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💉 薬理

国試頻出!糖尿病治療薬の作用機序まとめ|インスリン・DPP-4阻害薬・SGLT2阻害薬を完全整理

📅 2026年5月14日
📖 この記事でわかること
  • 糖尿病治療薬の7種類の分類と作用機序がわかる
  • DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬・SGLT2阻害薬の違いが覚えられる
  • 第111回国試の過去問(問165)で実戦練習できる
目次
  1. 1.糖尿病治療薬の大分類
  2. 2.各分類の詳細
  3. 3.まとめ:作用機序別クイック一覧
  4. 4.第111回 国試過去問チェック

糖尿病治療薬の大分類

糖尿病(主に2型)の薬は作用機序によって7つに大別されます。

分類 代表薬 主な作用
スルホニル尿素薬(SU薬) グリベンクラミド SUR結合→K⁺チャネル閉鎖→インスリン分泌↑
グリニド薬 レパグリニド・ミチグリニド SUR結合→速効型インスリン分泌↑
DPP-4阻害薬 シタグリプチン インクレチン分解抑制→インスリン↑
GLP-1受容体作動薬 セマグルチド・リラグルチド GLP-1受容体刺激→インスリン↑・グルカゴン↓
ビグアナイド薬 メトホルミン AMPK活性化→肝糖新生↓・末梢インスリン抵抗性改善
チアゾリジン薬 ピオグリタゾン PPARγ刺激→インスリン抵抗性改善
SGLT2阻害薬 エンパグリフロジン 腎尿細管でのグルコース再吸収↓→尿糖排泄↑
α-グルコシダーゼ阻害薬 アカルボース・ミグリトール 糖質の腸管吸収遅延→食後血糖↑抑制

各分類の詳細

DPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)

**ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)**はGLP-1・GIPを分解する酵素。

→ DPP-4阻害 → インクレチン濃度↑ → 膵β細胞からインスリン分泌↑ & 膵α細胞からグルカゴン分泌↓

薬物 特徴
シタグリプチン 最初のDPP-4阻害薬
アログリプチン 腎排泄。腎機能低下時は減量
テネリグリプチン 1日1回投与

ポイント:DPP-4阻害薬は血糖依存的にインスリンを出すため、単独では低血糖リスクが低い

GLP-1受容体作動薬

本来の腸管ホルモンGLP-1の働きを模倣します。

薬物 投与経路 特徴
リラグルチド 皮下注(1日1回) 体重減少効果・心血管保護
セマグルチド 皮下注(週1回)または経口 最も強い体重減少効果
エキセナチド 皮下注(週1回持続型あり) 最初のGLP-1受容体作動薬

注意:GLP-1受容体作動薬は「GLP-1受容体を直接刺激」する。DPP-4阻害薬とは別物!

ビグアナイド薬(メトホルミン)

AMP依存性キナーゼ(AMPK)を活性化 → 肝臓での糖新生↓・脂肪酸酸化↑

  • 体重増加なし・低血糖リスク低い
  • 乳酸アシドーシスに注意(ヨード造影剤使用前後は休薬)
  • 腎機能低下・肝障害・過度の飲酒では禁忌

チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)

核内受容体PPARγ(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ)を刺激

→ 脂肪細胞への分化促進 + アディポネクチン産生↑ → インスリン抵抗性↓

  • 体重増加・浮腫に注意
  • 心不全、膀胱がんには禁忌

SGLT2阻害薬

腎近位尿細管の**ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)**を阻害

→ グルコースの再吸収↓ → 尿中へ排泄 → 血糖↓

薬物 心血管・腎保護効果
エンパグリフロジン 心血管死・心不全入院リスク↓
ダパグリフロジン 心不全・慢性腎臓病の適応あり
カナグリフロジン 腎保護効果

注意:尿路感染症・性器感染症・ケトアシドーシスのリスクあり

まとめ:作用機序別クイック一覧

薬物 作用機序のキーワード
グリベンクラミド SUR結合・K⁺チャネル閉鎖
シタグリプチン DPP-4阻害・インクレチン↑
セマグルチド GLP-1受容体直接刺激
メトホルミン AMPK活性化・肝糖新生↓
ピオグリタゾン PPARγ刺激・インスリン抵抗性↓
エンパグリフロジン SGLT2阻害・尿糖排泄↑
アカルボース α-グルコシダーゼ阻害

第111回 国試過去問チェック

問165(第111回 一般問題)

糖尿病治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. レパグリニドは、膵β細胞上のGLP-1受容体を直接刺激することで、インスリン分泌を促進する。
  2. ミグリトールは、AMPキナーゼを阻害することで、肝臓における糖新生を抑制する。
  3. セマグルチドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K⁺チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。
  4. シタグリプチンは、DPP-4を阻害して血中インクレチン濃度を上昇させることで、インスリン分泌を促進する。
  5. ピオグリタゾンは、PPARγを刺激して、インスリン抵抗性を改善する。

正答:4・5

解説:

  • 1:× レパグリニドはSUR結合→K⁺チャネル閉鎖(GLP-1受容体刺激ではない)
  • 2:× ミグリトールはα-グルコシダーゼ阻害(AMPKはメトホルミン)
  • 3:× セマグルチドはGLP-1受容体作動薬(SUR結合はSU薬・グリニド薬)
  • 4:○ シタグリプチン=DPP-4阻害薬
  • 5:○ ピオグリタゾン=PPARγ刺激

試験のコツ:選択肢の説明と薬物名が入れ替わったひっかけが頻出。「セマグルチド=GLP-1受容体作動薬」「レパグリニド=グリニド薬」を確実に区別しましょう!

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