁻³ mol/L

弱塩基の近似式:[OH⁻]² = Kb × Cb

(10⁻³)² = 1.7×10⁻⁵ × Cb → Cb = 10⁻⁶ / 1.7×10⁻⁵ ≈ 1/17 ≈ 0.059 mol/L

② 逆算して採取量を求める

最終1000 mL中のNH₃量 = 0.059 mol/L × 1L = 0.059 mol

これは500 mL中の溶液の20 mLから得たもの → 500 mL中の濃度 = 0.059 × (1000/20) = 2.94 mol/L

500 mL中のNH₃総量 = 2.94 × 0.5 = 1.47 mol

③ 28%アンモニア水の体積

28%アンモニア水の濃度:d = 0.90 g/mL → 1 mLあたり 0.90 × 0.28 = 0.252 g NH₃ = 0.252/17 ≈ 0.01482 mol/mL

採取量 = 1.47 mol ÷ 0.01482 mol/mL ≈ 99 mL ≈ 100 mL

4○ 100 mL。正しい。


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