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【薬剤師国試対策】束一的性質・浸透圧・分配係数を徹底整理

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • 束一的性質(蒸気圧降下・沸点上昇・凝固点降下・浸透圧)の定義と計算ができる
  • van't Hoff則(π = icRT)で浸透圧を計算できる
  • van't Hoff係数 i(解離因子)が束一的性質に与える影響を扱える
  • 等張・低張・高張の違いと赤血球への影響を説明できる
  • 分配係数(log P)と薬物の脂溶性・吸収性の関係を説明できる
目次
  1. 1.束一的性質とは
  2. 2.van't Hoff係数 i(解離因子)
  3. 3.浸透圧と等張・低張・高張
  4. 等張化剤(注射剤・点眼剤に使用)
  5. 4.分配係数(log P)と脂溶性
  6. 5.透析の原理
  7. 6.国試頻出まとめ
  8. 7.国試過去問チェック

💧 束一的性質とは

溶質の種類に関わらず、溶質粒子の数だけに依存する溶液の性質を束一的性質といいます。

性質 公式 水の定数
蒸気圧降下 ΔP = P₀ × xB
沸点上昇 ΔTb = Kb × m × i Kb = 0.52 K·kg/mol
凝固点降下 ΔTf = Kf × m × i Kf = 1.86 K·kg/mol
浸透圧 π = icRT

xB:溶質のモル分率、m:質量モル濃度、i:van't Hoff係数、c:モル濃度、R:気体定数、T:絶対温度

束一的性質は溶質の「粒子数」にのみ依存 → 電解質はiが大きいほど効果が大きい


⚡ van't Hoff係数 i(解離因子)

電解質が解離すると粒子数が増え、束一的性質が大きくなります。

溶質 解離 i
グルコース(非電解質) 解離しない 1
NaCl Na⁺ + Cl⁻ 2
CaCl₂ Ca²⁺ + 2Cl⁻ 3

⚠️ 等張液の計算では i を忘れずに!
生理食塩水(0.9% NaCl)の浸透圧計算:i = 2 × モル濃度 × RT


🩸 浸透圧と等張・低張・高張

種類 浸透圧
等張 285〜295 mOsm/L 生理食塩水(0.9% NaCl)、5%グルコース
低張 < 285 mOsm/L 0.45% NaCl
高張 > 295 mOsm/L マンニトール点滴、3% NaCl

⚠️ 赤血球への影響
低張液 → 水が細胞内に流入 → 溶血(膨張・破裂)
高張液 → 水が細胞外に流出 → 萎縮(シュリンク)

等張化剤(注射剤・点眼剤に使用)

等張化剤 特徴
塩化ナトリウム 最も一般的な等張化剤
濃グリセリン 非電解質(i=1)・甘味あり・粘性付与も兼ねる
ブドウ糖(グルコース) 非電解質・5%液が等張

等張化剤 = 浸透圧を体液と同じ285〜295 mOsm/Lに調整するための添加剤


🧬 分配係数(log P)と脂溶性

分配係数 P:n-オクタノール/水の2相系での分布比

P = [薬物]オクタノール層 / [薬物]水層

log P 性質 影響
高い(> 2) 脂溶性↑ 細胞膜透過↑・BBB通過↑・タンパク結合↑・脂肪蓄積↑
低い(< 0) 水溶性↑ 細胞膜通過↓・腎排泄されやすい

⚠️ log Pが高すぎると水溶性が低すぎて注射製剤にできない
最適なlog Pが存在する(Hansch分析)


🔬 透析の原理

半透膜を使って高分子と低分子を分離する操作。

特徴 内容
半透膜 低分子・イオンは通過、高分子(タンパク質等)は通過不可
人工透析 腎不全患者の血液中の老廃物(尿素・クレアチニン)を除去
平衡透析 薬物の血漿タンパク結合率の測定に使用

📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 束一的性質 粒子数のみに依存(種類無関係)
2 凝固点降下定数(水) Kf = 1.86 K·kg/mol
3 沸点上昇定数(水) Kb = 0.52 K·kg/mol
4 van't Hoff則 π = icRT
5 NaCl の i i = 2(完全解離時)
6 低張液 → 赤血球 溶血(水が細胞内に流入)
7 高張液 → 赤血球 萎縮(水が細胞外に流出)
8 等張化剤 濃グリセリン・塩化ナトリウム・グルコース
9 log P 高い 脂溶性↑・細胞膜透過性↑

📝 国試過去問チェック

第109回薬剤師国家試験 問53(必須)

等張化剤として用いられるのはどれか。1つ選べ。

1. エタノール

2. ポリソルベート80

3. 塩酸

4. クロロブタノール

5. 濃グリセリン

解答と解説を見る

正解:5

5○ 濃グリセリンは非電解質(i=1)で、注射剤・点眼剤の等張化剤として広く用いられる。甘味と粘性もある。正しい。

1✗ エタノールは溶解補助剤・防腐剤として使用。等張化剤ではない。

2✗ ポリソルベート80は界面活性剤(可溶化剤・乳化剤)。等張化剤ではない。

3✗ 塩酸はpH調整剤。等張化剤ではない。

4✗ クロロブタノールは保存剤(防腐剤)。等張化剤ではない。


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