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🏥 病態・薬物治療

重大な副作用と原因薬物【国試頻出】無顆粒球症・顎骨壊死・SJS・間質性肺炎

📅 2026年5月20日🔄 更新: 2026年5月21日
📖 この記事でわかること
  • 無顆粒球症・TTP・HITなど血液系副作用の原因薬剤がわかる
  • SJS・TEN・DIHSの鑑別ポイントが整理できる
  • 横紋筋融解症・QT延長・光線過敏症の原因薬剤がわかる
  • 国試頻出の副作用と薬剤の組み合わせを覚えられる
目次
  1. 1.血液系副作用
  2. 無顆粒球症(顆粒球減少症)
  3. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
  4. ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
  5. 再生不良性貧血
  6. 2.皮膚・粘膜系副作用
  7. SJS・TEN・DIHSの鑑別
  8. 光線過敏症
  9. 3.肺・骨・泌尿器系副作用
  10. 薬剤性肺障害(間質性肺炎)
  11. 骨・代謝系副作用
  12. 電解質異常
  13. 4.その他の重要副作用
  14. 横紋筋融解症
  15. QT延長・トルサード・ド・ポアン
  16. 5.国試頻出まとめ
  17. 6.国試過去問チェック

🩸 血液系副作用

無顆粒球症(顆粒球減少症)

好中球が著減し、感染症リスクが急上昇する重篤な副作用。

原因薬剤 分類 備考
チアマゾール(MMI) 抗甲状腺薬 頻度高め。定期的な血液検査が必要
クロザピン 非定型抗精神病薬 治療抵抗性統合失調症。定期血液検査必須
サルファ薬・ST合剤 抗菌薬 骨髄抑制
チクロピジン 抗血小板薬 投与初期2か月は月1回血液検査

⚠️ 発熱・咽頭痛・口内炎が出現したら直ちに受診・中止を指導


血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

血小板減少+溶血性貧血+神経症状が特徴。ADAMTS13活性が低下。

原因薬剤 分類
クロピドグレル 抗血小板薬(チエノピリジン系)
チクロピジン 抗血小板薬(チエノピリジン系)
シクロスポリン 免疫抑制薬

✅ 国試ポイント:クロピドグレル・チクロピジン → TTP(チエノピリジン系に注意)


ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

ヘパリン投与後4〜14日で血小板が著減。逆説的に血栓症が増加する。

特徴 内容
機序 ヘパリン-PF4複合体に対するIgG抗体産生
発症時期 ヘパリン開始後4〜14日(再投与では1〜2日)
逆説的血栓 血小板が減っているのに血栓塞栓症が増加
対処 ヘパリン即時中止・アルガトロバン等に変更

⚠️ ヘパリン投与中は血小板数の定期モニタリングが必要


再生不良性貧血

原因薬剤 分類
クロラムフェニコール 抗菌薬
フェニルブタゾン NSAIDs(旧)
金製剤 抗リウマチ薬

🔴 皮膚・粘膜系副作用

SJS・TEN・DIHSの鑑別

項目 SJS TEN DIHS
皮膚剥離面積 <10% ≧30% 広範囲でないことも
発症時期 投与後1〜3週 投与後1〜3週 投与後2〜6週(遅め)
特徴 粘膜障害・眼症状 広範囲表皮壊死・高死亡率 発熱・リンパ節腫大・臓器障害・好酸球増多
原因ウイルス なし なし HHV-6再活性化
代表的原因薬 アロプリノール・ラモトリギン・ST合剤 アロプリノール・カルバマゼピン カルバマゼピン・ミノサイクリン・アロプリノール

✅ DIHS の3点セット:投与2〜6週後 + 好酸球増多 + HHV-6再活性化


光線過敏症

機序 特徴
光毒性 薬剤の直接的光化学反応 初回でも起こる・日光曝露量に依存
光アレルギー 免疫学的機序(IV型アレルギー) 感作後に発症
原因薬剤 分類
ケトプロフェン(テープ) NSAIDs外用薬 光アレルギー
ニューキノロン系(ロメフロキサシン等) 抗菌薬 光毒性
テトラサイクリン系 抗菌薬 光毒性
サイアザイド系利尿薬 利尿薬 光アレルギー
アミオダロン 抗不整脈薬 光毒性

✅ ケトプロフェンテープ → 光アレルギー性接触皮膚炎(国試頻出)


🫁 肺・骨・泌尿器系副作用

薬剤性肺障害(間質性肺炎)

原因薬剤 分類
アミオダロン 抗不整脈薬
メトトレキサート(MTX) 抗リウマチ薬・抗がん薬
ブレオマイシン 抗がん薬
ゲフィチニブ 分子標的薬(EGFR阻害薬)

骨・代謝系副作用

副作用 原因薬剤 機序
骨粗鬆症 ステロイド(長期) 骨芽細胞抑制・Ca吸収低下
顎骨壊死 ビスホスホネート製剤 骨代謝抑制→顎骨への血流低下
高血糖 ステロイド・タクロリムス・クロザピン インスリン抵抗性増加

電解質異常

副作用 原因薬剤
低カリウム血症 サイアザイド系・ループ利尿薬・ステロイド
高カリウム血症 ACE阻害薬・ARB・スピロノラクトン
低ナトリウム血症(SIADH) カルバマゼピン・SSRIs・シクロホスファミド

⚡ その他の重要副作用

横紋筋融解症

原因薬剤 分類
スタチン系(アトルバスタチン等) 脂質異常症薬
スタチン+フィブラート系併用 相互作用でリスク増大
コルヒチン 痛風治療薬

⚠️ スタチン+フィブラートの併用は横紋筋融解症のリスクが特に高い


QT延長・トルサード・ド・ポアン

原因薬剤 分類
アミオダロン・ソタロール 抗不整脈薬(Ⅲ群)
ハロペリドール・クロルプロマジン 抗精神病薬
エリスロマイシン・クラリスロマイシン マクロライド系抗菌薬
モキシフロキサシン ニューキノロン系抗菌薬

📋 国試頻出まとめ

# 副作用 代表的原因薬剤 キーワード
1 無顆粒球症 チアマゾール・クロザピン・チクロピジン 発熱・咽頭痛
2 TTP クロピドグレル・チクロピジン チエノピリジン系・ADAMTS13
3 HIT ヘパリン 逆説的血栓症・4〜14日後
4 SJS/TEN アロプリノール・ラモトリギン・ST合剤 粘膜障害・表皮壊死
5 DIHS カルバマゼピン・ミノサイクリン 2〜6週後・好酸球増多・HHV-6
6 光アレルギー ケトプロフェンテープ 光アレルギー性接触皮膚炎
7 間質性肺炎 アミオダロン・MTX・ゲフィチニブ 乾性咳嗽・SpO₂低下
8 横紋筋融解症 スタチン(特にフィブラート併用) CPK上昇・ミオグロビン尿
9 QT延長 アミオダロン・ハロペリドール・マクロライド トルサード・ド・ポアン
10 骨粗鬆症 ステロイド長期使用 骨芽細胞抑制

📝 国試過去問チェック

第111回 問186(薬剤性副作用の組み合わせ)

薬物とその副作用の組み合わせとして正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アミオダロン-間質性肺炎
  2. チアマゾール-TTP
  3. クロザピン-無顆粒球症
  4. ケトプロフェン(内服)-光アレルギー性接触皮膚炎
  5. スタチン-SJS
解答と解説を見る

正答:1・3

1✅ アミオダロンは代表的な間質性肺炎誘発薬。長期使用では定期的な胸部X線・CT確認が必要。2❌ チアマゾールの主な血液系副作用は無顆粒球症。TTPはクロピドグレル・チクロピジン(チエノピリジン系)が代表。3✅ クロザピンは治療抵抗性統合失調症に使用される非定型抗精神病薬。無顆粒球症のリスクが高く、定期的な血液検査が義務付けられている。4❌ ケトプロフェンテープ(外用)が光アレルギー性接触皮膚炎の原因。内服ではない。5❌ スタチンの主な副作用は横紋筋融解症。SJSはアロプリノール・ラモトリギン・ST合剤が代表的。


第110回 問187(DIHSの特徴)

薬剤性過敏症症候群(DIHS)について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 投与開始後1週間以内に発症することが多い
  2. 皮膚症状に加え、発熱・リンパ節腫大・臓器障害を伴う
  3. 好中球増多が特徴的な所見である
  4. HHV-6(ヒトヘルペスウイルス6型)の再活性化が起こる
  5. 原因薬剤を中止すれば速やかに改善する
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正答:2・4

1❌ DIHSの発症は投与開始後2〜6週間後が特徴。SJS/TENより遅い。2✅ DIHSは皮膚症状だけでなく、発熱・リンパ節腫大・肝障害などの多臓器障害を伴う重篤な薬疹。3❌ DIHSの特徴は好酸球増多(好中球ではない)および異型リンパ球の増加。4✅ DIHSではHHV-6の再活性化が認められる。これはDIHSの診断基準の1つ。5❌ 原因薬剤を中止してもすぐには改善せず、数週間〜数か月持続することがある。


第108回 問58(TTPの原因薬剤)

39歳男性。心筋梗塞後の血栓予防のために服薬中の薬剤を変更した後、血小板減少・溶血性貧血・腎障害・発熱・神経症状が出現した。原因薬剤として最も考えられるのはどれか。1つ選べ。

  1. アスピリン
  2. クロピドグレル
  3. ワルファリン
  4. ヘパリン
  5. シロスタゾール
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正答:2

血小板減少・溶血性貧血・腎障害・発熱・神経症状の5徴は**TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)**の典型像。

1❌ アスピリンはTTPの原因として稀。2✅ クロピドグレルはチエノピリジン系抗血小板薬であり、TTPの代表的原因薬剤。ADAMTS13活性低下を引き起こす。3❌ ワルファリンはTTPとの関連は乏しい。4❌ ヘパリンで生じる血液系副作用はHIT(ヘパリン起因性血小板減少症)。TTPとは異なる。5❌ シロスタゾール(PDE3阻害薬)はTTPとの関連は乏しい。


第108回 問65(ケトプロフェンテープの副作用)

53歳男性。腰痛でケトプロフェンテープを処方され使用していたところ、貼付部位に一致した紅斑・水疱・色素沈着が出現した。この副作用として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 光毒性反応
  2. 光アレルギー性接触皮膚炎
  3. Stevens-Johnson症候群
  4. 固定薬疹
  5. アナフィラキシー
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正答:2

1❌ 光毒性は初回投与でも起こり得る非免疫学的反応(例:ニューキノロン・テトラサイクリン)。2✅ ケトプロフェンテープは光アレルギー性接触皮膚炎の代表的原因薬。感作後に日光(UV-A)曝露で免疫学的反応が起こる。3❌ SJSは粘膜障害・広範な皮疹が特徴。貼付部位一致の皮疹ではない。4❌ 固定薬疹は同一部位に繰り返す色素沈着を伴う薬疹だが、光との関連性はない。5❌ アナフィラキシーは全身性の即時型アレルギー反応で、局所の光曝露による皮疹とは異なる。


第108回 問183(薬物の副作用組み合わせ)

薬物とその副作用の組み合わせとして正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. バンコマイシン-無顆粒球症
  2. アロプリノール-Stevens-Johnson症候群
  3. メトトレキサート-間質性肺炎
  4. ループ利尿薬-高カリウム血症
  5. ヘパリン-血小板増加
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正答:2・3

1❌ バンコマイシンの代表的副作用は腎毒性・Red man症候群(急速静注時)。無顆粒球症はチアマゾール・クロザピンが代表。2✅ アロプリノール(痛風治療薬)はSJS/TENの代表的原因薬剤。特にHLA-B*5801保有者(アジア人に多い)でリスクが高い。3✅ メトトレキサートは抗リウマチ薬・抗がん薬として使用されるが、間質性肺炎(MTX肺炎)が重篤な副作用。定期的な胸部X線評価が必要。4❌ ループ利尿薬は低カリウム血症を引き起こす。高カリウム血症はACE阻害薬・ARB・スピロノラクトン。5❌ ヘパリンで生じる副作用はHIT(血小板減少症)。血小板が増加するのではなく減少する。


第107回 問184(SJSの特徴)

Stevens-Johnson症候群(SJS)について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 皮膚病変は体表面積の30%以上に及ぶ
  2. ウイルス感染が主な原因である
  3. 粘膜(眼・口腔・外陰部)の障害を伴う
  4. 原因薬として抗てんかん薬・アロプリノールが多い
  5. 発症後に原因薬を継続しても軽快することが多い
解答と解説を見る

正答:3・4

1❌ 皮膚剥離が体表面積の30%以上に及ぶものはTEN(中毒性表皮壊死融解症)。SJSは10%未満。2❌ SJSの主な原因は薬剤(約50%)。「主な原因がウイルス」は誤り。3✅ SJSの特徴は粘膜障害(眼・口腔・外陰部)で、眼症状(結膜炎・角膜びらん)が失明につながることも。4✅ SJSの代表的原因薬はアロプリノール・ラモトリギン・カルバマゼピン・ST合剤など。抗てんかん薬が多い。5❌ 原因薬は即時中止が必須。継続により重症化・TENへ移行するリスクがある。

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