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【薬剤師国試対策】蛍光分析・ストークスシフトを徹底整理|励起・発光・エネルギー計算

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • 蛍光発光のしくみ(励起→振動緩和→発光)を説明できる
  • ストークスシフトのエネルギー差を E = hc/λ を使って計算できる
  • 励起スペクトルと蛍光スペクトルの違いを説明できる
  • 蛍光と燐光の違い(一重項・三重項、発光寿命)を区別できる
  • Lambert-Beer則を使った吸光度・透過率の計算ができる
目次
  1. 1.光のエネルギーの基本
  2. 2.蛍光発光のしくみ
  3. エネルギー差の計算式(頻出)
  4. 3.励起スペクトルと蛍光スペクトル
  5. 4.蛍光と燐光の違い
  6. 5.Lambert-Beer則(吸光度の計算)
  7. 混合溶液の吸光度
  8. 6.蛍光検出器(FLD)の特徴
  9. 7.国試頻出まとめ
  10. 8.国試過去問チェック

🔆 光のエネルギーの基本

E = hν = hc/λ

記号 意味
h プランク定数 6.626 × 10⁻³⁴ J·s
ν 振動数 s⁻¹(Hz)
c 光速 3.0 × 10⁸ m/s
λ 波長 m(nm)

波長が短い = エネルギーが高い
UV(200〜400 nm)> 可視光(400〜700 nm)> 赤外線(> 700 nm)


🌟 蛍光発光のしくみ

  1. 励起:分子が光(励起光)を吸収 → 励起状態(S₁)へ
  2. 振動緩和(内部転換):励起エネルギーの一部をとして放出
  3. 蛍光発光:残りのエネルギーを光として放出(励起光より長波長)

⚠️ ストークスシフト:蛍光波長(λ₂)> 励起波長(λ₁)
振動緩和でエネルギーを一部失うため、発光波長は励起波長より長くなる(エネルギーが低い)

エネルギー差の計算式(頻出)

励起波長 λ₁、蛍光波長 λ₂(λ₂ > λ₁)のエネルギー差:

ΔE = hc/λ₁ − hc/λ₂ = hc(λ₂ − λ₁) / (λ₁λ₂)

計算のコツ:E = hc/λ の形で通分するだけ!
ΔE = hc × (λ₂−λ₁)/(λ₁λ₂) → λ₂ > λ₁ なので ΔE > 0(励起光の方がエネルギー高い)


📊 励起スペクトルと蛍光スペクトル

項目 励起スペクトル 蛍光スペクトル
横軸 励起波長(入射光) 蛍光波長(放出光)
意味 どの波長で励起されやすいか どの波長の蛍光を出すか
形の特徴 吸収スペクトルと類似 励起スペクトルより長波長側にシフト

✅ 励起スペクトルの形 ≈ 吸収スペクトルの形(同じ電子遷移に対応)


🕯️ 蛍光と燐光の違い

項目 蛍光 燐光
励起状態 一重項(S₁) 三重項(T₁)
遷移 S₁ → S₀(スピン許容) T₁ → S₀(スピン禁制)
発光寿命 短い(ns〜μs) 長い(ms〜s)
発光の持続 光を切るとすぐ消える しばらく光り続ける(余光)
温度依存 小さい 大きい(低温で強くなる

⚠️ 燐光は低温(液体窒素中)で強くなる! 室温ではほとんど観測されない。


📏 Lambert-Beer則(吸光度の計算)

A = εcl = −log T

記号 意味
A 吸光度(absorbance)
ε モル吸光係数(L·mol⁻¹·cm⁻¹)
c モル濃度(mol/L)
l セルの光路長(cm)
T 透過率(= I/I₀)

透過率 T と吸光度 A の変換:A = −log T = log(1/T)
T = 50% → A = −log(0.5) = log2 = 0.3
T = 10% → A = −log(0.1) = 1.0
T = 1% → A = 2.0

混合溶液の吸光度

異なる2成分を等量混合するとき:

吸光度の加成性(Lambert-Beer則):A_mix = A₁'+ A₂'
各成分の濃度が半分になるため → A_mix = (A₁ + A₂) / 2


🔭 蛍光検出器(FLD)の特徴

項目 蛍光検出器(FLD) UV検出器(UV/Vis)
感度 UV の 10〜1000 倍 標準
選択性 高い(蛍光物質のみ) 低い(UV吸収があれば全て検出)
主な用途 アミノ酸・ビタミン・生体試料・農薬 汎用

FLD は蛍光を出す物質しか検出しないため、バックグラウンドが少なく高感度・高選択性


📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 光のエネルギー E = hc/λ(波長が短いほど高エネルギー)
2 ストークスシフト 蛍光波長 > 励起波長(振動緩和でエネルギーを失う)
3 エネルギー差の式 ΔE = hc(λ₂−λ₁)/(λ₁λ₂)
4 蛍光の励起状態 一重項(S₁)→短寿命(ns〜μs)
5 燐光の励起状態 三重項(T₁)→長寿命(ms〜s)・低温で強い
6 FLDの感度 UV検出器の10〜1000倍・高選択性
7 Lambert-Beer則 A = εcl = −log T
8 T = 50% → A A = log2 = 0.3
9 等量混合の吸光度 A_mix = (A₁ + A₂)/2(各成分の濃度が半分)

📝 国試過去問チェック

第109回薬剤師国家試験 問95(一般)

図はある蛍光物質の励起スペクトルと蛍光スペクトルである。励起スペクトルの極大波長(励起波長)がm₁、蛍光スペクトルの極大波長(蛍光波長)がm₂であるとすると、この蛍光物質の励起波長の光のエネルギーと蛍光波長の光のエネルギーとの間のエネルギー差を求める式はどれか。1つ選べ。ただし、プランク定数はh、光速度はcとする。

1. hc(m₂ − m₁) / (m₁m₂)

2. h(m₂ − m₁) / (cm₁m₂)

3. c(m₂ − m₁) / (hm₁m₂)

4. hm₁m₂ / (c(m₂ − m₁))

5. h / (cm₁m₂)

解答と解説を見る

正解:1

各波長の光のエネルギーは E = hc/λ なので:

E₁(励起光)= hc/m₁、E₂(蛍光)= hc/m₂

ΔE = E₁ − E₂ = hc/m₁ − hc/m₂ = hc × (m₂−m₁)/(m₁m₂)

m₂ > m₁(ストークスシフト)なので ΔE > 0 → 励起光の方がエネルギーが高い。

1○ hc(m₂−m₁)/(m₁m₂)。正しい。

2✗ c が分母にある形で、次元(単位)が合わない。

3✗ h が分母にある形で、次元が合わない。

4✗ 分子・分母が逆で、「差の逆数」の形になっており、エネルギー差を表さない。

5✗ m₁・m₂ の差が入っておらず、波長差を考慮していない。


第108回薬剤師国家試験 問96(一般)

紫外可視吸光度測定法を用いて、単一の波長により、ある化合物の濃度の異なる2種類の水溶液の透過率を測定したところ、水溶液Ⅰの透過率は50%、水溶液Ⅱの透過率は20%であった。水溶液ⅠとⅡを等量ずつ混合した水溶液の吸光度に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、log2 = 0.3、用いたセルの層長は1 cmとする。

1. 0.3

2. 0.5

3. 0.7

4. 1.0

5. 1.5

解答と解説を見る

正解:2

① 各溶液の吸光度を求める

Lambert-Beer則:A = −log T

  • 水溶液Ⅰ:T = 50% = 0.5 → A₁ = −log(0.5) = log2 = 0.3
  • 水溶液Ⅱ:T = 20% = 0.2 → A₂ = −log(0.2) = −log(2×10⁻¹) = 1 − log2 = 1 − 0.3 = 0.7

② 等量混合後の吸光度を求める

等量混合すると各成分の濃度が半分になる。Lambert-Beer則より吸光度は濃度に比例するので:

A_mix = A₁/2 + A₂/2 = 0.3/2 + 0.7/2 = 0.15 + 0.35 = 0.5

2○ 吸光度 = 0.5。正しい。

1✗ 0.3 は水溶液Ⅰ単独の吸光度。

3✗ 0.7 は水溶液Ⅱ単独の吸光度。

4✗ 1.0 は A₁ + A₂ = 0.3 + 0.7 の単純な足し算(混合による濃度半減を考慮していない)。

5✗ 1.5 は計算根拠が不明。


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