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💉 薬理

国試頻出!麻酔薬の作用機序まとめ|全身麻酔・静脈麻酔・吸入麻酔薬を完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • デクスメデトミジンはα₂受容体を介してGiタンパクを活性化する
  • ケタミンはNMDA受容体を拮抗して解離性麻酔を起こす
  • チアミラール・プロポフォールはGABAA受容体に作用する
  • 吸入麻酔薬は最小肺胞濃度(MAC)で効力を評価する
  • 局所麻酔薬は電位依存性Na⁺チャネルを遮断する
目次
  1. 1.麻酔薬の分類
  2. 2.デクスメデトミジン(α₂受容体作動薬)
  3. 3.ケタミン(解離性麻酔薬)
  4. 4.チアミラール・プロポフォール(GABAA受容体作動薬)
  5. 5.吸入麻酔薬(ハロゲン化揮発性麻酔薬)
  6. 6.局所麻酔薬
  7. 7.国試頻出まとめ
  8. 8.国試過去問チェック

麻酔薬の分類

全身麻酔薬は静脈麻酔薬吸入麻酔薬に大別されます。

分類 代表薬 作用機序
静脈麻酔薬(BZ系) ミダゾラム GABAA(BZ部位)→ Cl⁻↑
静脈麻酔薬(バルビツール酸) チアミラール、チオペンタール GABAA → Cl⁻↑(超短時間型)
静脈麻酔薬(フェノール誘導体) プロポフォール GABAA → Cl⁻↑
静脈麻酔薬(解離性麻酔) ケタミン NMDA受容体拮抗
鎮静補助(α₂作動薬) デクスメデトミジン α₂受容体 → Gi
吸入麻酔薬 セボフルラン、デスフルラン GABAA増強・NMDA拮抗

デクスメデトミジン(α₂受容体作動薬)

デクスメデトミジン投与
  ↓
α₂アドレナリン受容体(Gi共役型)に結合
  ↓
Giタンパク活性化 → アデニル酸シクラーゼ抑制 → cAMP↓
  ↓
【青斑核】ノルアドレナリン放出↓ → 鎮静・催眠
【脊髄後角】α₂受容体刺激 → 痛覚伝達抑制 → 鎮痛
  • 呼吸抑制が少ない(ICUでの鎮静・人工呼吸器離脱中の管理に使用)
  • 鎮静しながら呼びかけに反応できる「協調的鎮静」が特徴

α₂受容体 → Giタンパク → cAMP↓ という情報伝達経路が頻出!


🌀 ケタミン(解離性麻酔薬)

ケタミン投与
  ↓
NMDA型グルタミン酸受容体(イオンチャネル型)を拮抗
  ↓
Ca²⁺・Na⁺の流入↓ → 興奮性神経伝達↓
  ↓
「解離性麻酔」:意識消失するが眼球運動・筋緊張・反射は保たれる
  ↓
強い鎮痛作用(オピオイド受容体にも弱く作用)

交感神経興奮作用あり → 血圧↑・心拍数↑ → ショック・低血圧時の麻酔導入に有利

覚醒時反応(幻覚・悪夢)が出ることがある → ベンゾジアゼピン系と併用して予防


😴 チアミラール・プロポフォール(GABAA受容体作動薬)

BZ系とバルビツール酸系のGABAA受容体への作用の違い:

【BZ系(ミダゾラムなど)】
BZD結合部位に結合
  ↓
GABAの親和性↑ → Cl⁻チャネル開口【頻度】↑
  ↓
拮抗薬:フルマゼニルで逆転可能

【バルビツール酸系(チアミラール・チオペンタール)】
バルビツール酸結合部位に結合
  ↓
GABAなしでもCl⁻チャネルを直接開口 → 開口【時間】↑
  ↓
拮抗薬:なし(安全域が狭い・高用量で呼吸抑制)
BZ系(ミダゾラムなど) バルビツール酸系(チアミラールなど)
GABAA作用 Cl⁻チャネル開口頻度 Cl⁻チャネル開口時間
安全性 比較的高い 低い(量依存的に呼吸抑制)
拮抗薬 フルマゼニル なし

チアミラール・チオペンタールの特徴:

  • 静注後30秒以内に発現、5〜10分で消失(脂溶性高い → 脳へ速分布 → 再分布で効果消失)
  • 呼吸抑制・血圧低下あり

バルビツール酸系はポルフィリン症に禁忌(硫黄含有)

プロポフォールの特徴:

  • GABAA受容体 → Cl⁻↑(BZ系・バルビツール酸系とは異なる結合部位)
  • 乳白色の脂肪乳剤(大豆油・卵リン脂質)→ 卵・大豆アレルギーに注意
  • 作用発現・消失が超速い → TIVA(全静脈麻酔)に使用
  • 覚醒後の頭痛・嘔気が少ない

プロポフォール注入症候群:長時間・高用量投与で代謝性アシドーシス・心不全・横紋筋融解


💨 吸入麻酔薬(ハロゲン化揮発性麻酔薬)

薬剤 MAC(%) 特徴
セボフルラン 2.0 刺激臭なし・小児に使いやすい
デスフルラン 6.0 覚醒が最速・刺激臭あり
イソフルラン 1.2 冠血管拡張(盗血現象)

MAC(最小肺胞濃度):50%の患者が皮膚切開に反応しない最低濃度。MACが小さいほど強力(少量で効く)。

作用機序: GABAA受容体増強(Cl⁻↑)+ NMDA受容体拮抗 → 神経活動抑制


🪡 局所麻酔薬

局所麻酔薬(アミド型・エステル型)が神経膜に作用
  ↓
電位依存性Na⁺チャネルの内側(細胞内側)に結合 → チャネルを遮断
  ↓
Na⁺の細胞内流入ができない → 脱分極が起こらない
  ↓
活動電位が発生できない → 神経の興奮伝導が遮断
  ↓
感覚神経(痛覚)> 自律神経 > 運動神経 の順に遮断
薬物 結合型 特徴
リドカイン アミド型 最も汎用・抗不整脈作用もあり(Ib群)
メピバカイン アミド型 中等度作用時間・歯科でよく使用
ブピバカイン アミド型 長時間作用・心毒性に注意
プロカイン エステル型 古典的・短時間作用
コカイン エステル型 天然由来・依存性あり

アミド型:肝臓で代謝。アレルギー反応少ない
エステル型:血漿コリンエステラーゼで加水分解

アドレナリン併用の理由:血管収縮 → 局所麻酔薬の吸収遅延 → 作用時間延長・全身毒性軽減


国試頻出まとめ

# ポイント
1 デクスメデトミジン:α₂受容体 → Gi → cAMP↓ → 鎮静・鎮痛。呼吸抑制が少ない
2 ケタミン:NMDA受容体拮抗 → 解離性麻酔。交感神経興奮→血圧↑(ショック時に有利)
3 BZ系:GABAA受容体のBZD部位 → Cl⁻チャネル開口頻度↑。拮抗薬:フルマゼニル
4 バルビツール酸系:GABAA受容体 → Cl⁻チャネル開口時間↑。拮抗薬なし。ポルフィリン症禁忌
5 プロポフォール:乳白色脂肪乳剤。TIVA(全静脈麻酔)に使用。プロポフォール注入症候群に注意
6 MAC:最小肺胞濃度。小さいほど強力。セボ2.0 > デス6.0(力価はセボの方が強い)
7 局所麻酔薬:電位依存性Na⁺チャネル遮断 → 活動電位発生↓ → 伝導遮断
8 アミド型(リドカイン・メピバカイン・ブピバカイン)vs エステル型(プロカイン・コカイン)
9 アドレナリン併用→血管収縮→局所麻酔薬の吸収↓→作用時間延長・全身毒性軽減
10 リドカイン:局所麻酔+抗不整脈(Ib群)の両方の作用を持つ

📝 国試過去問チェック

第110回 問153(一般)

デクスメデトミジンの受容体として正しいのはどれか。

1. ドパミンD₂受容体
2. セロトニン5-HT₁A受容体
3. α₂アドレナリン受容体
4. GABAA受容体
5. NMDA型グルタミン酸受容体

解答と解説を見る

正解:3

デクスメデトミジンはα₂アドレナリン受容体(Gi共役型)に作用し、cAMPを低下させる。青斑核に作用して鎮静・催眠を、脊髄後角に作用して鎮痛を発揮する。呼吸抑制が少ない点が他の全身麻酔薬と異なる特徴で、ICUでの鎮静管理に使用される。

4✗ GABAA受容体はBZ系・バルビツール酸系・プロポフォールの作用点。
5✗ NMDA受容体はケタミン・吸入麻酔薬の作用点。


第107回 問28(必須)

メピバカインの局所麻酔作用の機序はどれか。1つ選べ。

1. ATP感受性K⁺チャネルの刺激
2. アセチルコリンN受容体の遮断
3. 電位依存性Na⁺チャネルの遮断
4. セロトニン5-HT₁A受容体の遮断
5. 電位依存性T型Ca²⁺チャネルの遮断

解答と解説を見る

正解:3

局所麻酔薬(メピバカイン・リドカイン・ブピバカインなど)の作用機序は電位依存性Na⁺チャネルの遮断。Na⁺チャネルが遮断されると活動電位が発生できず、感覚・運動神経の伝導が遮断される。メピバカインはアミド型局所麻酔薬で、歯科領域でよく使用される。

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