アレルギー反応の基礎
アレルギーはⅠ型(即時型)が最も重要です。
Ⅰ型アレルギーのメカニズム:
- 初回感作:アレルゲン → 樹状細胞 → Th2細胞 → IL-4産生 → B細胞がIgE産生
- 再暴露:IgEを表面に持つ肥満細胞・好塩基球にアレルゲン結合
- 脱顆粒:ヒスタミン・ロイコトリエン・PGなど放出 → アレルギー症状
アレルギー関連サイトカインと受容体
| サイトカイン | 受容体 | 主な役割 |
|---|---|---|
| IL-4 | IL-4Rα/γc | IgEクラススイッチ・Th2分化 |
| IL-13 | IL-4Rα/IL-13Rα1 | 粘液産生↑・気道過敏性 |
| IL-5 | IL-5Rα | 好酸球分化・活性化 |
| IL-33 | ST2 | 肥満細胞・Th2活性化 |
デュピルマブ:IL-4Rα鎖を標的とするため、IL-4とIL-13(両方がIL-4Rαを使う)を一度にブロックできる!
デュピルマブ(抗IL-4Rα抗体)
標的:IL-4受容体α鎖(IL-4Rα)
特徴:
- ヒト化モノクローナル抗体(生物製剤)
- IL-4シグナル + IL-13シグナル(2型炎症)を同時遮断
- 適応:アトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎
- 皮下注射(2週間ごと)
- 副作用:注射部位反応、結膜炎
国試チェック: IL-4Rα抗体 = IL-4とIL-13の両方を遮断する点が重要!
ロイコトリエン経路と拮抗薬
ロイコトリエン産生経路:
アラキドン酸 → 5-LOX(5-リポキシゲナーゼ)→ LTA₄ → LTB₄(好中球走化性)、LTC₄ → LTD₄ → LTE₄(システイニルロイコトリエン)
システイニルロイコトリエン(CysLT)の作用:
- CysLT1受容体 → 気管支収縮・血管透過性↑・粘液産生↑
- CysLT2受容体 → 血管透過性↑
プランルカスト・モンテルカスト(CysLT1拮抗薬)
受容体:**CysLT1(システイニルロイコトリエン受容体1)**拮抗
特徴:
- 気管支喘息・アレルギー性鼻炎の予防・治療
- 経口投与可能
- 吸入ステロイドとの併用で喘息コントロール改善
- 副作用:チャーグ・ストラウス症候群(EGPA)— まれ
| 薬剤 | 特徴 |
|---|---|
| プランルカスト | 1日2回投与 |
| モンテルカスト | 1日1回(就寝前)、小児にも使用 |
肥満細胞安定薬
クロモグリク酸(DSCG)
作用:肥満細胞の脱顆粒抑制(Cl⁻チャネル関連)
特徴:
- 予防薬(発作が起きてからでは効果なし)
- 吸入・点眼・点鼻剤として使用
- 副作用少ない(安全性高い)
- 即効性がないため、定期吸入が必要
トラニラスト
作用:肥満細胞脱顆粒抑制 + ケロイド治療にも使用
スプラタスト(Th2サイトカイン産生抑制)
作用:Th2細胞からのIL-4・IL-5産生↓ → IgE産生↓・好酸球活性化↓
特徴:
- 気管支喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎
- 経口投与
- 免疫調節薬(抗原特異的ではない)
喘息治療薬の全体像
| 分類 | 薬剤 | 作用 |
|---|---|---|
| 長期管理薬 | 吸入ステロイド(ICS) | 気道炎症抑制 |
| 長期管理薬 | LABA(サルメテロール等) | 気管支拡張(長時間型) |
| 長期管理薬 | CysLT1拮抗薬 | ロイコトリエン拮抗 |
| 生物製剤 | デュピルマブ(IL-4Rα抗体) | 2型炎症遮断 |
| 生物製剤 | オマリズマブ(抗IgE抗体) | IgE遮断 |
| 生物製剤 | メポリズマブ(抗IL-5抗体) | 好酸球抑制 |
| 発作治療薬 | SABA(サルブタモール等) | 即効気管支拡張 |
| 発作治療薬 | テオフィリン | PDE阻害 → cAMP↑ |
第110回 国試過去問チェック
第110回 問155
デュピルマブの結合標的として正しいのはどれか。
- IL-4受容体α鎖(IL-4Rα) → 正解
- IL-4シグナルとIL-13シグナルの両方をブロック
プランルカストの受容体として正しいのはどれか。
- CysLT1(システイニルロイコトリエン受容体1) → 正解
- ロイコトリエンD₄(LTD₄)などのシステイニルLTを拮抗
