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国試頻出!糖尿病治療薬の作用機序まとめ|インスリン・DPP-4阻害薬・SGLT2阻害薬を完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月14日
📖 この記事でわかること
  • 糖尿病治療薬の分類と作用機序がわかる
  • DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬・SGLT2阻害薬の違いが覚えられる
  • イメグリミンのミトコンドリア機能改善という独自機序がわかる
  • 第108・110・111回国試の過去問で実戦練習できる
目次
  1. 1.糖尿病治療薬の大分類
  2. 2.スルホニル尿素薬(SU薬)・グリニド薬
  3. 3.DPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)
  4. 4.GLP-1受容体作動薬
  5. 5.ビグアナイド薬(メトホルミン)
  6. 6.チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)
  7. 7.SGLT2阻害薬
  8. 8.α-グルコシダーゼ阻害薬
  9. 9.イメグリミン(新機序)
  10. 10.作用機序別クイック一覧
  11. 11.国試頻出まとめ
  12. 12.国試過去問チェック

🩺 糖尿病治療薬の大分類

分類 代表薬 主な作用
スルホニル尿素薬(SU薬) グリベンクラミド・グリメピリド SUR結合→KATPチャネル閉鎖→インスリン分泌↑
グリニド薬 レパグリニド・ミチグリニド SUR結合→速効型インスリン分泌↑
DPP-4阻害薬 シタグリプチン インクレチン分解抑制→インスリン↑
GLP-1受容体作動薬 セマグルチド・リラグルチド GLP-1受容体刺激→インスリン↑・グルカゴン↓
ビグアナイド薬 メトホルミン AMPK活性化→肝糖新生↓・末梢インスリン抵抗性改善
チアゾリジン薬 ピオグリタゾン PPARγ刺激→インスリン抵抗性改善
SGLT2阻害薬 エンパグリフロジン 腎尿細管でのグルコース再吸収↓→尿糖排泄↑
α-グルコシダーゼ阻害薬 アカルボース・ミグリトール・ボグリボース 糖質の腸管吸収遅延→食後血糖↑抑制
イメグリミン イメグリミン ミトコンドリア機能改善→インスリン分泌↑+インスリン抵抗性改善

スルホニル尿素薬(SU薬)・グリニド薬

【SU薬・グリニド薬の共通機序】
膵β細胞のSU受容体(SUR)に結合
  ↓
KATPチャネル(ATP感受性K⁺チャネル)を閉鎖
  ↓
K⁺流出↓ → 膜脱分極
  ↓
電位依存性Ca²⁺チャネル開口
  ↓
細胞内Ca²⁺↑
  ↓
インスリン分泌↑

血糖非依存的な分泌促進 → 低血糖リスクが高い
腎機能低下で活性代謝物蓄積 → 重篤な低血糖に注意

【グリニド薬の特徴】
SU薬と同じ機序だが作用時間が短い
→ 食直前服用で食後高血糖を選択的に改善


DPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)


通常の経路
食事 → 腸管からGLP-1・GIP(インクレチン)分泌
  ↓
DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)がすぐに分解
  ↓
インクレチンの作用が短時間しか続かない

【DPP-4阻害薬の作用】
DPP-4を阻害
  ↓
GLP-1・GIPの分解↓ → インクレチン濃度↑
  ↓
膵β細胞:グルコース依存的にインスリン分泌↑
膵α細胞:グルカゴン分泌↓

血糖依存的 → 単独では低血糖リスクが低い

薬物 特徴
シタグリプチン 最初のDPP-4阻害薬
アログリプチン 腎排泄。腎機能低下時は減量
テネリグリプチン 1日1回投与
トレラグリプチン 週1回投与

GLP-1受容体作動薬


腸管ホルモンGLP-1の働きを模倣・増強

GLP-1受容体を直接刺激(DPP-4阻害薬とは別物!)
  ↓
【膵β細胞】グルコース依存的インスリン分泌↑
【膵α細胞】グルカゴン分泌↓
【消化管】胃排出遅延 → 食後血糖上昇↓
【中枢】食欲抑制
  ↓
血糖低下 + 体重減少 + 心血管保護効果

血糖依存的 → 単独では低血糖リスクが低い 副作用:悪心・嘔吐(投与開始時)

薬物 投与経路 特徴
リラグルチド 皮下注(1日1回) 体重減少効果・心血管保護
セマグルチド 皮下注(週1回)または経口 最も強い体重減少効果
デュラグルチド 皮下注(週1回) 心血管イベント抑制効果
エキセナチド 皮下注(週1回持続型あり) 最初のGLP-1受容体作動薬

ビグアナイド薬(メトホルミン)


メトホルミン投与
  ↓
AMPK(AMP依存性プロテインキナーゼ)を活性化
  ↓
【肝臓】糖新生に関わる酵素を抑制
  → 肝糖新生↓ → 血糖↓
【骨格筋】グルコース取り込み↑
  → 末梢インスリン抵抗性改善
【脂肪組織】脂肪酸酸化↑

体重増加なし(むしろ体重減少) 低血糖リスク低い 乳酸アシドーシスに注意 ヨード造影剤使用前後は休薬 腎機能低下・肝障害・過度の飲酒では禁忌


チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)


ピオグリタゾン投与
  ↓
核内受容体 PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)を刺激
  ↓
脂肪細胞への分化促進
アディポネクチン産生↑
  ↓
筋肉・肝臓のインスリン感受性↑
  ↓
インスリン抵抗性↓ → 血糖↓

副作用:体重増加・浮腫 禁忌:心不全・膀胱がん


💧 SGLT2阻害薬


通常の腎臓での糖の動き
糸球体でグルコースがろ過
  ↓
近位尿細管のSGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)で
約90%のグルコースが再吸収

【SGLT2阻害薬の作用】
SGLT2を阻害
  ↓
グルコースの再吸収↓
  ↓
尿中へグルコースを排泄↑ → 血糖↓

【追加の効果】
体重減少・血圧低下・心臓・腎臓保護効果

副作用:尿路感染症・性器感染症・ケトアシドーシス

薬物 特徴
エンパグリフロジン 心血管死・心不全入院リスク↓
ダパグリフロジン 心不全・慢性腎臓病の適応あり
カナグリフロジン 腎保護効果
ルセオグリフロジン 同様にSGLT2阻害

🍚 α-グルコシダーゼ阻害薬


小腸刷子縁の α-グルコシダーゼ(二糖類加水分解酵素)を阻害
  ↓
デンプン・二糖類の消化↓
  ↓
単糖への分解が遅れる
  ↓
糖の腸管吸収が遅延
  ↓
食後血糖スパイク(急上昇)を抑制

食後高血糖の改善に特化 副作用:腹部膨満感・放屁・下痢(腸内での未消化糖の発酵によるガス産生)


イメグリミン(新機序)


ミトコンドリアの電子伝達系複合体Iに作用

【作用①】膵β細胞への効果
ミトコンドリア機能改善
  ↓
ATP産生↑ → KATPチャネル閉鎖
  ↓
グルコース依存的インスリン分泌↑

【作用②】末梢組織への効果
骨格筋・肝臓のミトコンドリア機能改善
  ↓
インスリン抵抗性↓

→ 他の糖尿病薬と全く異なる独自の機序(二重の効果)

単独では低血糖リスクが低い(グルコース依存的) 腎機能低下時は減量


📊 作用機序別クイック一覧

薬物 作用機序のキーワード
グリベンクラミド・グリメピリド SUR結合・KATPチャネル閉鎖(血糖非依存的・低血糖リスク高)
レパグリニド・ミチグリニド SUR結合・速効型(食後高血糖改善)
シタグリプチン DPP-4阻害・インクレチン↑(血糖依存的・低血糖リスク低)
セマグルチド GLP-1受容体直接刺激(体重減少・心血管保護)
メトホルミン AMPK活性化・肝糖新生↓(乳酸アシドーシスに注意)
ピオグリタゾン PPARγ刺激・インスリン抵抗性↓(浮腫・体重増加)
エンパグリフロジン SGLT2阻害・尿糖排泄↑(心・腎保護)
アカルボース・ボグリボース α-グルコシダーゼ阻害・食後血糖↑抑制
イメグリミン ミトコンドリア機能改善・インスリン分泌↑+抵抗性↓

国試頻出まとめ

# ポイント
1 SU薬(グリメピリド等):SUR結合→KATPチャネル閉鎖→脱分極→Ca²⁺↑→インスリン↑。血糖非依存的→低血糖リスク高
2 DPP-4阻害薬(シタグリプチン等):DPP-4阻害→GLP-1・GIP↑→インスリン↑。血糖依存的→単独では低血糖リスク低
3 GLP-1受容体作動薬(セマグルチド等):GLP-1受容体を直接刺激(DPP-4阻害薬とは別物)。体重減少・心血管保護効果あり
4 メトホルミン:AMPK活性化→肝糖新生↓。乳酸アシドーシスに注意。ヨード造影剤前後は休薬
5 ピオグリタゾンPPARγ刺激→アディポネクチン↑→インスリン抵抗性↓。副作用:浮腫・体重増加
6 SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン等):腎近位尿細管SGLT2阻害→尿糖排泄↑。心・腎保護効果。副作用:尿路感染症
7 α-グルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース等):二糖類消化↓→吸収遅延→食後高血糖の改善に特化
8 イメグリミン:ミトコンドリア複合体Iへの作用→①インスリン分泌↑②インスリン抵抗性↓の二重効果(独自の機序)
9 グリニド薬(レパグリニド等):SU薬と同じKATP閉鎖機序だが短時間作用型。食直前服用で食後高血糖を改善
10 ピオグリタゾン=PPARγ(AMPKを直接活性化するのはメトホルミン!混同しないこと)

📝 国試過去問チェック

第108回 問164(一般問題)

糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. ピオグリタゾンは、AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制する
2. デュラグルチドは、膵臓β細胞のGLP-1受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する
3. ボグリボースは、DPP-4を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する
4. トレラグリプチンは、尿細管のSGLT2を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制する
5. グリメピリドは、SU受容体に結合して、KATPチャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する

解答と解説を見る

正解:2・5

2○ デュラグルチドはGLP-1受容体作動薬 → グルコース依存的インスリン分泌↑。
5○ グリメピリドはSU受容体 → KATPチャネル閉鎖 → 膜脱分極 → Ca²⁺↑ → インスリン分泌↑。
1✗ ピオグリタゾンはAMPKを直接活性化しない。PPARγ(核内受容体)を活性化してインスリン抵抗性を改善する(AMPKを活性化するのはメトホルミン)。
3✗ ボグリボースはDPP-4阻害ではなくα-グルコシダーゼ阻害(ソルビトール蓄積とは無関係)。
4✗ トレラグリプチンはSGLT2阻害ではなくDPP-4阻害薬(週1回投与型)。


第111回 問165(一般問題)

糖尿病治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. レパグリニドは、膵β細胞上のGLP-1受容体を直接刺激することで、インスリン分泌を促進する。
2. ミグリトールは、AMPキナーゼを阻害することで、肝臓における糖新生を抑制する。
3. セマグルチドは、スルホニル尿素受容体に結合してKATPチャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。
4. シタグリプチンは、DPP-4を阻害して血中インクレチン濃度を上昇させることで、インスリン分泌を促進する。
5. ピオグリタゾンは、PPARγを刺激して、インスリン抵抗性を改善する。

解答と解説を見る

正解:4・5

4○ シタグリプチン=DPP-4阻害薬 → インクレチン↑ → インスリン分泌↑。
5○ ピオグリタゾン=PPARγ刺激 → インスリン抵抗性↓。
1✗ レパグリニドはSUR結合→KATPチャネル閉鎖(GLP-1受容体刺激ではない)。
2✗ ミグリトールはα-グルコシダーゼ阻害(AMPKを活性化するのはメトホルミン)。
3✗ セマグルチドはGLP-1受容体作動薬(SUR結合はSU薬・グリニド薬の機序)。

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