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💉 薬理

国試頻出!抗悪性腫瘍薬の作用機序まとめ|代謝拮抗薬・アルキル化薬・分子標的薬を完全整理

📅 2026年5月14日
📖 この記事でわかること
  • 抗悪性腫瘍薬の6大分類(アルキル化・代謝拮抗・植物アルカロイド・抗腫瘍抗生物質・分子標的薬・ホルモン療法)がわかる
  • 各薬物の細胞周期への影響と標的が覚えられる
  • 第111回国試の過去問(問169)で実戦練習できる
目次
  1. 1.抗悪性腫瘍薬の大分類
  2. 2.代謝拮抗薬
  3. 3.トポイソメラーゼ阻害薬
  4. 4.微小管阻害薬
  5. 5.分子標的薬
  6. 6.第111回 国試過去問チェック

抗悪性腫瘍薬の大分類

分類 代表薬 主な標的
アルキル化薬 シクロホスファミド・シスプラチン DNA架橋形成
代謝拮抗薬 メトトレキサート・ゲムシタビン・メルカプトプリン DNA合成阻害
植物アルカロイド ビンクリスチン・パクリタキセル・イリノテカン チューブリン/トポイソメラーゼ阻害
抗腫瘍抗生物質 ドキソルビシン・ブレオマイシン DNA/RNA合成阻害
分子標的薬 イマチニブ・ニボルマブ・トラスツズマブ 特定分子を標的
ホルモン療法 タモキシフェン・リュープロレリン ホルモン依存性腫瘍

代謝拮抗薬

正常な代謝産物に似た構造を持ち、DNA合成を阻害します。

プリン代謝拮抗薬

薬物 作用機序 特徴
メルカプトプリン(6-MP) チオイノシン酸(TIMP)に代謝→イノシン酸からアデニル酸・グアニル酸への生成を阻害 急性白血病。アロプリノールとの相互作用に注意
フルダラビン DNAポリメラーゼ阻害 慢性リンパ性白血病

ピリミジン代謝拮抗薬

薬物 作用機序 特徴
フルオロウラシル(5-FU) チミジル酸合成酵素阻害 消化器がん・乳がん。プロドラッグ:カペシタビン
ゲムシタビン DNAポリメラーゼ阻害・DNA鎖終止 膵がん・非小細胞肺がん
シタラビン(Ara-C) DNAポリメラーゼ阻害 急性白血病

葉酸代謝拮抗薬

薬物 作用機序 特徴
メトトレキサート(MTX) ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)阻害 白血病・関節リウマチ・乾癬。ロイコボリン(葉酸)でレスキュー

トポイソメラーゼ阻害薬

薬物 標的 特徴
イリノテカン トポイソメラーゼI阻害(SN-38に活性化) 大腸がん・肺がん。UGT1A1遺伝子多型で副作用変動
エトポシド トポイソメラーゼII阻害 小細胞肺がん・悪性リンパ腫
ドキソルビシン トポイソメラーゼII阻害+DNA嵌入 乳がん・白血病。心毒性(累積投与量制限)

微小管阻害薬

薬物 作用機序 特徴
ビンクリスチン・ビンブラスチン チューブリン重合阻害→紡錘体形成阻害 M期特異的。末梢神経障害の副作用
パクリタキセル・ドセタキセル チューブリン脱重合阻害→微小管安定化→分裂停止 乳がん・卵巣がん。過敏反応の前投薬必要

分子標的薬

チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)

薬物 標的 適応
イマチニブ BCR-ABLチロシンキナーゼ 慢性骨髄性白血病(CML)
ゲフィチニブ・エルロチニブ EGFR(HER1)TKI 非小細胞肺がん(EGFR変異陽性)
トラスツズマブ エムタンシン HER2抗体-薬物複合体 HER2陽性乳がん

免疫チェックポイント阻害薬

薬物 標的 特徴
ニボルマブ PD-1(T細胞上)に結合 → T細胞の活性化回復 悪性黒色腫・肺がんなど多くのがん
ペムブロリズマブ PD-1結合 幅広いがん種
アテゾリズマブ PD-L1(がん細胞上)に結合 肺がん・膀胱がん
イピリムマブ CTLA-4結合 悪性黒色腫

国試ポイント:ニボルマブはがん細胞のPD-L1ではなく、T細胞のPD-1に結合する!

GnRHアゴニスト(ホルモン療法)

薬物 作用機序 適応
リュープロレリン 持続投与→GnRH受容体ダウンレギュレーション→LH/FSH↓→テストステロン↓ 前立腺がん・乳がん・子宮内膜症

第111回 国試過去問チェック

問169(第111回 一般問題)

抗悪性腫瘍薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. メルカプトプリンは、チオイノシン酸に代謝され、イノシン酸からアデニル酸及びグアニル酸への生成を阻害する。
  2. イリノテカンは、生体内でSN-38に代謝された後、DNAポリメラーゼを選択的に阻害する。
  3. ゲムシタビンは、DNAをアルキル化し、がん細胞のS期移行性を阻害する。
  4. リュープロレリンは、持続的刺激により下垂体GnRH受容体のダウンレギュレーションを起こし、精巣からのテストステロン分泌を抑制する。
  5. ニボルマブは、がん細胞上のPD-L1に結合して、T細胞を活性化する。

正答:1・4

解説:

  • 1:○ メルカプトプリン→チオイノシン酸(TIMP)→プリンヌクレオチド合成阻害
  • 2:× イリノテカン→SN-38はトポイソメラーゼIを阻害(DNAポリメラーゼではない)
  • 3:× ゲムシタビンは代謝拮抗薬(DNAポリメラーゼ阻害)。アルキル化はシクロホスファミドなど
  • 4:○ リュープロレリン=GnRHアゴニスト持続投与→ダウンレギュレーション→テストステロン↓
  • 5:× ニボルマブはT細胞のPD-1に結合(がん細胞のPD-L1ではない)
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