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国試頻出!狭心症治療薬の作用機序まとめ|硝酸薬・ニコランジル・β遮断薬・Ca拮抗薬を完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • 狭心症の2種類(労作性・異型)と治療薬の使い分けがわかる
  • 硝酸薬(ニトログリセリン)の作用機序(NO→cGMP→血管拡張)がわかる
  • ニコランジルのKATPチャネル開口+NO産生の二重作用が覚えられる
  • β遮断薬・Ca拮抗薬の狭心症への効果が理解できる
  • 第107・110回国試の過去問で実戦練習できる
目次
  1. 1.狭心症の種類と病態
  2. 2.硝酸薬
  3. ニトログリセリン(NTG)
  4. 硝酸イソソルビド(ISDN)
  5. 3.ニコランジル
  6. 4.β遮断薬
  7. 5.Ca拮抗薬
  8. 6.薬の使い分けまとめ
  9. 7.国試頻出まとめ
  10. 8.国試過去問チェック

💔 狭心症の種類と病態

種類 原因 特徴
労作性狭心症 冠動脈の固定した狭窄 運動・興奮時に発症、安静で改善
異型狭心症(冠攣縮性) 冠動脈の攣縮(スパズム) 深夜〜早朝に多い、安静中に発症
不安定狭心症 冠動脈プラーク不安定化 急性心筋梗塞の前段階

異型狭心症へのβ遮断薬は禁忌(β₂遮断→冠動脈拡張が失われ攣縮が悪化)


硝酸薬

ニトログリセリン(NTG)

ニトログリセリン投与
  ↓
体内でNO(一酸化窒素)を産生
  ↓
グアニル酸シクラーゼを活性化
  ↓
cGMP(環状グアノシン一リン酸)↑
  ↓
PKG(プロテインキナーゼG)活性化
  ↓
ミオシン軽鎖リン酸化↓
  ↓
血管平滑筋弛緩

【結果】
静脈拡張 → 前負荷↓ → 心臓の仕事量↓
冠動脈拡張 → 冠血流↑ → 心筋への酸素供給↑
動脈拡張 → 後負荷↓
剤形 特徴
舌下錠・スプレー 即効性(1〜2分)。初回通過効果を回避
貼付剤 長時間持続。発作予防(耐性に注意)

硝酸薬耐性: 連続使用で効果低下。対策としてNTG-free時間(1日8〜12時間)を設ける。

硝酸イソソルビド(ISDN)

ニトログリセリンより作用時間が長い。経口・静注・舌下・スプレー剤がある。


ニコランジル

ニコランジルの二重作用

【作用①】KATPチャネル(ATP感受性K⁺チャネル)開口
  ↓
K⁺流出 → 膜過分極
  ↓
電位依存性Ca²⁺チャネルが開きにくくなる
  ↓
Ca²⁺流入↓ → 血管平滑筋弛緩

【作用②】硝酸薬様作用(NO産生)
  ↓
cGMP↑ → 血管平滑筋弛緩

→ 2つの機序を持つため、硝酸薬耐性が起きにくい!
ニコランジル 硝酸イソソルビド
cGMP上昇(NO産生) あり あり
KATPチャネル開口 あり なし
硝酸薬耐性 生じにくい 生じやすい
異型狭心症への適用 有効 有効

β遮断薬

労作性狭心症では心臓への酸素需要↑が問題
  ↓
【β遮断薬の作用】
β₁受容体を遮断
  ↓
心拍数↓・心収縮力↓
  ↓
心臓の酸素消費量↓
  ↓
労作性狭心症の発作予防
(第一選択薬)
薬物 特徴
アテノロール β₁選択的。水溶性→中枢移行少・悪夢・不眠が少ない
ビソプロロール β₁選択性が最も高い。心不全にも使用
メトプロロール β₁選択的。標準薬
プロプラノロール 非選択的(β₁・β₂両方遮断)。喘息禁忌

異型狭心症(冠攣縮性)への使用は禁忌または慎重(β₂遮断→冠動脈攣縮が悪化)


Ca拮抗薬

異型狭心症では冠動脈の攣縮(スパズム)が問題
  ↓
【Ca拮抗薬の作用】
血管平滑筋のL型Ca²⁺チャネルをブロック
  ↓
Ca²⁺流入↓
  ↓
血管平滑筋弛緩
  ↓
冠動脈・末梢血管拡張 → 攣縮を解除
(異型狭心症の第一選択薬)
  • ジヒドロピリジン系(ニフェジピン・アムロジピン):血管選択性高い
  • 非ジヒドロピリジン系(ベラパミル・ジルチアゼム):心臓への作用も持つ

📊 薬の使い分けまとめ

薬の種類 労作性狭心症 異型狭心症(冠攣縮性)
硝酸薬 ○(発作時)
ニコランジル
β遮断薬 ○(第一選択) ✗ 禁忌
Ca拮抗薬 ○(第一選択)

国試頻出まとめ

# ポイント
1 労作性狭心症:冠動脈の固定狭窄。運動時に発症→β遮断薬が第一選択(心臓酸素消費量↓)
2 異型狭心症(冠攣縮性):冠動脈攣縮。深夜〜早朝に発症→Ca拮抗薬が第一選択
3 異型狭心症へのβ遮断薬は禁忌:β₂遮断→冠動脈拡張消失→攣縮悪化
4 硝酸薬(ニトログリセリン):NO産生→グアニル酸シクラーゼ→cGMP↑→血管拡張。舌下錠は即効性
5 硝酸薬耐性:連続使用で効果低下。NTG-free時間(8〜12時間)で対策
6 ニコランジル:KATPチャネル開口(膜過分極→Ca²⁺流入↓)+NO産生の二重作用
7 ニコランジルは硝酸薬耐性が生じにくい(KATP開口作用があるため)
8 アテノロール:β₁選択的遮断、水溶性→中枢性副作用(悪夢・不眠)が少ない
9 プロプラノロール:非選択的β遮断(β₁+β₂)→喘息・異型狭心症に禁忌
10 Ca拮抗薬:L型Ca²⁺チャネル遮断→冠動脈拡張。ジヒドロピリジン系は血管選択性高い

📝 国試過去問チェック

第110回 問33(必須問題)

ニコランジルに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

1. ニコランジルはカルシウムチャネルをブロックすることで血管拡張作用を示す
2. ニコランジルはATP感受性カリウムチャネル(KATP)を開口し、膜過分極を引き起こす
3. ニコランジルは連続使用で硝酸薬耐性が起こりやすいため、NTG-free時間が必要である
4. ニコランジルは労作性狭心症には有効だが、異型狭心症(冠攣縮性)には禁忌である
5. ニコランジルの冠動脈拡張作用はβ₁受容体遮断作用によるものである

解答と解説を見る

正解:2

2○ KATPチャネル開口→K⁺流出→膜過分極→Ca²⁺流入↓→血管平滑筋弛緩。
1✗ ニコランジルはCaチャネルをブロックするのではなくKATPチャネルを開口する(Ca拮抗薬とは機序が異なる)。
3✗ ニコランジルはKATPチャネル開口作用も持つため硝酸薬耐性が起きにくいのが特徴。
4✗ ニコランジルは異型狭心症にも有効(禁忌ではない)。
5✗ ニコランジルの作用機序はKATPチャネル開口とNO産生。β受容体とは無関係。


第110回 問34(必須問題)

細胞内サイクリックGMP(cGMP)濃度上昇作用及びK⁺チャネル開口作用を併せ持つ狭心症治療薬はどれか。1つ選べ。

1. ニコランジル
2. ベラパミル
3. ジルチアゼム
4. 硝酸イソソルビド
5. アテノロール

解答と解説を見る

正解:1

1○ ニコランジルのみがcGMP上昇(NO産生)とKATPチャネル開口の両作用を持つ。
2・3✗ ベラパミル・ジルチアゼムはCa拮抗薬(Caチャネル阻害)。
4✗ 硝酸イソソルビドはNO放出→cGMP↑のみ(KATPチャネル開口なし)。
5✗ アテノロールはβ₁遮断薬。


第107回 問33(必須問題)

心筋収縮力及び心拍数を低下させ、労作性狭心症発作を予防するのはどれか。1つ選べ。

1. 硝酸イソソルビド
2. チクロピジン
3. ピモベンダン
4. アテノロール
5. デノパミン

解答と解説を見る

正解:4

4○ アテノロール(β₁遮断薬):心筋収縮力↓・心拍数↓→心臓の酸素需要↓→労作性狭心症の発作予防。
1✗ 硝酸イソソルビドは血管拡張(「心筋収縮力↓」ではない)。
2✗ チクロピジンは抗血小板薬。
3✗ ピモベンダンは心不全治療薬(収縮力↑)。
5✗ デノパミンはβ₁刺激薬(収縮力↑)。

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