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【薬剤師国試対策】クロマトグラフィーを徹底整理|HPLC・GC・TLC・検出器

📅 2026年5月10日🔄 更新: 2026年5月10日
📖 この記事でわかること
  • クロマトグラフィーの固定相・移動相の概念が整理できる
  • 分配・吸着・イオン交換・サイズ排除・アフィニティーの違いがわかる
  • HPLC(逆相・順相)の溶出順序が説明できる
  • 各種検出器(UV・蛍光・RI・MS)の特徴と使い分けがわかる
  • Rf値の計算と薄層クロマトグラフィー(TLC)の原理がわかる
目次
  1. 1.クロマトグラフィーの基本原理
  2. 2.① 分離モードの種類
  3. 3.② HPLC(高速液体クロマトグラフィー)★最頻出
  4. 4.③ 薄層クロマトグラフィー(TLC)
  5. 5.④ ガスクロマトグラフィー(GC)
  6. 6.⑤ 検出器の種類と特徴
  7. 7.⑥ その他のクロマトグラフィー
  8. 8.国試頻出まとめ

クロマトグラフィーの基本原理

クロマトグラフィーとは、固定相(stationary phase)と移動相(mobile phase)への分配の違いを利用して、混合物を分離する分析法です。

🏃 旅人のたとえで覚える!

カラムの中を進む成分を「旅人」、固定相を「途中にある休憩所」と想像してください。

  • 休憩所が大好きな旅人(固定相に引きつけられやすい)→ 何度も立ち寄って長居する → ゴール到着が遅い=遅く溶出
  • 休憩所が嫌いな旅人(固定相に引きつけられにくい)→ 素通りしてどんどん進む → ゴール到着が早い=速く溶出
クロマトグラフィーの基本原理
図1. クロマトグラフィーの基本原理

クロマトグラフィーの用語(国試必須)

用語 意味
保持時間(tR) 試料注入から検出器でピークが現れるまでの時間
死時間(t0) 固定相に保持されないピークの保持時間(カラムを素通りする成分)
分離度(Rs) 2つのピークがどれだけ分離しているかの指標。Rs ≥ 1.5で完全分離
理論段数(N) カラム性能の指標。大きいほど分離能が高い
テーリング ピークが非対称に尾を引く現象。固定相の不均一性が原因

① 分離モードの種類

クロマトグラフィーは分離の原理によって4種類に大別されます。

⚠️ サイズ排除(ゲル濾過)は逆! 大きい分子はゲルの細孔に入れないため先に溶出し、小さい分子は細孔に入るため遅く溶出します。

② HPLC(高速液体クロマトグラフィー)★最頻出

HPLCは移動相として液体を使用するクロマトグラフィーです。医薬品の品質試験・定量分析で最も広く使われます。

逆相 vs 順相(超頻出)

国試の鉄則:逆相HPLCは「極性が低い(疎水性)ほど保持が強く、後に溶出」

③ 薄層クロマトグラフィー(TLC)

TLCは固定相(シリカゲル等)を塗布したプレートに試料を点着し、移動相(展開溶媒)で展開する方法です。

Rf値(国試頻出計算)

$$R_f = \frac{\text{試料の移動距離}}{\text{溶媒前線の移動距離}}$$

Rf値の意味 内容
0 ≤ Rf ≤ 1 0(固定相に強く保持)〜1(素通り)の間
Rf値 大きい 固定相との親和性が弱い(順相では無極性化合物)
同じRf値 同一化合物の可能性(≠確定。他の条件でも確認)
温度・溶媒で変化 条件を統一しないとRf値は比較できない

⚠️ 試験での注意:TLCは吸着クロマトグラフィー(順相)が基本! 極性が大きい化合物ほどRf値が小さくなります。

④ ガスクロマトグラフィー(GC)

GCは**移動相として不活性ガス(ヘリウム・窒素・水素)**を使用します。試料は気化できることが条件です。

項目 内容
対象物質 揮発性のある化合物。沸点が低いほど分析しやすい
分離原理 分配(固定液相への溶解度の差)
特徴 高分解能・高感度。医薬品の残留溶媒試験(日局)に使用
キャリアガス He(ヘリウム)、N₂、H₂。不活性・試料と反応しない
検出器 FID(水素炎イオン化検出器)★最多 / TCD・ECD・MS

GCは揮発性が必須条件! 揮発しない・熱分解しやすい化合物には液体クロマトグラフィー(HPLC)を使う。

⑤ 検出器の種類と特徴

検出器 原理 対象化合物 感度・特徴 国試ポイント
UV検出器 UV光の吸収(254nm・280nm) 芳香環・不飽和結合を持つ物質 高感度・汎用。HPLCで最も多く使われる DAD(ダイオードアレイ検出器)は全波長を同時測定★
蛍光検出器(FLD) 励起光を当て、発する蛍光を測定 蛍光性物質・誘導体化後の物質 UV検出器より高感度・高選択性 アミノ酸・ビタミン・生体試料の微量分析
RI検出器(示差屈折率) 移動相との屈折率の差を測定 ほぼ全物質(汎用) 感度は低め。グラジエント溶出には使えない UV吸収がない物質(糖質・高分子)に使う
MS(質量分析) 質量電荷比(m/z)を測定 ほぼ全物質(構造決定も可) 感度・選択性ともに最高 構造未知の代謝物・不純物の同定。LC-MS・GC-MS

⑥ その他のクロマトグラフィー

種類 原理 用途・特徴
アフィニティー 抗原-抗体・酵素-基質の特異的結合 タンパク質・抗体医薬の精製。選択性が最も高い
イオン交換 荷電基への静電的引力 アミノ酸・核酸の分析。陽イオン交換・陰イオン交換
サイズ排除(GFC/GPC) 分子サイズの差(ゲル細孔への出入り) 大きい分子が先に溶出★。高分子量体分析
超臨界流体(SFC) CO₂超臨界流体を移動相に使用 光学異性体分離・キラル分析
キャピラリー電気泳動(CE) 電荷・サイズの差による電気泳動 アミノ酸・核酸・不純物分析。分離効率が非常に高い

国試頻出まとめ

絶対に覚える6ポイント

# ポイント 内容
1 逆相HPLCの溶出順序 極性↑ → 先に溶出、無極性↑ → 後に溶出
2 サイズ排除の溶出順序 大きい分子 → 先に溶出(細孔に入れない)
3 GCの前提条件 揮発性が必要。不揮発性物質にはHPLC
4 Rf値の範囲 0〜1(0=完全保持、1=素通り)
5 UV検出器の弱点 UV吸収がない物質(糖質等)には不向き → RI検出器
6 分離度Rs Rs ≥ 1.5 で完全分離。Rs < 1.0 は分離不十分

日本薬局方(JP)でのクロマトグラフィーの位置づけ

分析法 日局での主な用途
HPLC 定量・純度試験(含量試験・不純物試験)。最も多用
GC 残留溶媒試験。揮発性不純物の確認
TLC 確認試験(同定)・純度試験(迅速・簡便)
イオン交換 無機イオン・アミノ酸の分析

製造工程で使用した有機溶媒の残留を確認するのが「残留溶媒試験」 → GCが使われる!

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