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【薬剤師国試対策】食品衛生を徹底整理|食中毒・食品添加物・変質・保存法

📅 2026年5月12日🔄 更新: 2026年5月22日
📖 この記事でわかること
  • 食中毒の原因別(細菌性・ウイルス性・自然毒・化学性)の特徴と鑑別がわかる
  • 代表的な食中毒菌(サルモネラ・腸炎ビブリオ・黄色ブドウ球菌など)の特徴が整理できる
  • 食品添加物の分類と代表的な用途がわかる
  • 食品の変質と保存法の原理が説明できる
  • HACCPの概念と食品衛生法の要点が理解できる
目次
  1. 1.食中毒の分類
  2. 2.細菌性食中毒
  3. 感染型(菌が腸内で増殖して発症)
  4. 毒素型(食品中で産生された毒素を摂取して発症)
  5. ウイルス性食中毒
  6. 3.自然毒食中毒
  7. 動物性自然毒
  8. 植物性自然毒
  9. 4.食品添加物
  10. 用途別分類
  11. 亜硝酸ナトリウムのポイント ⭐
  12. 食品中の発がん物質
  13. 5.食品の変質と保存
  14. 変質の種類
  15. 腐敗の指標と腐敗産物
  16. 油脂の酸化指標
  17. 水分活性(Aw)
  18. 主な保存法
  19. 6.HACCPと食品衛生法
  20. HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)
  21. 食品衛生法の重要ポイント
  22. 7.国試頻出まとめ
  23. 8.国試過去問チェック

🦠 食中毒の分類

食中毒は原因によって大きく4種類に分けられます。

分類 原因 代表例
細菌性 細菌または毒素 サルモネラ・腸炎ビブリオ・黄色ブドウ球菌など
ウイルス性 ウイルス ノロウイルス・A型肝炎ウイルス
自然毒 動植物の毒素 フグ毒・キノコ毒・植物毒
化学性 化学物質 農薬・重金属・メタノールなど

件数・患者数ともにノロウイルスが最多(近年)


🧫 細菌性食中毒

細菌性食中毒は「感染型」と「毒素型」に分けるのが国試の定番です。

感染型(菌が腸内で増殖して発症)

サルモネラ属菌

  • 原因食品:鶏卵・食肉(特に鶏肉)
  • 潜伏期間:6〜48時間(比較的長い)
  • 症状:発熱・腹痛・下痢・嘔吐
  • 特徴加熱で予防可能。ペットのカメや爬虫類も感染源
  • 治療:重症例は抗菌薬(ニューキノロン系)

腸炎ビブリオ

  • 原因食品海産魚介類(刺身・寿司)
  • 潜伏期間:8〜24時間
  • 症状:激しい腹痛・水様性下痢
  • 特徴:好塩性(3% NaCl で最も増殖)。真水(流水)で洗浄することで予防
  • 増殖速度:非常に速い(10分で2倍)

カンピロバクター

  • 原因食品鶏肉の加熱不十分・生レバー
  • 潜伏期間:2〜7日(細菌性で最も長い)
  • 症状:発熱・腹痛・下痢(血便あり)
  • 合併症Guillain-Barré症候群(発症後2〜4週後に神経症状)⭐
  • 特徴:少量の菌でも感染成立(感染量が少ない)

腸管出血性大腸菌(O157など)

  • 原因食品:牛肉(ユッケ・生レバー)・野菜
  • 潜伏期間:3〜8日
  • 症状:出血性下痢・強い腹痛
  • 毒素:**ベロ毒素(志賀毒素様毒素)**産生⭐
  • 合併症溶血性尿毒症症候群(HUS)→抗菌薬でHUSリスク上昇のため投与は慎重⭐
  • 感染力:非常に強い(100個以下で感染)

リステリア菌

  • 特徴4℃以下(冷蔵庫内)でも増殖可能
  • ハイリスク群:妊婦・高齢者・免疫不全者
  • 原因食品:非加熱の乳製品・生ハム・スモークサーモン

毒素型(食品中で産生された毒素を摂取して発症)

黄色ブドウ球菌

  • 産生毒素エンテロトキシン(耐熱性)
  • 潜伏期間1〜6時間(最短)
  • 症状:激しい嘔吐・腹痛・下痢(発熱なし or 軽度)
  • 特徴:毒素は100℃・30分の加熱でも分解されない→再加熱しても予防できない
  • 感染源:化膿創のある調理者が主な汚染源

ボツリヌス菌

  • 産生毒素ボツリヌス毒素(神経毒・最強の毒素の一つ)
  • 原因食品缶詰・真空パック・びん詰・からしレンコン・ハチミツ(乳児)
  • 潜伏期間:8〜36時間
  • 症状神経麻痺(複視・嚥下困難・呼吸困難)→下痢より神経症状が主体
  • 乳児ボツリヌス症1歳未満にハチミツ禁忌(腸内でボツリヌス菌が増殖)⭐
  • 治療:抗毒素血清・人工呼吸管理

セレウス菌

  • 嘔吐型チャーハン・ピラフ(米飯)・潜伏1〜5時間・耐熱性毒素(セレウリド)
  • 下痢型:食肉・スープ・潜伏8〜16時間

ウェルシュ菌

  • 特徴偏性嫌気性・耐熱性芽胞形成菌
  • 原因食品:大量調理したカレー・シチュー・煮物(嫌気的な深鍋の底で増殖)
  • 集団食中毒:給食施設での事例として重要

ウイルス性食中毒

ノロウイルス

  • 感染経路経口感染(二枚貝の生食・接触・飛沫)
  • 潜伏期間:24〜48時間
  • 症状:激しい嘔吐・下痢・腹痛(38℃前後の発熱)
  • 特徴少量(10〜100個)で感染・アルコール消毒が効きにくい⭐
  • 消毒次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)が有効
  • 流行期:秋〜冬(11〜2月)にピーク

潜伏期間の順番:黄色ブドウ球菌(1〜6h)<ノロ(24〜48h)<カンピロバクター(2〜7日)


☠️ 自然毒食中毒

動物性自然毒

毒素 原因食品 特徴
テトロドトキシン(TTX) フグ(卵巣・肝臓) 耐熱性⭐・電位依存性Na⁺チャネル遮断→麻痺・呼吸困難
シガトキシン 熱帯・亜熱帯の魚(バラフエダイ等) シガテラ中毒・温度感覚異常(ドライアイスセンセーション)⭐
麻痺性貝毒(サキシトキシン等) 二枚貝 Na⁺チャネル遮断→麻痺
下痢性貝毒(オカダ酸等) ムール貝・ホタテ タンパクホスファターゼ阻害→下痢

植物性自然毒

毒素 原因食品 特徴
ソラニン・チャコニン じゃがいもの芽・緑化部分 コリンエステラーゼ阻害⭐
アミグダリン(青酸配糖体) 未熟な梅・アンズの種 青酸(HCN)を遊離
ムスカリン 毒キノコ 副交感神経刺激症状
イルジン ツキヨタケ 消化器症状・混同されやすい⭐
コルヒチン イヌサフラン(行者ニンニクと誤認) 多臓器不全
サイカシン ソテツ β-グルコシダーゼで加水分解→メチルアゾキシメタノール→発がん性

フグ毒(テトロドトキシン)は耐熱性→加熱しても無毒化できない


食品添加物

食品添加物は食品衛生法で指定・規格が定められたものだけが使用可能です。

用途別分類

用途 代表的な添加物
保存料 ソルビン酸(カリウム塩)・安息香酸・プロピオン酸・デヒドロ酢酸
殺菌料 次亜塩素酸ナトリウム・高度さらし粉
酸化防止剤 BHA・BHT・ビタミンE(α-トコフェロール)・ビタミンC(アスコルビン酸)
発色剤 亜硝酸ナトリウム(ハム・ソーセージの赤色保持)⭐
漂白剤 亜硫酸ナトリウム・次亜塩素酸ナトリウム
甘味料 サッカリン・アスパルテーム・ステビア・スクラロース・アセスルファムK
着色料 タール色素(赤色2号・3号など)・カラメル色素・カロテン
乳化剤 グリセリン脂肪酸エステル・レシチン
防かび剤(防ばい剤) OPP・イマザリル・チアベンダゾール(TBZ)(柑橘類の表皮処理)⭐
調味料 グルタミン酸ナトリウム(MSG)

亜硝酸ナトリウムのポイント ⭐

  • ハム・ソーセージ・ベーコン・明太子などに使用(発色剤
  • ミオグロビンと結合→ニトロソミオグロビン(鮮やかな赤色)
  • **ニトロソアミン(発がん性)**の前駆体になる可能性→使用量が厳しく制限
  • ボツリヌス菌の増殖抑制効果もある

食品中の発がん物質

物質 生成源・特徴
アフラトキシンB₁ カビ(アスペルギルス属)産生・CYPにより8,9-エポキシ化→DNA付加体→肝がん
ヘテロサイクリックアミン(HCA) 肉・魚の高温加熱でアミノ酸+クレアチン→Trp-P-1・MeIQxなど
ベンゾ[a]ピレン 脂質・有機物の不完全燃焼(くん煙・焦げ)で生成
ジメチルニトロソアミン 酸性下で亜硝酸+ジメチルアミン→ニトロソ化反応
サイカシン ソテツ→β-グルコシダーゼで加水分解→発がん

アフラトキシンB₁はCYPでエポキシ化(活性化)→発がん。TBZは柑橘類の防かび剤として重要


🏺 食品の変質と保存

変質の種類

変質の種類 原因 対象食品
腐敗 微生物によるタンパク質分解 肉・魚・卵など
変敗 微生物による炭水化物・脂質の分解 ご飯・パンなど
酸敗(油脂の酸化) 酸素・光・熱・金属による油脂の酸化 食用油・バターなど

腐敗の指標と腐敗産物

指標・産物 生成メカニズム ポイント
揮発性塩基窒素(VBN) タンパク質→アンモニア・TMA 魚:20mg/100g以上で初期腐敗⭐
K値 ATPの分解産物(HxR+Hx/全ATP分解物) 魚の鮮度指標(20%以下が刺身用)⭐
ヒスタミン ヒスチジン脱炭酸反応→ヒスタミン サバ・マグロなど青魚→アレルギー様食中毒⭐
チラミン チロシン脱炭酸→チラミン チーズ・発酵食品→血圧上昇
トリメチルアミン(TMA) TMAO(トリメチルアミンオキシド)が還元される 魚介類の生臭み⭐(酸化ではない!)
スカトール・インドール トリプトファンの脱アミノ・脱炭酸 腸内腐敗物
硫化水素 **システイン・メチオニン(含硫アミノ酸)**の脱硫 腐敗卵・腐敗肉

油脂の酸化指標

指標 内容
酸価(AV) 遊離脂肪酸の量→酸化進行で上昇し続ける
過酸化物価(POV) 一次酸化産物→酸化初期に上昇、後期に低下
カルボニル価(CV) 二次酸化産物→酸化後期に上昇
ヨウ素価(IV) 不飽和度の指標→酸化が進むと減少し続ける
TBA価 マロンジアルデヒド量を測定

水分活性(Aw)

Aw=PP0(食品の水蒸気圧÷純水の飽和蒸気圧)Aw = \frac{P}{P_0}(食品の水蒸気圧 ÷ 純水の飽和蒸気圧)

  • 純水のAw = 1.0
  • 細菌の増殖限界:Aw ≥ 0.90(一般細菌)⭐
  • 酵母:Aw ≥ 0.85、カビ:Aw ≥ 0.80
  • Awを下げることで微生物の増殖を抑制できる

主な保存法

保存法 原理 備考
冷蔵(1〜10℃) 微生物・酵素の活性↓ リステリアは4℃でも増殖!
冷凍(−18℃以下) 微生物の増殖停止 長期保存
加熱殺菌(低温殺菌) 63℃・30分 or 75℃・15分 牛乳・ジュース
超高温殺菌(UHT) 120〜150℃・数秒 LL牛乳
乾燥(脱水) Awを下げる 干物・粉末食品
塩蔵・糖蔵 浸透圧↑→Aw↓→微生物抑制 塩辛・ジャム
くん煙(燻製) 煙成分(ホルムアルデヒド・有機酸・フェノール類)殺菌+乾燥 ベーコン・スモークサーモン⭐
CA貯蔵 CO₂↑・O₂↓で呼吸抑制 果実・野菜
放射線照射 γ線でDNA損傷→殺菌 ジャガイモの発芽防止(日本では唯一承認)⭐

くん煙=化学的殺菌(ホルムアルデヒド・有機酸・フェノール類)が特徴。乾燥・塩蔵・冷蔵とは区別する


🏛️ HACCPと食品衛生法

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)

  • 危害要因分析重要管理点
  • 予防的な衛生管理システム(事後検査ではなく工程管理)⭐
  • 2021年から全ての食品事業者にHACCPに基づく衛生管理が義務化
  • 7原則12手順で構成
  • 重要管理点(CCP):危害を防ぐ・除去・許容レベルに低減できる特定の加工工程

食品衛生法の重要ポイント

項目 内容
食品添加物 厚生労働大臣が指定したもののみ使用可(指定外は原則禁止)
規格基準 食品・添加物・器具・容器包装に設定
食品表示 食品表示法で一元化(2015年〜)
健康食品 機能性表示食品・特定保健用食品(トクホ)・栄養機能食品
食中毒の届出 医師が食中毒患者を診断→24時間以内に保健所長に届出

食中毒を診断した医師は24時間以内に保健所長へ届け出る義務がある


国試頻出まとめ

# テーマ 重要ポイント
1 潜伏期間 黄色ブドウ球菌(1〜6h)<ノロ(24〜48h)<カンピロバクター(2〜7日)
2 黄色ブドウ球菌 エンテロトキシンは耐熱性→再加熱しても予防できない
3 ボツリヌス菌 嫌気性・缶詰・乳児にハチミツ禁忌(1歳未満)
4 カンピロバクター 鶏肉・Guillain-Barré症候群(2〜4週後)
5 O157 ベロ毒素→HUS。抗菌薬はHUSリスク上昇のため慎重
6 フグ毒 テトロドトキシン:耐熱性・Na⁺チャネル遮断
7 じゃがいも芽 ソラニン:コリンエステラーゼ阻害
8 TMA TMAO(トリメチルアミンオキシド)の還元で生成(酸化ではない!)
9 くん煙 ホルムアルデヒド・有機酸・フェノール類による殺菌・静菌
10 ヨウ素価 酸化が進むと減少し続ける(不飽和結合が消費されるため)
11 水分活性 Aw = P/P₀。細菌増殖限界:Aw ≥ 0.90
12 アフラトキシンB₁ CYPで8,9-エポキシ化→活性化→肝がん

📝 国試過去問チェック

第109回 問131(一般問題)

食中毒の原因となる微生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 黄色ブドウ球菌が産生する毒素は、100℃で30分間加熱しても毒性を失わない
  2. ボツリヌス菌は、低酸素状態ではボツリヌス毒素を産生しない
  3. 腸管出血性大腸菌は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生する
  4. セレウス菌の嘔吐型食中毒の原因となる毒素は、100℃で30分間の加熱で毒性を失う
  5. エルシニア・エンテロコリチカは、4℃の低温条件下では発育できない
解答と解説を見る

正答:1・3

1✅ 黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン耐熱性(100℃30分でも不活化されない)。調理後に再加熱しても毒素は残存

3✅ 腸管出血性大腸菌(O157等)は胃酸(低pH)に抵抗性で少量(100個程度)で感染成立。腸管で**ベロ毒素(志賀毒素様毒素)**を産生→HUSの原因

2❌ ボツリヌス菌は嫌気(低酸素)状態でボツリヌス毒素を産生する(産生しないは誤り)

4❌ セレウス菌嘔吐型の毒素セレウリド耐熱性(126℃90分でも安定)

5❌ エルシニア・エンテロコリチカは4℃でも発育可能な低温耐性菌


第109回 問20(必須問題)

ホルムアルデヒドや有機酸の殺菌・静菌作用によって食品の保存性を高める方法はどれか。1つ選べ。

  1. 乾燥
  2. 塩蔵
  3. くん煙
  4. 冷蔵
  5. 糖漬
解答と解説を見る

正答:3

3✅ **くん煙(薫製)**は木材の不完全燃焼による煙に食品をさらす方法。煙の成分(ホルムアルデヒド・有機酸・フェノール類)が殺菌・静菌作用を示し保存性を高める

1❌ 乾燥は水分活性(Aw)低下による微生物増殖抑制

2❌ 塩蔵は浸透圧上昇・Aw低下

4❌ 冷蔵は低温による微生物増殖抑制(殺菌ではない)

5❌ 糖漬は浸透圧上昇・Aw低下


第108回 問18(必須問題)

食品の水分活性を表す式として正しいのはどれか。1つ選べ。 (P:食品を入れて密封した容器内の水蒸気圧、P₀:その温度における純水の飽和蒸気圧)

  1. P-P₀
  2. P₀-P
  3. P₀/P
  4. P/P₀
  5. P/(P+P₀)
解答と解説を見る

正答:4

4✅ 水分活性 Aw = P/P₀(食品の水蒸気圧 ÷ 純水の飽和蒸気圧)。純水は Aw = 1.0。食品の水分量が少ないほど Aw は低くなり、微生物が増殖しにくくなる


第108回 問20(必須問題)

耐熱性芽胞を形成する偏性嫌気性細菌で、大型の深鍋で調理したカレーやシチューによる食中毒の原因となるのはどれか。1つ選べ。

  1. 黄色ブドウ球菌
  2. カンピロバクター・ジェジュニ/コリ
  3. サルモネラ属菌
  4. 腸炎ビブリオ
  5. ウェルシュ菌
解答と解説を見る

正答:5

5✅ ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は偏性嫌気性・耐熱性芽胞形成菌。大量調理したカレー・シチュー・煮物で加熱後も芽胞が生残し、嫌気的な深鍋の底で増殖→エンテロトキシン産生→給食施設での集団食中毒の原因

1❌ 黄色ブドウ球菌は通性嫌気性(偏性嫌気性でない)

2❌ カンピロバクターは偏性微好気性

3❌ サルモネラは通性嫌気性・芽胞非形成

4❌ 腸炎ビブリオは通性嫌気性・好塩菌


第108回 問127(理論問題)

不飽和脂肪酸を含む油脂において、自動酸化の進行に伴い測定値が減少し続ける試験法の反応式はどれか。1つ選べ。

  1. ケン化反応
  2. 過酸化物価反応
  3. ヨウ素価反応
  4. カルボニル価反応
  5. TBA反応
解答と解説を見る

正答:3

3✅ ヨウ素価(IV)は油脂の不飽和度を測定する指標。酸化が進むと不飽和結合(C=C)が消費されてI₂が付加できなくなるため、ヨウ素価は減少し続ける

2❌ 過酸化物価(POV)は酸化初期に増加後、過酸化物が分解されて後期に減少するため「減少し続ける」ではない


第108回 問129(理論問題)

食品中の発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. サイカシンは、β-グルクロニダーゼにより加水分解されて発がん作用を示す
  2. アフラトキシンB₁は、シトクロムP₄₅₀によりエポキシ化されて発がん作用を示す
  3. Trp-P-1は、高温での加熱調理により食品中の核酸から生成する
  4. ベンゾ[a]ピレンは、高温での加熱調理により食品中のアミノ酸から生成する
  5. ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する
解答と解説を見る

正答:2・5

2✅ アフラトキシンB₁→CYPにより8,9-エポキシ化→DNA付加体→肝がん

5✅ ジメチルニトロソアミン酸性下で亜硝酸(亜硝酸塩)+ジメチルアミン→ニトロソ化反応→発がん性(胃がんリスク)

1❌ サイカシンはβ-グルコシダーゼで加水分解(β-グルクロニダーゼではない)

3❌ Trp-P-1(ヘテロサイクリックアミン)は高温調理で**アミノ酸(トリプトファン)**から生成(核酸からではない)

4❌ ベンゾ[a]ピレン(PAH)は脂質・有機物の不完全燃焼で生成(アミノ酸からではない)


第107回 問20(必須問題)

食品の腐敗を防ぐ方法として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. くん煙
  2. 冷凍保存
  3. 加湿
  4. 加熱
  5. 保存料の添加
解答と解説を見る

正答:3

3❌(誤り)加湿は水分活性(Aw)を上昇させ、微生物が増殖しやすくなるため腐敗を促進する。腐敗防止には水分活性を下げる必要がある

1✅ くん煙:フェノール類・有機酸の殺菌作用+乾燥効果

2✅ 冷凍保存:-18℃以下で微生物の増殖を停止

4✅ 加熱:殺菌処理

5✅ 保存料の添加:ソルビン酸・安息香酸などが微生物増殖を抑制


第107回 問129(理論問題)

食品成分の変化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. メイラード反応とは、還元糖とアミノ酸が酵素的に反応しシッフ塩基を形成する反応である
  2. チラミンは、アミノ酸脱炭酸酵素によりチロシンから生成され血圧上昇作用を示す
  3. 魚の腐敗臭の原因トリメチルアミンは、トリメチルアミンN-オキシドが酸化されて生じる
  4. トリプトファンは、脱アミノ・脱炭酸反応によって硫化水素を生じる
  5. 糖質が微生物により分解されてアルコールや有機酸などが生成することを発酵という
解答と解説を見る

正答:2・5

2✅ チラミン:チロシン→(脱炭酸酵素)→チラミン。チーズ・赤ワインに多く含まれ血圧上昇。MAO阻害薬服用中はチーズ効果(チラミン蓄積→高血圧クリーゼ)に注意

5✅ 発酵:微生物が糖質を分解→アルコール・有機酸などの有用物質を生成する反応

1❌ メイラード反応は非酵素的褐変反応(加熱や保存中に自然発生)

3❌ トリメチルアミンはTMAOが還元されて生じる(酸化ではない)

4❌ 硫化水素は**システイン(含硫アミノ酸)**から生成。トリプトファンからはインドール・スカトール

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