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【薬剤師国試対策】生薬を徹底整理|アルカロイド・配糖体・精油・漢方処方

📅 2026年5月11日🔄 更新: 2026年5月11日
📖 この記事でわかること
  • 生薬の成分分類(アルカロイド・配糖体・精油・タンニン)が整理できる
  • 薬用部位(根・葉・樹皮など)と代表的な生薬の対応がわかる
  • 国試頻出のダイオウ・センナ・マオウ・ジギタリス等の特徴が説明できる
  • アントラキノン系・強心配糖体系生薬の違いがわかる
  • 漢方処方に含まれる重要生薬が整理できる
目次
  1. 1.生薬とは?基本をおさえる
  2. 2.① アルカロイド系生薬★超頻出
  3. 3.② 配糖体系生薬★最頻出
  4. 4.③ 精油系生薬・タンニン系生薬
  5. 5.④ 薬用部位と主な生薬一覧
  6. 6.⑤ 国試頻出の漢方処方と配合生薬
  7. 7.⑦ 全生薬一覧表(82種)
  8. 8.国試頻出まとめ

生薬とは?基本をおさえる

生薬(しょうやく)とは、天然物(植物・動物・鉱物)を乾燥・加工して薬用に用いるものです。漢方薬はこれらを組み合わせた処方です。

生薬の学習ポイントは3つ:① 成分の種類 ② 薬用部位 ③ 主な薬理作用

図1. 生薬の成分分類と代表例
図1. 生薬の成分分類と代表例

成分ごとの特徴

成分種類 化学的特徴 代表的な作用
アルカロイド 窒素を含む塩基性化合物。多くは苦味あり 強い薬理作用・毒性を持つものが多い
配糖体 糖(グルコース等)+アグリコン(活性本体) 種類により緩下・強心・抗炎症など多様
精油 揮発性の芳香成分。水蒸気蒸留で得る 芳香・健胃・防腐・局所刺激
タンニン ポリフェノール。タンパク質と結合 収斂・止血・抗菌

① アルカロイド系生薬★超頻出

アルカロイドを含む生薬は作用が強く・毒性があることが多いため、国試で非常によく出題されます。

生薬名 薬用部位 主なアルカロイド 作用・国試ポイント
マオウ(麻黄) 地上茎 エフェドリン 気管支拡張・交感神経興奮。β₂刺激+α刺激
ベラドンナ 根・葉 アトロピン・スコポラミン 抗コリン作用。散瞳・口渇・尿閉
ロートコン アトロピン・スコポラミン ベラドンナと同系統
コルヒカム 種子・球茎 コルヒチン 痛風発作に使用。チューブリン重合阻害

⚠️ アルカロイドの見分け方のコツ:「〜イン」「〜アミン」で終わる名前が多い(エフェドリン・アトロピン・モルヒネ・コルヒチン等)

② 配糖体系生薬★最頻出

配糖体は糖+アグリコンの構造。体内で加水分解されてアグリコンが活性本体として働きます。

図2. アントラキノン系緩下薬の比較(超頻出) 生薬名 薬用部位 主な成分 作用発現 特記事項 ダイオウ (大黄) 根茎 センノシド (アントラキノン配糖体) 8〜10時間後 多くの漢方に配合 大黄甘草湯・桃核承気湯 センナ (番瀉葉) 小葉・果実 (葉が主) センノシドA・B 腸内細菌でレインアンスロン 8〜10時間後 市販の便秘薬に多い 習慣性・色素沈着注意 アロエ (蘆薈) 葉の液汁(乾燥) バルバロイン (アントラキノン配糖体) 8〜10時間後 子宮収縮作用あり 妊婦禁忌!
図2. アントラキノン系緩下薬の比較。3つとも作用発現は8〜10時間後(就寝前服用が基本)

強心配糖体(ジギタリス系)★頻出

生薬名 薬用部位 主な成分 国試ポイント
ジギタリス ジゴキシン・ジギトキシン Na⁺/K⁺-ATPase阻害→強心。安全域が狭い(TDM必須)

ジギタリス中毒:悪心・嘔吐・徐脈・黄緑色視(黄視症)。血中濃度管理が必須!

その他の重要な配糖体系生薬

生薬名 薬用部位 主な成分 作用
カンゾウ(甘草) 根・根茎 グリチルリチン酸(サポニン配糖体) 抗炎症・去痰・甘味料。多くの漢方に配合
ニンジン(人参) ジンセノサイド(サポニン配糖体) 強壮・抗疲労。補中益気湯など
シャクヤク(芍薬) パエオニフロリン(配糖体) 鎮痙・鎮痛。芍薬甘草湯
ゲンチアナ(竜胆) 根・根茎 ゲンチオピクリン(苦味配糖体) 苦味健胃・食欲増進

③ 精油系生薬・タンニン系生薬

精油系生薬

生薬名 薬用部位 主な成分 作用
ハッカ(薄荷) 地上部 l-メントール 清涼感・局所刺激・健胃
ケイヒ(桂皮) 樹皮 桂皮アルデヒド 健胃・発汗・体を温める
ショウキョウ(生姜) 根茎 ジンゲロール・ショウガオール 健胃・鎮吐・体を温める
ウイキョウ(茴香) 果実 アネトール 健胃・駆風・去痰
チョウジ(丁子) 花蕾 オイゲノール 健胃・局所麻酔(歯科用)

タンニン系生薬

生薬名 薬用部位 主な成分 作用
フシ(五倍子) 虫嚢 タンニン酸 収斂・止血・下痢止め
チャ(茶) カテキン(タンニン) 収斂・抗菌・カフェイン含有
アセンヤク 枝葉エキス カテキン 収斂・止血

④ 薬用部位と主な生薬一覧

図3. 薬用部位別・国試頻出生薬マップ 🌿 葉・地上部 センナ(小葉) ベラドンナ(葉・根) ハッカ(地上部) ジギタリス(葉) 🪵 樹皮・茎 ケイヒ(樹皮) キナ皮(樹皮) マオウ(地上茎) ボタンピ(根皮) 🌸 花・果実・種子 チョウジ(花蕾) ウイキョウ(果実) コルヒカム(種子・球茎) サンシュユ(果実) 🌱 根・根茎(最多) ダイオウ(根茎) ニンジン(根) カンゾウ(根・根茎) シャクヤク(根) ゲンチアナ(根・根茎) ブシ(塊根) ロートコン(根) ショウキョウ(根茎) 🍄 その他(特殊) ブクリョウ(菌核) アロエ(葉液汁) オピウム(乳汁) フシ(虫嚢) エルゴタミン(麦角菌) センソ(ヒキガエル分泌)
図3. 薬用部位別の生薬分類。根・根茎が最も多い

⑤ 国試頻出の漢方処方と配合生薬

漢方処方の国試問題では「この生薬が含まれる処方はどれか」という形式が多く出ます。

漢方処方名 特徴的な配合生薬 主な適応
葛根湯(かっこんとう) カッコン・マオウ かぜの初期(汗なし)・肩こり
麻黄湯(まおうとう) マオウ・キョウニン かぜ(強い悪寒)・小児喘息
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) シャクヤク+カンゾウのみ 急性の筋けいれん・こむら返り
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう) ダイオウ・カンゾウ 便秘
六君子湯(りっくんしとう) ニンジン・ブクリョウ・ビャクジュツ 胃腸虚弱・食欲不振
補中益気湯(ほちゅうえっきとう) ニンジン・カンゾウ・オウギ 疲労倦怠・食欲不振
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) ダイオウ・マオウ含む18味 肥満・高血圧・便秘
桃核承気湯(とうかくじょうきとう) ダイオウ・ケイヒ・モモ種子 月経不順・便秘(駆瘀血)

カンゾウ(甘草)は非常に多くの処方に配合されています。偽アルドステロン症(低K・高血圧・浮腫)の副作用に注意!

⑦ 全生薬一覧表(82種)

国試では特に薬用部位・主成分(成分の種類)・薬効の組み合わせが問われます。

生薬名 薬用部位 主成分 薬効
アヘン 未熟果実の乳液 イソキノリンアルカロイド(モルヒネ、コデインノスカピン、パパベリン 鎮痛、鎮、鎮咳
インチンコウ 頭花 クロモン類、クマリン類 利胆、利尿、消炎
ウイキョウ 果実 フェニルプロパノイド (アネトール 芳香性健胃
ウコン 根茎 黄色色素 (クルクミン 芳香性健胃、利胆
エイジツ 偽果、果実 フラボノイド配糖体 緩下
オウギ イソフラボン、サポニン 強壮、利尿、血圧降下
オウゴン フラボノイド配糖体 (バイカリン )、フラボノイド (バイカレイン 解熱、抗炎症
オウバク 樹皮 イソキノリンアルカロイド ( ベルベリン 苦味健胃、止、整腸
オウレン 根茎 イソキノリンアルカロイド ( ベルベリン 苦味健胃、止瀉
オンジ 根、根皮 トリテルペンサポニン (オンジサポニン 去、強壮、鎮静
カッコン デンプン、イソフラボン配糖体 (プエラリン )、イソフラボノイド(ダイゼイン、ゲニステイン 解熱、発汗、鎮痛
カンキョウ 根茎 辛味成分 ([ 6 ] - ショーガオール 芳香性健胃
カンゾウ 根、ストロン トリテルペンサポニン (グリチルリチン酸 矯味、鎮痛、鎮咳、去痰
キキョウ トリテルペンサポニン (プラチコジン 鎮咳、去、排膿
キジツ 未熟果実 モノテルペン (d-リモネンフラボノイド配糖体(ヘスペリジン 芳香性苦味健胃、下
キョウニン 種子 青酸配糖体 (アミグダリン 鎮咳、去痰
ケイヒ 樹皮 フェニルプロパノイド (シンナムアルデヒド 芳香性健胃、解熱
ケジギタリス 強心配糖体 (ジゴキシン、ラナトシドC 、デスラノシド 強心、利尿
ケツメイシ 種子 アントラキノン類 (エモジン 緩下、整腸、利尿
ゲンチアナ 根、根茎 セコイリドイド配糖体 (ゲンチオピクロシド 苦味健胃
ゲンノショウコ 地上部 加水分解型タンニン (ゲラニイン 止、整腸
コウジン トリテルペンサポニン (ギンセノシド類 強壮、健胃
コウボク 樹皮 セスキテルペノイド (オイデスモール 芳香性健胃、鎮痛、鎮痛
コカヨウ トロパンアルカロイド (コカイン 局所麻酔
ゴオウ 胆のう中に生じた結石 色素 ( ビリルビン )、胆汁酸 (デオキシコール酸、コール酸 強心、鎮静、解熱
ゴシュユ 果実 インドールアルカロイド( エボジアミン 健胃、鎮痛、冷え性の改善
ゴミシ 果実 リグナン (シザンドリン 鎮咳、去痰
サイコ トリテルペノイド配糖体 (サイコサポニン 解熱、鎮痛、消炎
サイシン 根、根茎 フェニルプロパノイド (メチルオイゲノール 鎮咳、去、解熱、鎮痛
サフラン 柱頭 カロテノイド、苦味配糖体 婦人薬
サンシシ 果実 イリドイド配糖体 (ゲニポシド 止血、利胆、鎮痛、消炎
サンショウ 果皮 辛味成分 (サンショオール 芳香性辛味健胃、整腸
シャクヤク モノテルペン配糖体 (ペオニフロリン) 、タンニン 鎮痛、鎮、婦人薬
シャゼンシ 種子 イリドイド配糖体 消炎、利尿、止、鎮咳
ショウキョウ 根茎 辛味成分 ([ 6 ] -ギンゲロール 芳香性健胃、矯味、鎮嘔
シンイ つぼみ リモネン、アルカロイド( コクラウリン 鎮痛、鎮静
ジオウ イリドイド配糖体 強壮、補血、解熱
ジギタリス 強心配糖体 (ジギトキシン 強心、利尿
ジュウヤク 地上部 フラボノイド配糖体 利尿、緩下、解毒
セッコウ なし 含水硫酸カルシウム 鎮静、鎮、解熱、抗炎症
セネガ トリテルペンサポニン (セネギン 去痰
センキュウ 根茎 フタリド類 (クニジリド 駆血、婦人薬
センソ 耳腺の分泌物を集めたもの 強心性ステロイド (ブファリン 強心、鎮痛
センナ 小葉 アントラキノン類(レイン、エモジンビアントロン配糖体(センノシドAおよびB 緩下、整腸
センブリ 全草 セコイリドイド配糖体 (スウェルチアマリン 苦味健胃
ソウジュツ 根茎 セスキテルペン(β -オイデスモール、ヒネソールポリアセチレン(アトラクチロジン 利尿、健胃、整腸
タイソウ 果実 トリテルペンサポニン (ジジフスサポニン 強壮、補血、健胃
タクシャ 塊茎 トリテルペン類 (アリソール 利尿、コレステロール低下
ダイオウ 根茎 アントラキノン類(レイン、エモジンビアントロン配糖体(センノシドA 緩下、鎮痛、消炎
チョウジ つぼみ フェニルプロパノイド (オイゲノール 芳香性健胃
チョウトウコウ とげ インドールアルカロイド (ヒルスチン 高血圧の改善、消炎
チョレイ 菌核 エルゴステロール、多糖 利尿
チンピ 果皮 モノテルペン (d-リモネンフラボノイド配糖体(ヘスペリジン 芳香性健胃、鎮咳、去痰
トウキ フタリド類 (リグスチリド 補血、婦人薬
トウニン 種子 青酸配糖体 (アミグダリン 駆血、婦人薬、緩下
トウヒ 果皮 モノテルペン (d-リモネンフラボノイド配糖体(ナリンギン 芳香性苦味健胃
トコン 根、根茎 イソキノリンアルカロイド (エメチン 去、催吐
トチュウ 樹皮 リグナン 強壮、鎮痛
ニチニチソウ 全草 インドールアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン 抗腫瘍 (白血球減少、細胞増殖抑制
ニンジン トリテルペンサポニン (ギンセノシド類 強壮、健胃
ハッカ 地上部 モノテルペン ( l-メントール 芳香性健胃、解熱、鎮痛、抗炎症
ハンゲ 塊茎 フェノール類 (ホモゲンチジン酸 鎮咳、去、鎮吐
バクモンドウ ステロイド配糖体 (オフィオポゴニン 鎮咳、去痰
ビャクシ フロクマリン ( ビャクアンゲリコール 解熱、鎮痛、解毒、排膿
ビャクジュツ 根茎 セスキテルペン (アトラクチロン 健胃、整腸、利尿
ブクリョウ 菌核 四環性トリテルペン酸 (エブリコ酸) 、エルゴステロール 利尿、抗炎症
ブシ 塊根 ジテルペンアルカロイド (アコニチン 鎮痛、強心、抗炎症
ベラドンナコン トロパンアルカロイド(ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミン 鎮痛、鎮、副交感神経遮断
ホミカ 種子 インドールアルカロイド (ストリキニーネ 苦味健胃、食欲増進
ボウイ 茎、根茎 アルカロイド 利尿、鎮痛、血圧降下、抗炎症
ボウフウ 根、根茎 クマリン、クロモン誘導体 解熱、鎮痛
ボタンピ 根皮 フェノール類 (ペオノール)、タンニンモノテルペン配糖体(ペオニフロリン 鎮痛、鎮、婦人薬
ボレイ 貝殻 炭酸カルシウム 鎮静、利尿、制酸
マオウ 地上茎 アルカロイド (エフェドリン 鎮咳、去、気管支拡張
マクリ 全藻 イミノ酸 (α - カイニン酸 回虫駆除
モクツウ トリテルペンサポニン (アケボシド 利尿
ユウタン 胆汁を乾燥したもの 胆汁酸 (ウルソデオキシコール酸 利胆、消炎
ヨクイニン 種子 デンプン、タンパク質 鎮痛、消炎、いぼとり、抗肌荒れ
リュウコツ なし 炭酸カルシウム、リン酸カルシウム 精神神経用薬、鎮静
リュウタン 根、根茎 セコイリドイド配糖体 (ゲンチオピクロシド 苦味健胃
レンギョウ 果実 トリテルペノイド、リグナン類 抗菌、胆汁分泌促進
ロートコン 根、根茎 トロパンアルカロイド(ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミン 鎮痛、鎮、副交感神経遮断

繰り返し出る組み合わせ: 同じ薬効(例:去痰)でも成分の種類が異なる(サポニン系 vs アルカロイド系)生薬を区別できるようにしておきましょう。

国試頻出まとめ

絶対に覚える生薬10選

生薬 成分 薬用部位 最重要ポイント
マオウ エフェドリン(アルカロイド) 地上茎 気管支拡張・葛根湯・麻黄湯
ダイオウ センノシド(アントラキノン配糖体) 根茎 緩下。多くの漢方に配合
センナ センノシドA・B 小葉 市販便秘薬。妊婦注意
アロエ バルバロイン(アントラキノン配糖体) 葉の液汁 緩下。妊婦禁忌・子宮収縮
ジギタリス ジゴキシン(強心配糖体) 強心。安全域狭い・TDM必要
カンゾウ グリチルリチン酸(サポニン配糖体) 根・根茎 多処方配合。偽アルドステロン症
ベラドンナ アトロピン(アルカロイド) 根・葉 抗コリン作用。散瞳・口渇
ハッカ l-メントール(精油) 地上部 清涼感・健胃
ブシ(附子) アコニチン(アルカロイド) 塊根 強心・鎮痛。猛毒→炮製で毒性減弱

禁忌・注意の生薬(国試でよく問われる)

注意事項 該当生薬
妊婦禁忌 アロエ・ダイオウ・センナ・ブシ・ボウイ
中毒・安全域が狭い ジギタリス・ブシ(アコニチン)・マオウ
偽アルドステロン症 カンゾウ(グリチルリチン酸)を含む製剤
麻薬指定 オピウム(モルヒネ・コデイン)・コカ葉
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