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💉 薬理

国試頻出!ホルモン関連薬の作用機序まとめ|副腎皮質・性ホルモン・甲状腺・成長ホルモンを完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • ホルモン関連薬の分類(ホルモン補充・合成阻害・受容体作動/拮抗)がわかる
  • 副腎皮質・性ホルモン・下垂体関連薬の代表薬の特徴が覚えられる
  • GnRHアゴニスト(リュープロレリン)とGnRH拮抗薬(デガレリクス)の違いがわかる
  • 第107・108・111回国試の過去問で実戦練習できる
目次
  1. 1.ホルモン関連薬の全体像
  2. 2.副腎皮質ホルモン関連薬
  3. 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)製剤
  4. 副腎皮質ステロイド合成阻害薬
  5. 3.性ホルモン関連薬
  6. 男性ホルモン関連薬
  7. 女性ホルモン関連薬
  8. 4.下垂体ホルモン関連薬
  9. プロラクチン分泌抑制薬
  10. 成長ホルモン関連薬
  11. GnRH関連薬(前立腺がん・子宮内膜症)
  12. 5.橋本病と甲状腺機能低下症
  13. 6.国試頻出まとめ
  14. 7.国試過去問チェック

🧬 ホルモン関連薬の全体像

分類 目的
ホルモン補充(作動薬) 不足しているホルモンを補う インスリン・テリパラチド・リュープロレリン
ホルモン合成阻害薬 過剰なホルモン産生を抑える プロピルチオウラシル・フィナステリド
受容体拮抗薬 ホルモンの過剰作用をブロック スピロノラクトン・フルタミド

副腎皮質ホルモン関連薬

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)製剤

薬物 作用機序 特徴
テトラコサクチド 副腎皮質束状層のACTH受容体(MC2R)を刺激 → コルチゾール産生↑ クッシング症候群の診断(負荷試験)・炎症性疾患

副腎皮質ステロイド合成阻害薬


コルチゾール合成経路

コレステロール
  ↓ 各種酵素
11-デオキシコルチゾール
  ↓ 11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)← メチラポン・オシロドロスタットが阻害
コルチゾール

「11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)」
「3β-HSD(3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素)」ではない!
← 国試頻出の引っかけ

メチラポンが阻害するのは

薬物 阻害する酵素 適応
メチラポン **11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)**阻害 → コルチゾール合成↓ クッシング症候群の診断(メチラポンテスト)
オシロドロスタット **11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)**阻害 クッシング症候群
ミトタン 副腎皮質の細胞毒性 → コルチゾール↓ 副腎皮質がん

性ホルモン関連薬

男性ホルモン関連薬

テストステロン
  ↓ 5α還元酵素(Ⅱ型:前立腺・頭皮)← フィナステリドが阻害
  ↓ 5α還元酵素(Ⅰ型+Ⅱ型)     ← デュタステリドが阻害
ジヒドロテストステロン(DHT)↓
  ↓
前立腺の増殖↓ → 前立腺肥大症改善
頭皮への影響↓ → 男性型脱毛症改善

【フルタミドの作用】
アンドロゲン受容体を拮抗(抗アンドロゲン薬)
  ↓
DHTがアンドロゲン受容体に結合できない
  ↓
前立腺がん細胞の増殖↓
薬物 作用機序 適応
フィナステリド 5α還元酵素(Ⅱ型)阻害 → テストステロン→DHT変換↓ 男性型脱毛症・前立腺肥大症
デュタステリド 5α還元酵素(Ⅰ型+Ⅱ型)阻害 前立腺肥大症
フルタミド アンドロゲン受容体拮抗(抗アンドロゲン) 前立腺がん

女性ホルモン関連薬

【クロミフェンの作用機序】
視床下部のエストロゲン受容体を競合的に拮抗
  ↓
エストロゲンによるネガティブフィードバックを遮断
  ↓
GnRH分泌↑ → FSH/LH↑
  ↓
卵巣を刺激 → 排卵誘発
(無排卵性不妊の治療)

【レトロゾールの作用機序】
アロマターゼ(CYP19A1)を阻害
  ↓
アンドロゲン → エストロゲンへの変換↓
  ↓
エストロゲン合成↓
(乳がん・不妊治療)
薬物 作用機序 適応
クロミフェン エストロゲン受容体の競合的拮抗(視床下部)→ GnRH↑→FSH/LH↑→排卵誘発 無排卵性不妊
レトロゾール アロマターゼ阻害 → エストロゲン合成↓ 乳がん・不妊治療
タモキシフェン 乳腺でエストロゲン受容体を拮抗 乳がん(ホルモン受容体陽性)

🧠 下垂体ホルモン関連薬

プロラクチン分泌抑制薬


ドパミン(DA)は下垂体前葉からのプロラクチン分泌を
「抑制」する生理的調節因子

【カベルゴリン・ブロモクリプチンの作用】
下垂体前葉のドパミンD₂受容体を「刺激」
  ↓
ドパミンと同じ作用 → プロラクチン分泌抑制↓
  ↓
高プロラクチン血症・プロラクチノーマを治療

(遮断するとプロラクチンが増える)← 国試頻出の引っかけ

D₂受容体を「遮断」ではなく「刺激」する!

薬物 作用機序 特徴
カベルゴリン 下垂体前葉のドパミンD₂受容体を刺激 → プロラクチン分泌↓ 高プロラクチン血症・プロラクチノーマ
ブロモクリプチン D₂受容体刺激。パーキンソン病にも使用 高プロラクチン血症

成長ホルモン関連薬

薬物 作用機序 適応
ソマトロピン 成長ホルモン受容体刺激 GH分泌不全性低身長
オクトレオチド ソマトスタチン受容体刺激(持続型) → GH・インスリン・グルカゴン分泌↓ 先端巨大症・ホルモン産生腫瘍
ペグビソマント GH受容体拮抗(アンタゴニスト) 先端巨大症

GnRH関連薬(前立腺がん・子宮内膜症)


【GnRHアゴニスト(リュープロレリン・ゴセレリン)の機序】
GnRH受容体を持続的に刺激
  ↓
GnRH受容体がダウンレギュレーション(感受性↓)
  ↓
下垂体からのLH・FSH分泌↓
  ↓
精巣でのテストステロン産生↓
  ↓
前立腺がん増殖↓

(一過性にLH・テストステロンが上昇 → 症状悪化の可能性)

【GnRH受容体拮抗薬(デガレリクス)の機序】
GnRH受容体を直接遮断(競合的拮抗)
  ↓
LH・FSH分泌↓(即時)
  ↓
テストステロン↓
  ↓
前立腺がん増殖↓

投与初期(1〜2週間)はフレアアップ フレアアップなし(直接遮断のため)
→ 骨転移患者など、フレアアップが危険な場合に有利

薬物 種類 機序 特徴
リュープロレリン GnRHアゴニスト(持続投与) GnRH受容体ダウンレギュレーション→FSH/LH↓→テストステロン↓ 前立腺がん・子宮内膜症。初期フレアアップあり
ゴセレリン GnRHアゴニスト 同上 皮下埋込み。前立腺がん・乳がん
デガレリクス GnRH受容体拮抗薬 GnRH受容体を直接遮断→LH・FSH↓→テストステロン↓ 前立腺がん。フレアアップなし

🦋 橋本病と甲状腺機能低下症

橋本病は自己免疫性甲状腺炎(抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体)→ 甲状腺が慢性炎症 → 甲状腺機能低下症。女性に多い(男女比1:10)。

項目 バセドウ病(機能亢進) 橋本病(機能低下)
TSH ↓(TSH受容体抗体が刺激) (ネガティブフィードバック解除)
FT₄
体重 減少 増加(代謝低下)
脈拍 頻脈 徐脈
コレステロール 低下 上昇(LDL受容体↓)
特徴的症状 眼球突出・甲状腺腫大 浮腫・倦怠感・粘液水腫

治療:甲状腺機能低下症 → レボチロキシン(T₄製剤)を補充


国試頻出まとめ

# ポイント
1 テトラコサクチド:ACTH受容体(MC2R)刺激→コルチゾール↑。クッシング症候群の診断に使用
2 メチラポン:**11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)**阻害→コルチゾール↓(3β-HSD阻害ではない!)
3 フィナステリド:5α還元酵素Ⅱ型阻害→DHT↓。男性型脱毛症・前立腺肥大症
4 デュタステリド:5α還元酵素Ⅰ型+Ⅱ型阻害→DHT↓。前立腺肥大症
5 クロミフェン:視床下部エストロゲン受容体を拮抗→GnRH↑→FSH/LH↑→排卵誘発
6 カベルゴリン:下垂体D₂受容体を「刺激」→プロラクチン↓(「遮断」と混同しないこと!)
7 GnRHアゴニスト(リュープロレリン):持続刺激→受容体ダウンレギュレーション→FSH/LH↓。初期フレアアップあり
8 デガレリクス(GnRH拮抗薬):GnRH受容体を直接遮断→即時にLH/FSH↓。フレアアップなし
9 橋本病(甲状腺機能低下):TSH↑・FT₄↓・体重増加・徐脈・高コレステロール血症。治療:レボチロキシン
10 オクトレオチド:ソマトスタチン受容体刺激→GH・インスリン・グルカゴン分泌↓。先端巨大症に使用

📝 国試過去問チェック

第107回 問38(必須問題)

メチラポンによるコルチゾール産生抑制の機序はどれか。1つ選べ。

1. 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌抑制
2. ソマトスタチンの分泌亢進
3. 副腎皮質細胞壊死
4. 3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素の阻害
5. 11β-水酸化酵素の阻害

解答と解説を見る

正解:5

5○ メチラポンは11β-水酸化酵素(CYP11B1)を阻害してコルチゾール合成を抑制する。
1✗ ACTH抑制は糖質コルチコイドのネガティブフィードバックの結果であり、メチラポンの直接作用ではない。
4✗ 3β-HSD阻害はアミノグルテチミドの機序(メチラポンではない)。


第107回 問188(一般問題)

橋本病と診断された42歳女性の状態として考えられるのはどれか。2つ選べ。

1. 体重が著しく減少している
2. 頻脈が認められる
3. 高コレステロール血症が認められる
4. 血清TSH値が高い
5. 副甲状腺ホルモンの分泌が亢進している

解答と解説を見る

正解:3・4

3○ 甲状腺機能低下 → 代謝低下 → LDL受容体↓ → 高コレステロール血症。
4○ 甲状腺ホルモン(T₄)低下 → ネガティブフィードバック解除 → TSH高値。
1✗ 甲状腺機能低下では体重増加(代謝低下のため)。
2✗ 甲状腺機能低下では徐脈(頻脈はバセドウ病)。
5✗ 副甲状腺(カルシウム調節)は甲状腺とは別器官で橋本病では影響を受けない。


第108回 問39(必須問題)

デガレリクスの抗前立腺がん作用の機序はどれか。1つ選べ。

1. アンドロゲン受容体遮断
2. エストロゲン受容体刺激
3. GnRH受容体遮断
4. アロマターゼ阻害
5. 5α-還元酵素阻害

解答と解説を見る

正解:3

3○ デガレリクスはGnRH受容体を競合的に遮断(アンタゴニスト)→ 下垂体からのLH・FSH分泌↓ → 精巣でのテストステロン産生↓ → 前立腺がん細胞の増殖↓。
1✗ アンドロゲン受容体遮断はビカルタミド・エンザルタミド。
4✗ アロマターゼ阻害はレトロゾール(乳がん・不妊治療)。
5✗ 5α-還元酵素阻害はフィナステリド・デュタステリド(前立腺肥大症)。


第111回 問166(一般問題)

ホルモン関連薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. テトラコサクチドは、副腎皮質束状層のACTH受容体を刺激して、糖質コルチコイドの生成・分泌を促す。
2. オシロドロスタットは、ソマトスタチン受容体を刺激して、成長ホルモンや消化管ホルモンの分泌を持続的に抑制する。
3. カベルゴリンは、下垂体前葉のドパミンD₂受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。
4. フィナステリドは、5α-還元酵素を阻害して、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制する。
5. メチラポンは、3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素を阻害して、アルドステロン生成を抑制する。

解答と解説を見る

正解:1・4

1○ テトラコサクチド=ACTH製剤。ACTH受容体刺激 → コルチゾール産生↑。
4○ フィナステリド=5α還元酵素阻害 → DHT産生↓。
2✗ オシロドロスタットは11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)阻害薬(ソマトスタチン受容体刺激はオクトレオチド)。
3✗ カベルゴリンはD₂受容体を**「刺激」する(「遮断」ではない)。ドパミンがプロラクチン分泌を抑制するため、刺激することで分泌↓。
5✗ メチラポンは
11β-ヒドロキシラーゼ**を阻害(3β-HSDではない)。

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