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🏥 病態・薬物治療

国試で出る皮膚科・眼科テーマ6選!アトピー・褥瘡・白癬・乾癬・緑内障・春季カタルの治療薬を完全攻略

📅 2026年5月20日🔄 更新: 2026年5月21日
📖 この記事でわかること
  • アトピー性皮膚炎の病態(Th2・IL-4・IL-13・バリア障害)が理解できる
  • タクロリムス・デュピルマブ・JAK阻害薬の機序と注意点がわかる
  • 褥瘡・白癬・乾癬の治療薬が整理できる
  • 白内障・緑内障・加齢黄斑変性・春季カタルの治療薬がわかる
  • 国試頻出の皮膚科・眼科問題を解けるようになる
目次
  1. 1.皮膚疾患
  2. アトピー性皮膚炎
  3. 褥瘡(床ずれ)の外用薬
  4. 白癬(皮膚糸状菌症)
  5. 尋常性乾癬
  6. 2.眼科疾患
  7. 白内障
  8. 緑内障
  9. 加齢黄斑変性(AMD)
  10. 春季カタル
  11. 3.国試頻出まとめ
  12. 4.国試過去問チェック

🩺 皮膚疾患

🔬 アトピー性皮膚炎

診断基準(日本皮膚科学会)

以下の3項目をすべて満たすことが必要。

# 診断基準
1 掻痒(強いかゆみ)
2 特徴的な皮疹と分布:左右対称性の湿疹(乳児:顔・体幹、幼小児〜成人:四肢屈曲部)
3 慢性・反復性経過(乳児:2か月以上、その他:6か月以上)

病態・免疫機序

因子 内容
Th2優位の免疫応答 IL-4・IL-13・IL-31が主要サイトカイン
皮膚バリア機能障害 フィラグリン(FLG)遺伝子変異 → 角質層の保湿能低下 → アレルゲン侵入
IgE産生亢進 血清総IgE上昇・アレルゲン感作
掻痒のメカニズム IL-31 → 神経線維への作用 → 掻痒

外用薬(段階的治療)

薬剤 特徴 注意点
ステロイド外用薬 抗炎症作用・第1選択 長期使用で皮膚萎縮・毛細血管拡張
タクロリムス軟膏(プロトピック) カルシニューリン阻害薬。皮膚萎縮なし 塗布部位の灼熱感・刺激感皮膚感染症のある部位には禁忌
デルゴシチニブ軟膏(コレクチム) JAK阻害薬外用。小児から使用可 感染症に注意
ジファミラスト軟膏(モイゼルト) PDE4阻害薬外用 2歳以上で使用可

✅ タクロリムスは顔面・頸部に使用可能(ステロイドと異なり皮膚菲薄化を起こさない) ⚠️ タクロリムスは皮膚感染症部位・潰瘍・びらん部位には禁忌


内服薬・生物学的製剤・JAK阻害薬

薬剤 機序 特徴
シクロスポリン カルシニューリン阻害 → T細胞抑制 重症例の短期使用。腎毒性・高血圧に注意
デュピルマブ(デュピクセント) 抗IL-4Rα抗体(IL-4・IL-13両方阻害) 中等症〜重症に皮下注射。結膜炎が副作用
トラロキヌマブ 抗IL-13抗体 成人の中等症〜重症
バリシチニブ(オルミエント) JAK1/2阻害薬 内服。感染症・血栓症リスク
ウパダシチニブ(リンヴォック) JAK1選択的阻害薬 内服。重症例

🩹 褥瘡(床ずれ)の外用薬

褥瘡(床ずれ)の治療は目的別に薬剤を選択することが重要。

目的 薬剤 特徴
壊死組織除去(デブリドマン) ブロメライン(ブロメライン軟膏) パイナップル由来のタンパク質分解酵素
血流改善・肉芽形成 アルプロスタジルアルファデクス(PGE1) 血管拡張
肉芽形成・表皮化促進 トレチノイントコフェリル・ジメチルイソプロピルアズレン 血管新生促進
感染対策・殺菌 ポビドンヨード・カデキソマーヨウ素 殺菌+浸出液吸収
浸出液吸収 デキストラノマー 多量の浸出液に

✅ ブロメライン = タンパク質分解酵素 → 壊死組織(タンパク質)を選択的に除去


🦷 白癬(皮膚糸状菌症)

白癬の原因はTrichophyton属(皮膚糸状菌)(カンジダではない)。

薬剤 分類 適応 注意点
テルビナフィン(ラミシール) アリルアミン系 体部・足・爪白癬(内服) 重篤な肝障害。CYP2D6阻害
イトラコナゾール(イトリゾール) トリアゾール系 体部・足・爪白癬(内服・パルス療法) 妊婦禁忌。CYP3A4阻害(多数の相互作用)
ルリコナゾール(ルリコン) イミダゾール系 体部・足白癬(外用) 外用のみ
エフィナコナゾール(クレナフィン) トリアゾール系 爪白癬(外用) 爪外用液。爪浸透性高い

⚠️ 外用薬は症状が消えても4週間以上継続(1週間で中止すると再発) ⚠️ イトラコナゾール → 妊婦禁忌(催奇形性)


🟡 尋常性乾癬

ターンオーバー亢進(正常28日 → 乾癬では4〜5日)による慢性炎症性皮膚疾患。 **境界明瞭な紅斑+銀白色の鱗屑(フケ様)**が特徴。

治療 薬剤
外用薬(第1選択の一つ) 活性型ビタミンD₃外用薬(カルシポトリオール等)
外用薬 ステロイド外用薬
光線療法 PUVA・ナローバンドUVB
生物学的製剤 抗TNF-α抗体(アダリムマブ)・抗IL-17抗体(セクキヌマブ)・抗IL-23抗体

👁️ 眼科疾患

白内障

水晶体の混濁により視機能が低下する疾患。

項目 内容
点眼薬 ピレノキシン(カタリン)・グルタチオン(タチオン)→ 進行抑制のみ(混濁は消失しない)
根治 手術(水晶体摘出+眼内レンズ挿入)
ステロイド性白内障 ステロイド長期投与 → 後嚢下白内障を誘発

⚠️ 「頭蓋骨の打ち抜き像」は多発性骨髄腫の所見(白内障ではない)


緑内障

分類 特徴
開放隅角緑内障 線維柱帯での房水流出障害。自覚症状少なく視野欠損が徐々に進行(慢性型)
急性閉塞隅角緑内障 隅角が急閉塞し眼圧急上昇。急激な眼痛・頭痛・悪心嘔吐・霧視・視力低下
薬剤 機序
ラタノプロスト(プロスタグランジン系) 房水流出促進(第1選択
チモロール(β遮断薬点眼) 房水産生抑制
ドルゾラミド(炭酸脱水酵素阻害薬) 房水産生抑制
ピロカルピン(縮瞳薬) 閉塞隅角に有効

✅ 日本の緑内障の約70%は正常眼圧緑内障(NTG)(眼圧正常でも発症) ⚠️ 緑内障による視野欠損は不可逆的(眼圧を下げても回復しない。進行抑制のみ)


加齢黄斑変性(AMD)

黄斑部の変性により中心視力が低下する疾患。

特徴 治療
滲出型(湿性型) 新生血管の発生 抗VEGF療法(ラニビズマブ・アフリベルセプト等)硝子体内注射
萎縮型(乾性型) 網膜色素上皮の萎縮 有効な薬物療法は限られる

喫煙はAMDの主要な危険因子


春季カタル

重症の慢性アレルギー性眼疾患(好酸球・マスト細胞が関与)。主に小児男性に多い。 症状:強い眼の掻痒感・充血・羞明・巨大乳頭(眼瞼結膜)・角膜プラーク

薬剤 機序 役割
シクロスポリン点眼液(イケルビス) カルシニューリン阻害 → T細胞活性化抑制 重症春季カタルの第一選択
タクロリムス眼軟膏 カルシニューリン阻害 重症例
抗アレルギー点眼薬 ヒスタミンH1受容体遮断 軽症の対症療法
ステロイド点眼 抗炎症 急性増悪期

「シクロスポリン点眼液 → 春季カタル(重症アレルギー性眼疾患)」 ⚠️ エストロゲンではなくT細胞が主役。緑内障・白内障・加齢黄斑変性には使用しない


📋 国試頻出まとめ

# テーマ 重要ポイント
1 アトピー病態 Th2優位・IL-4/13/31・FLG遺伝子変異(バリア障害)
2 タクロリムス 顔面・頸部に使用可。灼熱感。皮膚感染症部位は禁忌
3 デュピルマブ 抗IL-4Rα抗体。副作用は結膜炎
4 ブロメライン タンパク質分解酵素。褥瘡の壊死組織除去
5 白癬の原因菌 Trichophyton属(カンジダではない)
6 イトラコナゾール 妊婦禁忌。CYP3A4阻害
7 テルビナフィン 重篤な肝障害リスク
8 白内障点眼薬 ピレノキシン・グルタチオン → 進行抑制のみ(混濁消失しない)
9 緑内障 日本の約70%は正常眼圧緑内障。視野欠損は不可逆的
10 春季カタル シクロスポリン点眼液(イケルビス) → T細胞抑制。重症アレルギー性眼疾患の第一選択

📝 国試過去問チェック

第111回 問60(アトピー治療薬・必須)

アトピー性皮膚炎の治療に用いる薬剤はどれか。1つ選べ。

  1. タクロリムス
  2. オメプラゾール
  3. アトルバスタチン
  4. レボフロキサシン
  5. アムロジピン
解答と解説を見る

正答:1

1✅ タクロリムスはカルシニューリン阻害薬。アトピー性皮膚炎の外用薬(プロトピック軟膏)として使用される非ステロイド系抗炎症薬。2❌ オメプラゾールはPPI(胃酸分泌抑制)。3❌ アトルバスタチンはスタチン系脂質異常症薬。4❌ レボフロキサシンはニューキノロン系抗菌薬。5❌ アムロジピンはCa拮抗薬(降圧薬)。


第110回 問184(アトピー性皮膚炎の特徴)

アトピー性皮膚炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 発症にT細胞は関与しない
  2. 掻痒、左右対称性の湿疹、慢性反復性の経過が特徴である
  3. 皮膚感染症のある部位への使用を目的に開発された
  4. 発症にIgEは関与しない
  5. タクロリムス外用薬は、塗布部位に灼熱感が生じることがあり、皮膚感染症のある部位への使用は避ける
解答と解説を見る

正答:2・5

1❌ アトピー性皮膚炎はTh2優位のT細胞性免疫応答が関与する。2✅ アトピー性皮膚炎の3大特徴:掻痒・左右対称性の湿疹・慢性反復性経過。3❌ タクロリムスは皮膚感染症がない部位に使用する薬剤。感染症部位への使用は禁忌。4❌ アトピー性皮膚炎ではIgE産生が亢進し、血清総IgE値が上昇する。5✅ タクロリムス外用薬の副作用は塗布部位の灼熱感・刺激感皮膚感染症のある部位には禁忌


第110回 問64(春季カタルとシクロスポリン点眼)

シクロスポリン点眼液が使用される眼疾患はどれか。1つ選べ。

  1. 白内障
  2. 春季カタル
  3. 感染性角膜炎
  4. 加齢黄斑変性
  5. 緑内障
解答と解説を見る

正答:2

2✅ **シクロスポリン点眼液(イケルビス)**は免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬)で、春季カタルの重症アレルギー炎症を抑制するために使用される。1❌ 白内障 → ピレノキシン(進行抑制)。3❌ 感染性角膜炎 → 抗菌薬・抗ウイルス薬(免疫抑制は禁忌)。4❌ 加齢黄斑変性 → アフリベルセプト・ラニビズマブ(抗VEGF薬)。5❌ 緑内障 → ラタノプロスト・チモロールなど。


第109回 問66(褥瘡・壊死組織除去薬)

褥瘡治療に用いる外用薬のうち、壊死組織除去効果を有するのはどれか。1つ選べ。

  1. アルプロスタジルアルファデクス
  2. ブロメライン
  3. ポビドンヨード
  4. ジメチルイソプロピルアズレン
  5. トレチノイントコフェリル
解答と解説を見る

正答:2

1❌ アルプロスタジルアルファデクス(PGE1)は血管拡張・血流改善による肉芽形成促進薬。2✅ ブロメラインはパイナップル由来のタンパク質分解酵素。壊死組織(タンパク質)を選択的に分解・除去(デブリドマン)する。3❌ ポビドンヨードは殺菌消毒薬。4❌ ジメチルイソプロピルアズレンは抗炎症・肉芽形成促進薬。5❌ トレチノイントコフェリルは血管新生・肉芽形成促進薬。

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