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【薬剤師国試対策】反応速度論・アレニウスの式を徹底整理|0次・1次・2次反応と温度依存性

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • 0次・1次・2次反応の速度式・半減期・積分速度式を区別できる
  • アレニウスの式から活性化エネルギーを求める計算ができる
  • 1次反応の半減期が初濃度に無関係であることを説明できる
  • 触媒が活性化エネルギーに与える影響を説明できる
  • 加速試験の原理と医薬品安定性への応用を説明できる
目次
  1. 1.⏱️ 反応次数と速度式
  2. 2.積分速度式とグラフ直線化
  3. 3.アレニウスの式と活性化エネルギー
  4. 4.医薬品安定性への応用
  5. 加速試験
  6. 1次反応の薬物動態
  7. 5.国試頻出まとめ
  8. 6.国試過去問チェック

⏱️ 反応次数と速度式

速度式 v = k[A]ⁿn が反応次数

次数 速度式 k の単位 半減期 t½
0次 v = k mol·L⁻¹·s⁻¹ [A]₀ / 2k(初濃度に比例)
1次 v = k[A] s⁻¹ ln2 / k ≒ 0.693 / k(初濃度に無関係)
2次 v = k[A]² L·mol⁻¹·s⁻¹ 1 / (k[A]₀)(初濃度に反比例)

⚠️ 1次反応の半減期は初濃度に無関係!
放射性壊変・多くの医薬品の体内動態(消失)は1次反応。半減期が一定であることが特徴。

0次反応は濃度によらず速度一定(例:飽和状態の酵素反応、皮膚からの吸収)


📈 積分速度式とグラフ直線化

次数 積分形 直線になるグラフ 縦軸 横軸
0次 [A] = [A]₀ − kt 直線 [A] t
1次 ln[A] = ln[A]₀ − kt 直線 ln[A] t
2次 1/[A] = 1/[A]₀ + kt 直線 1/[A] t

グラフを描いて直線になる組み合わせで反応次数を判定する!
1次なら「ln[A] vs t」が直線(傾き = −k)


🌡️ アレニウスの式と活性化エネルギー

k = A · exp(−Ea / RT)

両辺の自然対数をとると(アレニウスプロット):

ln k = −Ea/R × 1/T + ln A

グラフ要素 対応する量
縦軸 ln k(速度定数の対数)
横軸 1/T(絶対温度の逆数)
傾き −Ea/R(常に負・右下がり)
切片 ln A(頻度因子)

傾きの絶対値が大きい → Ea が大きい → 温度変化の影響が大きい

条件 速度定数 k 反応速度
温度↑ k↑ 速くなる
活性化エネルギー Ea↑ k↓ 遅くなる
触媒あり k↑(Ea を下げる) 速くなる

⚠️ 触媒は Ea を下げるが、ΔH・平衡定数 K・ΔG は変えない!
平衡位置は変えず、平衡に達する速度のみを速める。


💊 医薬品安定性への応用

加速試験

高温(40℃・50℃など)での速度定数 k を測定 → アレニウスプロット → 25℃の k を外挿 → 有効期限を予測

手法 内容
加速試験 複数温度で k 測定 → ln k vs 1/T プロット → 傾きから Ea 算出 → 室温の k を外挿
Q₁₀則 10℃上昇で反応速度が約2倍(van't Hoff 経験則)

1次反応の薬物動態

薬物の消失が1次反応に従うとき:C = C₀ × e^(−ke × t)

パラメータ 特徴
消失速度定数 ke ln(C/C₀) / (−t) 経路に依存しない
半減期 t½ ln2 / ke = 0.693 / ke 初濃度に無関係
定常状態到達 4〜5半減期で約94〜97% 半減期の倍数で計算

定常状態の 50% → 1 t½、75% → 2 t½、87.5% → 3 t½


📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 1次反応の半減期 t½ = 0.693/k(初濃度に無関係
2 0次反応の半減期 t½ = [A]₀/2k(初濃度に比例)
3 放射性壊変 1次反応のみ(0次は存在しない)
4 アレニウスプロット ln k vs 1/T → 傾き = −Ea/R(右下がり)
5 触媒の効果 Ea↓・速度↑・ΔH・K・ΔG は変えない
6 k の単位 0次: mol/L/s、1次: 1/s、2次: L/mol/s
7 加速試験 アレニウス式で室温の安定性を外挿
8 定常状態 75% 2 × t½ の時間で到達
9 1次反応グラフ ln[A] vs t が直線(傾き = −k)

📝 国試過去問チェック

第107回薬剤師国家試験 問45(必須)

体内動態が1-コンパートメントモデルに従う薬物800 mgをヒトに単回静脈内投与したところ、投与直後の血中濃度は40 ng/mL、投与6時間後の血中濃度は5 ng/mLであった。この薬物の消失速度定数(h⁻¹)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、ln2 = 0.69 とする。

1. 0.12

2. 0.23

3. 0.35

4. 0.69

5. 2.0

解答と解説を見る

正解:3

薬物の消失は1次反応に従うため:C = C₀ × e^(−ke × t)

両辺の自然対数をとると:ln C = ln C₀ − ke × t

ke = ln(C₀/C) / t = ln(40/5) / 6 = ln8 / 6 = 3ln2 / 6 = (3 × 0.69) / 6 = 2.07 / 6 = 0.345 ≒ 0.35 h⁻¹

3○ 0.35 h⁻¹。正しい。

1✗ 0.12 = 0.69/6(1回の ln2 を6時間で割った値)。半減期を6時間と間違えた場合の誤答。

2✗ 0.23 ≒ ln(40/5)/12 に相当し、時間を12時間と間違えた場合の誤答。

4✗ 0.69 = ln2 そのものの値。ke ではなく ln2 を答えた誤答。

5✗ 2.0 は C₀/C = 40/5 = 8 を時間6で割ったもの。対数をとり忘れた誤答。


第107回薬剤師国家試験 問92(一般)

放射線及び放射壊変に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 放射壊変には0次反応速度式に従う過程と、1次反応速度式に従う過程の2通りがある。

2. 放射能のSI組立単位はベクレル(Bq)であり、その定義は1秒あたりに壊変する原子核数である。

3. β⁻壊変では、生成する電子とニュートリノにエネルギーが分配されるため、電子のもつエネルギーは連続的な分布を示す。

4. X線とγ線は電磁波であり、波長で区別されている。

5. γ転移により放射されるγ線のエネルギーは、壊変する原子核種によらず一定である。

解答と解説を見る

正解:2、3

2○ ベクレル(Bq)は1秒あたりの壊変数。1 Bq = 1壊変/s。正しい。

3○ β⁻壊変では、放出されるエネルギーを電子とニュートリノの2粒子が分け合うため、電子の運動エネルギーは0から最大値まで連続スペクトルを示す。正しい。

1✗ 放射性壊変はすべて1次反応に従う。0次反応はない。半減期が一定(初期量に依存しない)のがその証拠。

4✗ X線とγ線はともに電磁波で波長が重なる範囲がある。**起源(X線=電子の軌道遷移など、γ線=核遷移)**で区別され、波長のみでは区別できない。

5✗ γ線のエネルギーは核種によって固有の値をもつ(核種ごとに異なる)。「核種によらず一定」は誤り。


第110回薬剤師国家試験 問47(必須)

体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従い、消失半減期が2時間である薬物を静脈内定速注入する。投与開始後、薬物の血中濃度が定常状態の血中濃度の75%に到達する時間(h)はどれか。1つ選べ。

1. 1

2. 2

3. 3

4. 4

5. 5

解答と解説を見る

正解:4

定速注入では、定常状態到達率は投与時間と半減期の関係で決まる。

経過時間 半減期の倍数 定常状態の到達率
2 h 1 t½ 50%
4 h 2 t½ 75%
6 h 3 t½ 87.5%
8 h 4 t½ 93.75%

到達率 = 1 − (1/2)ⁿ(n:半減期の回数)
75% = 1 − (1/2)² → n = 2 → 時間 = 2 × 2 h = 4 h

4○ 4時間。正しい。

1✗ 1 h は 0.5 t½ の時間。到達率は約 29%。

2✗ 2 h = 1 t½。到達率は 50%。

3✗ 3 h = 1.5 t½。到達率は約 65%。

5✗ 5 h = 2.5 t½。到達率は約 82%(75%超え)。


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