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副作用モニタリングと安全情報

📅 2026年5月20日🔄 更新: 2026年5月20日
📖 この記事でわかること
  • 緊急安全性情報(イエローレター)と安全性速報(ブルーレター)の違いを説明できる
  • CTCAE(有害事象共通用語規準)の用途とグレード分類を覚えられる
  • 副作用報告書に記載する項目・しない項目(氏名・生年月日)を判断できる
  • 小柴胡湯の重大副作用(間質性肺炎)とインターフェロン禁忌を説明できる
  • ラモトリギンの重篤な皮膚障害(SJS・TEN)とバルプロ酸との相互作用を覚えられる
目次
  1. 1.医薬品の安全性情報の種類
  2. 2.CTCAE(有害事象共通用語規準)
  3. 3.副作用報告書の記載項目
  4. 4.漢方薬の副作用
  5. 5.ラモトリギンの重篤な副作用
  6. 6.国試頻出まとめ
  7. 7.国試過去問チェック

医薬品の安全性情報の種類

文書名 通称 作成者 発出条件
緊急安全性情報 イエローレター(黄色) 製造販売業者(厚労省指示) 緊急の安全対策が必要な場合
安全性速報 ブルーレター(青色) 製造販売業者(厚労省指示) 重要な安全対策情報
医薬品・医療機器等安全性情報 厚生労働省 定期的な安全情報(月1〜2回)
医薬品安全対策情報(DSU) 日本製薬団体連合会 添付文書改訂情報
医薬品リスク管理計画(RMP) 製造販売業者 承認申請時〜市販後
厚生労働省が緊急措置が必要と判断
↓
製造販売業者に指示
↓
製造販売業者が「緊急安全性情報」を作成・配布
(医療機関・薬局へ直接送付、原則2週間以内)
比較項目 緊急安全性情報(黄) 安全性速報(青)
緊急度 より高い 高い
配布期限 原則2週間以内 原則1ヶ月以内

💡 「厚労省の指示→製造販売業者が作成」=緊急安全性情報。厚労省自身が作成するのは「医薬品・医療機器等安全性情報」

CTCAE(有害事象共通用語規準)

CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events):米国国立がん研究所(NCI)が作成した、医薬品による有害事象の重症度を評価する基準。主にがん治療(化学療法)の副作用評価に使用。

グレード 内容
Grade 1 軽症(症状はあるが日常生活に支障なし)
Grade 2 中等症(手段的ADLへの制限)
Grade 3 重症(身の回り以外のADLが困難)
Grade 4 生命を脅かす(緊急処置が必要)
Grade 5 死亡

💡 CTCAEは「有害事象の重症度評価基準」。がん薬物療法の副作用を5段階で評価

副作用報告書の記載項目

副作用報告書(医薬品安全性情報報告書)では個人情報保護の観点から、氏名や生年月日は記載しません。

記載する項目 記載しない項目
患者の年齢・性別 ❌ 患者の氏名
副作用の発現時期・発現期間 ❌ 患者の生年月日
被疑薬の名称・用量・投与経路 ❌ 被疑薬の製造番号
副作用の転帰 ❌ 家族の副作用歴
報告者の情報

⚠️ 患者の「氏名」「生年月日」は記載しない。「年齢」は記載する。個人情報保護が理由

漢方薬の副作用

漢方薬 代表的な副作用 ポイント
小柴胡湯 間質性肺炎 C型肝炎+インターフェロン併用で死亡例→重大薬害
甘草含有製剤(芍薬甘草湯・補中益気湯等) 偽アルドステロン症(低カリウム血症) グリチルリチン→アルドステロン様作用
大黄含有製剤(大黄甘草湯等) 下痢・腹痛 センノシド→大腸刺激
附子(ブシ)含有製剤 心悸亢進・舌のしびれ アコニチン(強心配糖体)
山梔子含有製剤 腸間膜静脈硬化症 長期使用で大腸壁の石灰化

⚠️ 小柴胡湯の間質性肺炎は重大薬害事例。インターフェロンとの「併用禁忌」

ラモトリギンの重篤な副作用

ラモトリギン(ラミクタール):抗てんかん薬・双極性障害治療薬

バルプロ酸との併用
↓
ラモトリギンの血中濃度上昇(半減期が2倍以上)
↓
皮膚障害(SJS・TEN)リスクが大幅に増加
↓
少量から開始・ゆっくり増量が必須
副作用 詳細
SJS(スティーブンス・ジョンソン症候群) 重篤な皮膚粘膜障害→命に関わる
TEN(中毒性表皮壊死融解症) 皮膚が広範囲に剥離→致死的
DRESS 薬剤反応と好酸球増多と全身症状

⚠️ ラモトリギンの投与初期・増量時に発疹が出たらすぐ中止!SJS・TENへの進展を防ぐ

国試頻出まとめ

# テーマ ポイント
1 イエローレター 厚労省指示→製造販売業者が作成。厚労省自身が作成するのは「医薬品・医療機器等安全性情報」
2 CTCAE 有害事象の重症度評価基準(5段階)。主にがん治療の副作用評価
3 副作用報告書 氏名・生年月日は記載しない。年齢・副作用発現期間は記載する
4 小柴胡湯 間質性肺炎が重大副作用。インターフェロンと「併用禁忌」
5 ラモトリギン SJS・TENが重篤な皮膚障害。バルプロ酸併用で血中濃度上昇→リスク増大

国試過去問チェック

第110回 問88(必須)

医薬品の有害事象の重症度を評価する基準として用いられるのはどれか。1つ選べ。

  1. ICH 2. GCP 3. PMDA 4. CTCAE 5. MedDRA
✅ 正解・解説を見る

正解:4

1✗ ICH→日米EU医薬品規制調和国際会議(ガイドライン策定機関)
2✗ GCP→医薬品の臨床試験の実施基準
3✗ PMDA→医薬品医療機器総合機構(日本の審査機関)
4○ CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)→米国NCIが作成した有害事象の重症度評価基準。Grade 1〜5の5段階
5✗ MedDRA→医薬品規制用語辞書(副作用用語の国際標準)


第110回 問89(必須)

医薬品安全性情報報告書への記載項目として定められているのはどれか。1つ選べ。

  1. 患者の氏名 2. 患者の生年月日 3. 副作用の発現期間 4. 被疑薬の製造番号 5. 家族の副作用歴
✅ 正解・解説を見る

正解:3

1✗ 患者の氏名→個人情報保護のため記載しない
2✗ 患者の生年月日→記載しない(年齢は記載する)
3○ 副作用の発現期間→副作用報告書の法定記載事項
4✗ 被疑薬の製造番号→記載事項ではない
5✗ 家族の副作用歴→記載事項ではない


第109回 問86(必須)

漢方薬とその副作用の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 半夏瀉心湯―口内炎 2. 芍薬甘草湯―高カリウム血症 3. 半夏厚朴湯―下痢 4. 小柴胡湯―間質性肺炎 5. 黄連解毒湯―腎機能障害
✅ 正解・解説を見る

正解:4

1✗ 半夏瀉心湯→口内炎は副作用ではなく効能(適応症)
2✗ 芍薬甘草湯→甘草含有→低カリウム血症(偽アルドステロン症)。高カリウムではない
3✗ 半夏厚朴湯→典型的な副作用ではない
4○ 小柴胡湯→間質性肺炎(重大薬害事例)。C型肝炎患者+インターフェロン併用で死亡例あり→併用禁忌
5✗ 黄連解毒湯→典型的な副作用ではない


第106回 問86(必須)

ラモトリギンに関する安全性速報(ブルーレター)が発出された重篤な副作用として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 間質性肺炎 2. 横紋筋融解症 3. 偽アルドステロン症 4. 再生不良性貧血 5. 皮膚障害
✅ 正解・解説を見る

正解:5

5○ ラモトリギン(ラミクタール)→SJS(スティーブンス・ジョンソン症候群)・TEN(中毒性表皮壊死融解症)などの重篤な皮膚障害。バルプロ酸との併用で血中濃度が上昇しリスクが増大
投与初期・増量時に発疹が出たらすぐ中止!

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