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💉 薬理

国試頻出!緑内障治療薬の作用機序まとめ|ブリモニジン・ラタノプロスト・チモロールを完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月14日
📖 この記事でわかること
  • 緑内障の2分類(開放隅角・閉塞隅角)と治療薬の使い分けがわかる
  • プロスタグランジン関連薬(ラタノプロスト・FP受容体)の機序が覚えられる
  • ブリモニジン(α₂受容体刺激)など各作用機序の点眼薬が整理できる
  • 加齢黄斑変性の抗VEGF薬(ラニビズマブ・アフリベルセプト等)の違いがわかる
  • 第108回国試の過去問で実戦練習できる
目次
  1. 1.眼圧と緑内障の基礎
  2. 2.プロスタグランジン関連薬(第1選択薬)
  3. 3.β遮断薬(房水産生抑制)
  4. 4.α₂受容体作動薬:ブリモニジン
  5. 5.炭酸脱水酵素阻害薬
  6. 6.Rhoキナーゼ阻害薬:リパスジル
  7. 7.閉塞隅角緑内障の急性発作治療:ピロカルピン
  8. 8.加齢黄斑変性(AMD)の抗VEGF薬
  9. 9.国試頻出まとめ
  10. 10.国試過去問チェック

👁️ 眼圧と緑内障の基礎

眼圧 = 房水産生量 ÷ 房水流出量

房水は毛様体で産生され、2つの経路で排出される

【主経路】線維柱帯 → シュレム管 → 排出(約90%)
【副経路】ぶどう膜強膜路 → 排出(約10%)

緑内障 = 眼圧↑ → 視神経障害 → 視野欠損

━━━ 治療の方向 ━━━
房水産生↓  → β遮断薬・α₂作動薬・炭酸脱水酵素阻害薬
主経路流出↑ → Rhoキナーゼ阻害薬・ピロカルピン(縮瞳薬)
副経路流出↑ → PG関連薬・α₂作動薬(ブリモニジン)
特徴 注意点
開放隅角緑内障 隅角は開いているが流出抵抗↑ 最も多い。自覚症状が出にくい
閉塞隅角緑内障 虹彩が隅角を塞いで房水流出↓ 急性発作:激しい眼痛・嘔吐

プロスタグランジン関連薬(第1選択薬)

プロスタグランジンF₂α誘導体(プロドラッグ)
  ↓ 角膜内で加水分解・活性化
活性型PGF₂α
  ↓
毛様体・強膜のプロスタノイドFP受容体を刺激
  ↓
細胞外マトリックスのリモデリング
  ↓
ぶどう膜強膜路(副経路)からの房水流出↑
  ↓
眼圧↓
薬物 特徴
ラタノプロスト 最も広く使われるPG関連薬。1日1回夜点眼
タフルプロスト ラタノプロストより眼圧下降効果強い
ビマトプロスト まつ毛美容効果(副作用として色素沈着)

副作用:虹彩・眼周囲の色素沈着、まつ毛の変化(伸長・増多) 片眼だけ使用した場合に左右差が出ることがある


β遮断薬(房水産生抑制)

毛様体上皮のβ₂受容体
  ↓ β遮断薬が遮断
Gs→アデニル酸シクラーゼ活性化↓ → cAMP↓
  ↓
Na⁺/K⁺-ATPase活性↓ → 房水産生↓
  ↓
眼圧↓
薬物 特徴
チモロール 非選択的β遮断。最も広く使われる
カルテオロール ISA(内因性交感神経刺激作用)あり → 徐脈が出にくい
ベタキソロール β₁選択的。喘息患者への相対的安全性↑

禁忌:気管支喘息・COPD(β₂遮断→気管支収縮)・房室ブロック


α₂受容体作動薬:ブリモニジン

毛様体のα₂受容体を刺激
  ↓
Gi → アデニル酸シクラーゼ阻害 → cAMP↓
  ↓
【作用①】房水産生↓
【作用②】ぶどう膜強膜路からの房水流出↑
  ↓
二方向から眼圧↓

房水産生↓ + 副経路流出↑ の二重効果 2歳未満の乳幼児に禁忌(血液脳関門が未発達 → 全身性α₂刺激 → 呼吸抑制リスク) 全身への影響:心拍数低下・血圧低下の可能性


炭酸脱水酵素阻害薬

毛様体上皮の炭酸脱水酵素(CA)
CO₂ + H₂O → H₂CO₃ → H⁺ + HCO₃⁻

← ドルゾラミド・ブリンゾラミド・アセタゾラミドがCAを阻害

HCO₃⁻産生↓
  ↓
房水中へのイオン輸送↓ → 房水産生↓
  ↓
眼圧↓
薬物 特徴
ドルゾラミド 点眼薬
ブリンゾラミド 点眼薬
アセタゾラミド 全身投与(経口・注射)。利尿作用も有する

Rhoキナーゼ阻害薬:リパスジル

Rhoキナーゼ(ROCK)を阻害
  ↓
線維柱帯細胞のアクチン細胞骨格が弛緩
  ↓
線維柱帯・シュレム管の内皮細胞間隙が拡大
  ↓
主経路(シュレム管)からの房水流出↑
  ↓
眼圧↓

閉塞隅角緑内障の急性発作治療:ピロカルピン

閉塞隅角緑内障の病態

虹彩が隅角(線維柱帯の入口)を塞ぐ
  ↓
房水が流出できない
  ↓
眼圧急上昇 → 激しい眼痛・嘔吐・視力低下

【ピロカルピンの作用】
M₃受容体を刺激(コリン作動薬)
  ↓
瞳孔括約筋収縮 → 縮瞳
  ↓
虹彩が引き戻されて隅角が開大
  ↓
房水流出↑ → 眼圧↓(急性発作の治療)

β遮断薬・PG関連薬・α₂作動薬は閉塞隅角緑内障には禁忌または慎重投与 抗コリン薬・交感神経刺激薬は瞳孔散大→隅角閉塞悪化のため禁忌


加齢黄斑変性(AMD)の抗VEGF薬

【滲出型(湿性型)AMDの病態】

網膜下に脈絡膜新生血管が発生
  ↓
新生血管からVEGF(血管内皮増殖因子)が過剰産生
  ↓
さらなる新生血管形成・血管透過性亢進
  ↓
網膜浮腫・出血 → 視力低下

【抗VEGF薬の作用】
VEGFまたはVEGF受容体を阻害
  ↓
新生血管の形成抑制・血管透過性正常化
  ↓
網膜浮腫・出血の改善 → 視力維持

投与方法:硝子体内注射(直接目の中に注射)
薬物 種類 特徴
ラニビズマブ 抗VEGF-A抗体Fabフラグメント 月1回。標準治療
アフリベルセプト VEGFトラップ(VEGFR1+VEGFR2・Fc融合) VEGF-A・VEGF-B・PlGFを捕捉。2ヶ月1回(維持期)
ブロルシズマブ 抗VEGF-A単鎖抗体(scFv) 分子量が小さく組織浸透性↑。3ヶ月1回(維持期)
ファリシマブ 抗VEGF-A+抗Ang-2二重特異性抗体 VEGFとアンジオポエチン2を同時に阻害

薬物治療(抗VEGF薬)の対象は**滲出型(湿性型)**のみ 萎縮型(乾性型)には確立した薬物治療がない 喫煙はAMDの重要な危険因子


国試頻出まとめ

# ポイント
1 PG関連薬(ラタノプロスト等):プロスタノイドFP受容体刺激→ぶどう膜強膜路(副経路)流出↑→眼圧↓。第1選択薬。1日1回夜点眼
2 PG関連薬の副作用:虹彩・眼周囲の色素沈着・まつ毛の伸長・増多
3 β遮断薬(チモロール等):毛様体β₂受容体遮断→cAMP↓→房水産生↓。禁忌:気管支喘息・COPD
4 ブリモニジン(α₂作動薬):α₂刺激→cAMP↓→①**房水産生↓ぶどう膜強膜路流出↑**の二重効果。2歳未満禁忌
5 炭酸脱水酵素阻害薬(ドルゾラミド等):CA阻害→HCO₃⁻産生↓→房水産生↓。アセタゾラミドは全身投与
6 リパスジル(Rhoキナーゼ阻害薬):ROCK阻害→線維柱帯弛緩→シュレム管(主経路)流出↑→眼圧↓
7 ピロカルピン(M₃作動薬):縮瞳→隅角開大→主経路流出↑。閉塞隅角緑内障の急性発作治療に使用
8 閉塞隅角緑内障:散瞳を起こす薬(抗コリン薬・交感神経刺激薬)は禁忌(隅角閉塞悪化)
9 抗VEGF薬(ラニビズマブ等):滲出型(湿性型)AMDのみ適応。硝子体内注射。萎縮型には有効な薬物治療なし
10 ブリモニジン(α₂作動薬)とチモロール(β遮断薬)はどちらも房水産生↓だが受容体が異なる。FP受容体刺激はPG関連薬(混同しない!)

📝 国試過去問チェック

第108回 問40(必須問題)

緑内障治療薬ブリモニジンの作用機序はどれか。1つ選べ。

1. プロスタノイドEP₂受容体刺激
2. プロスタノイドFP受容体刺激
3. アドレナリンα₂受容体刺激
4. アセチルコリンM₃受容体刺激
5. Rhoキナーゼ阻害

解答と解説を見る

正解:3

3○ ブリモニジン=α₂受容体作動薬 → 房水産生↓+ぶどう膜強膜路流出↑ → 眼圧↓。
1✗ EP₂受容体刺激は緑内障の標準的な薬の機序ではない。
2✗ FP受容体刺激はラタノプロスト等のプロスタグランジン関連薬(第1選択薬)。
4✗ M₃受容体刺激はピロカルピン(縮瞳薬。閉塞隅角緑内障の急性発作に使用)。
5✗ Rhoキナーゼ阻害はリパスジル(シュレム管からの主経路流出↑)。


第108回 問191(一般問題)

加齢黄斑変性の病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 水晶体の混濁により、視機能が低下する
2. 喫煙は危険因子の1つである
3. 失明に至ることはまれである
4. 薬物治療の対象となるのは、萎縮型である
5. 薬物治療には、VEGF阻害薬が用いられる

解答と解説を見る

正解:2・5

2○ 喫煙はAMDの重要な危険因子(酸化ストレス→黄斑変性を促進)。
5○ 滲出型AMDにはラニビズマブ・アフリベルセプト等の抗VEGF薬(硝子体内注射)が使用される。
1✗ 水晶体の混濁は白内障の特徴。AMDは黄斑部(網膜の中央部)の障害。
3✗ 滲出型AMDは進行すると失明に至ることがある
4✗ 抗VEGF薬の対象は滲出型(湿性型)。萎縮型には確立した薬物治療がない。

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