マスコット薬スタ
💉 薬理

国試頻出!抗ウイルス薬の作用機序まとめ|ヘルペス・HIV・インフルエンザを完全整理

📅 2026年5月14日
📖 この記事でわかること
  • 抗ウイルス薬の作用機序が感染症別に整理できる
  • アシクロビルがウイルス選択毒性を持つ理由がわかる
  • 第111回国試の過去問(問39)で実戦練習できる
目次
  1. 1.抗ウイルス薬の基本
  2. 2.ヘルペスウイルス治療薬
  3. 3.インフルエンザ治療薬
  4. 4.HIV治療薬(抗レトロウイルス薬)
  5. 5.C型肝炎治療薬
  6. 6.第111回 国試過去問チェック

抗ウイルス薬の基本

ウイルスは宿主細胞の中で増殖するため、ウイルスだけを選択的に攻撃するのが難しいのが特徴です。抗ウイルス薬は「ウイルス固有の酵素や構造」を標的にします。

ヘルペスウイルス治療薬

アシクロビルの選択毒性のしくみ

アシクロビルはプロドラッグであり、活性化まで2段階あります:

  1. 感染細胞内でヘルペスウイルスのチミジンキナーゼによりリン酸化(1回目)
  2. 宿主細胞のキナーゼによりさらにリン酸化(2回目・3回目)→アシクロビル三リン酸(活性体)
  3. ウイルスDNAポリメラーゼを阻害 → ウイルス増殖抑制

ポイント:非感染細胞にはヘルペスウイルスのチミジンキナーゼがないため活性化されない→選択毒性の理由!

薬物 特徴 適応
アシクロビル HSV・VZVに有効。経口・外用・点滴 単純ヘルペス・帯状疱疹
バラシクロビル アシクロビルのプロドラッグ(バイオアベイラビリティ↑) 単純ヘルペス・帯状疱疹
ガンシクロビル CMV(サイトメガロウイルス)に有効 CMV網膜炎(HIV合併など)
ホスカルネット ウイルスDNAポリメラーゼを直接阻害(チミジンキナーゼ不要) アシクロビル耐性HSV・CMV

インフルエンザ治療薬

薬物 作用機序 特徴
オセルタミビル(タミフル) ノイラミニダーゼ阻害 経口薬。発症48時間以内に投与
ザナミビル(リレンザ) ノイラミニダーゼ阻害 吸入薬
ラニナミビル(イナビル) ノイラミニダーゼ阻害 1回吸入で終了
バロキサビル(ゾフルーザ) キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害 1回経口投与。新機序
アマンタジン M₂タンパク阻害(脱殻阻害) A型のみ。耐性多い

ノイラミニダーゼ:ウイルスが感染細胞から出芽するために必要な酵素。阻害するとウイルスが細胞に留まり拡散できなくなる。

HIV治療薬(抗レトロウイルス薬)

HIV治療は**3剤以上を組み合わせる多剤併用療法(ART)**が基本です。

核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)

薬物 特徴
ジドブジン(AZT) 最初のHIV治療薬。骨髄抑制に注意
テノホビル B型肝炎にも有効

非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)

薬物 特徴
エファビレンツ 精神神経症状(夢・幻覚)の副作用

インテグラーゼ阻害薬

薬物 特徴
ラルテグラビル HIVのDNAが宿主ゲノムに組み込まれるのを阻害
ドルテグラビル 耐性出現が少ない

プロテアーゼ阻害薬(PI)

薬物 特徴
ダルナビル 最も使われるPI。リトナビルと併用(CYP阻害で血中濃度↑)

C型肝炎治療薬

薬物 作用機序
ソホスブビル NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害(プロドラッグ)
レジパスビル NS5A阻害(ウイルス複製・アセンブリ抑制)
グレカプレビル NS3/4Aプロテアーゼ阻害

第111回 国試過去問チェック

問39(第111回 必須問題)

感染細胞内でリン酸化されて活性体となりウイルスDNAポリメラーゼを阻害して、ウイルスの増殖を抑制するのはどれか。1つ選べ。

  1. アシクロビル
  2. ラルテグラビル
  3. レジパスビル
  4. アマンタジン
  5. ソホスブビル

正答:1

解説:

  • アシクロビル:感染細胞内でウイルスのチミジンキナーゼによりリン酸化→活性体がウイルスDNAポリメラーゼを阻害(正解)
  • ラルテグラビル → HIVのインテグラーゼ阻害(リン酸化は関係ない)
  • レジパスビル → HCV NS5A阻害
  • アマンタジン → インフルエンザAのM₂タンパク阻害(脱殻阻害)
  • ソホスブビル → HCV NS5B RNAポリメラーゼ阻害(プロドラッグだが対象がDNAポリメラーゼではない)

試験のコツ:「感染細胞内でリン酸化→ウイルスDNAポリメラーゼ阻害」という一文がアシクロビルの教科書的な説明です。この記述が出たら迷わずアシクロビルを選びましょう!

💊

この記事が役に立ったら...

他の国試対策記事もチェックしてみてください!

💉 薬理の記事一覧ホームへ
国試頻出!抗ウイルス薬の作用機序まとめ|ヘルペス・HIV・インフルエンザを完全整理|薬スタ