マスコット薬スタ
🌿 衛生

食品の自然毒・解毒薬と環境規制

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月22日
📖 この記事でわかること
  • 植物性・動物性自然毒の原因物質と含有食品を正確に対応できる(スイセン=リコリン等)
  • 主要中毒の解毒薬(シアン→ヒドロキソコバラミン、有機リン→PAM+アトロピン等)を説明できる
  • HFC・CFC・HCFCのオゾン層破壊有無とモントリオール議定書キガリ改正を区別できる
  • 水質汚濁防止法で「検出されないこと」とされる2物質(アルキル水銀・PCB)を覚えられる
  • 食品添加物の用途(防かび剤・保存料・酸化防止剤)と物質名・性質を正しく覚えられる
目次
  1. 1.食品中の自然毒(植物性)
  2. 2.食品中の自然毒(動物性・微生物性)
  3. 3.主要中毒と解毒薬
  4. 4.毒物・劇物の分類
  5. 5.オゾン層保護とモントリオール議定書
  6. 6.水質汚濁防止法の排水基準
  7. 7.食品添加物の種類と用途
  8. 8.国試頻出まとめ
  9. 9.国試過去問チェック

🌿 食品中の自然毒(植物性)

植物 原因毒素 中毒症状
トリカブト アコニチン 口・四肢のしびれ・不整脈(致死的)
スイセン リコリン 嘔吐・下痢・ニラと誤食多い
イヌサフラン コルヒチン 多臓器不全・ギョウジャニンニクと誤食
ジャガイモ(緑色部・芽) ソラニン・チャコニン 嘔吐・腹痛・神経症状
ウメ・アンズの種 アミグダリン(青酸配糖体) 体内でHCN放出→シアン中毒
チョウセンアサガオ アトロピン・スコポラミン 抗コリン症状(散瞳・頻脈・口渇)

スイセン=リコリン(ニラとの誤食)/ トリカブト=アコニチン / イヌサフラン=コルヒチン


🐟 食品中の自然毒(動物性・微生物性)

生物 原因毒素 特徴
フグ テトロドトキシン Na⁺チャネル遮断・麻痺・加熱無効
貝類(麻痺性) サキシトキシン フグ毒と同機序
ムラサキイガイ等(下痢性) オカダ酸 プロテインホスファターゼ阻害→下痢
シガテラ毒魚(ドクウツボ等) シガトキシン Na⁺チャネル活性化・ドライアイスセンセーション
ワライタケ等(幻覚性キノコ) シロシビン(サイロシビン) セロトニン様作用→幻覚・幻聴
ボツリヌス菌 ボツリヌストキシン 神経筋接合部でACh放出阻害
黄色ブドウ球菌 エンテロトキシン 耐熱性・食後3時間以内に発症

テトロドトキシン(フグ)→Naチャネル遮断 / シガトキシン→Naチャネル活性化(逆!) ✅ オカダ酸→ムラサキイガイ→下痢 / シロシビン→ワライタケ→幻覚


💊 主要中毒と解毒薬

中毒原因 解毒薬 機序
シアン化物(青酸) ヒドロキソコバラミン(ビタミンB₁₂誘導体) コバルトがCN⁻と結合し無毒化
有機リン(農薬) PAM(プラリドキシム)+アトロピン AChE再活性化・ムスカリン受容体拮抗
モルヒネ(オピオイド) ナロキソン オピオイド受容体拮抗
鉛中毒 EDTA・ジメルカプロール キレート形成
タリウム中毒 プルシアンブルー Tl⁺の吸着・腸管循環阻断
一酸化炭素(CO) 高濃度酸素投与 HbCOの解離促進
ワルファリン ビタミンK ビタミンK依存性凝固因子の補充
アニリン(メトヘモグロビン血症) メチレンブルー MetHbをHbに還元

シアン中毒の解毒薬=ヒドロキソコバラミン(コバルト含有でCN⁻を捕捉) ✅ タリウム→プルシアンブルー / モルヒネ→ナロキソン / 有機リン→PAM+アトロピン


⚗️ 毒物・劇物の分類

分類 基準
毒物 毒性が強い シアン化カリウム・タリウム・砒素
劇物 毒物より毒性は低いが危険 アニリン・塩素・メタノール
特定毒物 毒物の中で特に危険 モノフルオロ酢酸・四アルキル鉛
麻薬 別法律(麻薬及び向精神薬取締法) モルヒネ(毒物・劇物ではない)

🌍 オゾン層保護とモントリオール議定書

物質 規制 オゾン層破壊
CFC(クロロフルオロカーボン) モントリオール議定書(1987) あり
HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン) モントリオール議定書 あり(CFCより弱い)
臭化メチル(CH₃Br) モントリオール議定書 あり
HFC(ハイドロフルオロカーボン) キガリ改正(2016年採択) なし(ただし強力な温室効果ガス)

HFCはオゾン層を破壊しない! ただしGWPが高く地球温暖化を促進→2016年キガリ改正で規制対象に追加


💧 水質汚濁防止法の排水基準

基準 対象物質
「検出されないこと」(ND) アルキル水銀化合物PCB(ポリ塩化ビフェニル)
数値基準あり 六価クロム(0.5mg/L)・カドミウム(0.03mg/L)・鉛(0.1mg/L)・水銀及びその化合物(0.005mg/L)

「検出されないこと」はアルキル水銀とPCBの2物質 無機水銀(水銀及びその化合物)は0.005mg/Lの数値基準


🧪 食品添加物の種類と用途

用途 代表的添加物 特徴
防かび剤 OPP・TBZ・イマザリル・フルジオキソニル かんきつ類・バナナに使用許可
甘味料 アスパルテーム(200倍)・サッカリン(300〜700倍)・ステビア・スクラロース アスパルテームはPKU患者注意
保存料 ソルビン酸・ソルビン酸カリウム 酸性(pH4以下)で効力発揮;カビ・酵母・細菌に有効
酸化防止剤 EDTA(エチレンジアミン四酢酸) 金属封鎖(キレート)作用で酸化を防止
タール色素 タートラジン・エリスロシン・アルラレッドAC 合成色素

用途名と物質名の両方表示が必要な8用途:

甘味料・着色料・保存料・漂白剤・防かび剤・酸化防止剤・発色剤・増粘剤(糊料) ※香料・調味料・乳化剤・pH調整剤は一括名表示のみでOK


📋 国試頻出まとめ

# テーマ 重要ポイント
1 スイセン リコリン(ニラとの誤食)
2 トリカブト アコニチン
3 フグ毒 テトロドトキシン(Naチャネル遮断)
4 下痢性貝毒 オカダ酸→ムラサキイガイ
5 幻覚キノコ シロシビン→ワライタケ
6 シアン中毒の解毒 ヒドロキソコバラミン
7 タリウム中毒の解毒 プルシアンブルー
8 HFCとキガリ改正 オゾン層破壊なし・温暖化促進→規制対象
9 「検出されないこと」 アルキル水銀・PCB
10 保存料ソルビン酸 **酸性(pH4以下)**で効力発揮

📝 国試過去問チェック

第111回 問21(スイセンの毒素)

スイセンによる食中毒の原因物質はどれか。1つ選べ。

  1. アコニチン
  2. アミグダリン
  3. コルヒチン
  4. チャコニン
  5. リコリン
解答と解説を見る

正答:5

5✅ リコリンがスイセン(ニラとの誤食)の原因物質

1❌ アコニチンはトリカブトの毒素

2❌ アミグダリンはウメ・アンズの種(青酸配糖体)

3❌ コルヒチンはイヌサフラン(ギョウジャニンニクとの誤食)

4❌ チャコニンはジャガイモ(ソラニンと同様)


第111回 問23(シアン中毒の解毒薬)

ヒドロキソコバラミンを解毒薬として用いる中毒原因物質はどれか。1つ選べ。

  1. モルヒネ
  2. タリウム
  3. シアン化カリウム
  4. アニリン
解答と解説を見る

正答:4

4✅ **シアン化カリウム(KCN)**中毒にはヒドロキソコバラミンを投与。コバルトがCN⁻を捕捉して無毒化する

1❌ モルヒネ中毒の解毒薬はナロキソン

2❌ タリウム中毒の解毒薬はプルシアンブルー

3❌ 鉛中毒の解毒薬はEDTA

5❌ アニリン(メトヘモグロビン血症)の解毒薬はメチレンブルー


第111回 問24(HFCとキガリ改正)

オゾン層破壊作用はないが、地球温暖化の抑制を目的としてモントリオール議定書キガリ改正の規制対象となっているのはどれか。1つ選べ。

  1. ブロモフルオロカーボン
  2. 臭化メチル
  3. クロロフルオロカーボン
  4. ハイドロフルオロカーボン
  5. ハイドロクロロフルオロカーボン
解答と解説を見る

正答:4

4✅ **HFC(ハイドロフルオロカーボン)**はオゾン層を破壊しないがGWPが高く、2016年採択のキガリ改正で規制対象に追加

1❌ ブロモフルオロカーボンはオゾン層を破壊する

2❌ 臭化メチルはオゾン層を破壊する(従来のモントリオール議定書で規制)

3❌ CFC(クロロフルオロカーボン)はオゾン層を破壊する

5❌ HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)もオゾン層を破壊する


第111回 問25(排水基準「検出されないこと」)

水質汚濁防止法において、健康に係る有害物質についての排水基準の許容濃度として「検出されないこと」となっているのはどれか。1つ選べ。

  1. 六価クロム化合物
  2. アルキル水銀化合物
  3. カドミウム及びその化合物
  4. 大腸菌
  5. ポリ塩化ビフェニル
解答と解説を見る

正答:2(および5も「検出されないこと」)

2✅ アルキル水銀化合物は「検出されないこと(ND)」

1❌ 六価クロムは0.5mg/L以下(数値基準)

3❌ カドミウムは0.03mg/L以下

4❌ 大腸菌は生活環境項目(健康項目ではない)

5✅ PCB(ポリ塩化ビフェニル)も「検出されないこと」だが、選択肢2が正解


第108回 問130(食品添加物の特徴)

食品添加物A〜Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. Aはかんきつ類やバナナに使用される防かび剤である
  2. Bはショ糖の200倍の甘さがある甘味料である
  3. Cは酸性領域で効力のある保存料である
  4. Dは金属封鎖作用のある酸化防止剤である
  5. Eは酸性のタール色素である
解答と解説を見る

正答:3・4

3✅ C(ソルビン酸・ソルビン酸カリウム)は酸性領域(pH4以下)で効力を発揮する保存料

4✅ D(EDTA)は金属封鎖(キレート)作用により酸化を防止する酸化防止剤

1❌ 防かび剤(OPP・TBZ・イマザリル等)は異なる構造

2❌ ショ糖200倍はアスパルテーム(サッカリンは300〜700倍)

5❌ タール色素は通常Na塩(アルカリ性)


第108回 問131(自然毒の成分・含有生物・症状)

食中毒の原因となる自然毒の成分とそれを含有する動植物及び中毒症状の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. オカダ酸 — ムラサキイガイ — 下痢
  2. ソラニン — チョウセンアサガオ — 記憶喪失
  3. リコリン — ワラビ — 神経麻痺
  4. シガトキシン — フグ — 痙れん
  5. シロシビン(サイロシビン)— ワライタケ — 幻覚
解答と解説を見る

正答:1・5

1✅ オカダ酸ムラサキイガイ(二枚貝)下痢性貝毒(下痢・嘔吐)

5✅ シロシビン(サイロシビン)ワライタケ等の幻覚性キノコ→幻覚・幻聴

2❌ ソラニン→ジャガイモ(チョウセンアサガオの毒素はアトロピン・スコポラミン)

3❌ リコリン→ヒガンバナ(スイセン)(ワラビの毒素はプタキロシド)

4❌ シガトキシン→シガテラ毒魚(フグの毒素はテトロドトキシン)


第107回 問17(魚介類の自然毒)

自然毒のうち、魚介類による食中毒の原因となるのはどれか。1つ選べ。

  1. アコニチン
  2. ソラニン
  3. アミグダリン
  4. テトロドトキシン
  5. チャコニン
解答と解説を見る

正答:4

4✅ テトロドトキシン:フグ(卵巣・肝臓)に含まれる神経毒。Na⁺チャネル阻害

1❌ アコニチン:植物毒(トリカブト)

2❌ ソラニン:植物毒(ジャガイモの芽)

3❌ アミグダリン:植物毒(青梅・杏仁)、HCN産生

5❌ チャコニン:植物毒(ジャガイモ)


第107回 問18(用途名と物質名を併記する食品添加物)

食品表示法に基づき、用途名と物質名を併記する必要がある食品添加物はどれか。1つ選べ。

  1. 香料
  2. 甘味料
  3. 調味料
  4. 乳化剤
  5. pH調整剤
解答と解説を見る

正答:2

2✅ 甘味料は用途名(甘味料)+物質名(ステビア、アスパルテームなど)を両方表示必要

物質名の併記が必要な8用途:甘味料・着色料・保存料・漂白剤・防かび剤・酸化防止剤・発色剤・増粘剤(糊料)

1❌ 香料:「香料」の一括名表示のみでOK

3❌ 調味料:一括名表示のみでOK(アミノ酸等を付記)

4❌ 乳化剤:一括名表示のみでOK

5❌ pH調整剤:一括名表示のみでOK

💬
📲 LINE登録で2大特典を無料プレゼント中
✅ 特典①:放射線マインドマップ
✅ 特典②:食品添加物の構造式(デジタル版)
友だち追加 →
💊

この記事が役に立ったら...

他の国試対策記事もチェックしてみてください!

🌿 衛生の記事一覧ホームへ