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国試頻出!高血圧症治療薬の作用機序まとめ|ARB・Ca拮抗薬・利尿薬・ACE阻害薬を完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月14日
📖 この記事でわかること
  • 高血圧治療薬の第一選択薬4種類の作用機序が理解できる
  • ARB・ACE阻害薬・Ca拮抗薬・利尿薬の代表薬と副作用が覚えられる
  • シルニジピンのN型Ca²⁺チャネル遮断とクロニジンのα₂刺激(遮断でない!)が説明できる
  • 第108・111回国試の過去問で実戦練習できる
目次
  1. 1.高血圧症治療薬の4大グループ
  2. 2.Ca²⁺チャネル遮断薬(CCB)
  3. 3.ARB(アンジオテンシンII AT₁受容体遮断薬)
  4. 4.ACE阻害薬
  5. 5.利尿薬(サイアザイド系)
  6. 6.その他の降圧薬
  7. 7.国試頻出まとめ
  8. 8.国試過去問チェック

高血圧症治療薬の4大グループ

グループ 代表薬 キーワード
Ca²⁺チャネル遮断薬(CCB) アムロジピン・シルニジピン L型/N型Ca²⁺チャネル遮断
ARB(AT₁受容体遮断薬) アジルサルタン・カンデサルタン AT₁受容体遮断→血管収縮↓
ACE阻害薬 イミダプリル・エナラプリル ACE阻害→アンジオテンシンI→II変換阻害
利尿薬(サイアザイド系) ヒドロクロロチアジド Na⁺-Cl⁻共輸送体阻害→Na⁺排泄↑

Ca²⁺チャネル遮断薬(CCB)

電位依存性Ca²⁺チャネルを遮断
  ↓
血管平滑筋・心筋へのCa²⁺流入↓
  ↓
血管拡張 → 血圧↓

【シルニジピンの特徴】
L型Ca²⁺チャネル遮断(血管拡張)
+
N型Ca²⁺チャネル遮断(交感神経末端)
  ↓
交感神経末端からのノルアドレナリン(NE)遊離↓
  ↓
反射性頻脈が少ない ⭐
薬物 標的チャネル 特徴
アムロジピン L型 最も使われるCCB。副作用:浮腫・頻脈
シルニジピン L型+N型 N型遮断→交感神経末端からのNE放出↓→反射性頻脈が少ない
ベラパミル L型(心臓選択性) 心拍数↓。上室性頻拍にも使用。心不全注意
ジルチアゼム L型 心臓・血管両方。狭心症にも使用

ARB(アンジオテンシンII AT₁受容体遮断薬)

【RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)】
レニン → アンジオテンシノーゲン → アンジオテンシンI
  ↓ ACE(アンジオテンシン変換酵素)
アンジオテンシンII
  ↓
AT₁受容体に結合
  ↓
血管収縮↑ + アルドステロン分泌↑(Na⁺・水貯留)

【ARBの作用】
AT₁受容体をブロック
  ↓
血管収縮↓ + アルドステロン分泌↓
  ↓
血圧↓ + 体液量↓
薬物 特徴
アジルサルタン 最強クラスのARB
カンデサルタン 心不全・慢性腎臓病に適応
テルミサルタン PPARγ部分作動→インスリン抵抗性改善
ロサルタン 最初のARB。尿酸排泄促進効果あり

ARBの副作用:空咳が出ない(ACE阻害薬との大きな違い)


ACE阻害薬

【ACE阻害薬の2つの作用経路】

① アンジオテンシンII産生↓
ACE(キニナーゼII)を阻害
  ↓
アンジオテンシンI → アンジオテンシンIIへの変換↓
  ↓
AT₁受容体刺激↓ → 血管収縮↓ → 血圧↓

② ブラジキニン分解↓
ACEはブラジキニンも分解する(キニナーゼII)
  ↓ ACE阻害薬でブロック
ブラジキニンが蓄積
  ↓
血管拡張(作用を強める)
+ 空咳(副作用:気管支刺激)
薬物 特徴
イミダプリル プロドラッグ。慢性腎臓病・糖尿病性腎症に有効
エナラプリル プロドラッグ
カプトプリル 活性体。初のACE阻害薬

副作用:空咳(ブラジキニン蓄積が原因)。妊婦禁忌


💧 利尿薬(サイアザイド系)

遠位尿細管の Na⁺-Cl⁻ 共輸送体を阻害
(Na⁺-K⁺-2Cl⁻ 共輸送体ではない!→ それはループ利尿薬)
  ↓
Na⁺・Cl⁻の再吸収↓
  ↓
循環血液量↓
  ↓
血圧↓
薬物 特徴
ヒドロクロロチアジド 標準的なサイアザイド系
インダパミド サイアザイド系類似薬。血管拡張作用も持つ

注意点:低K⁺血症・高尿酸血症・高血糖の副作用


🔧 その他の降圧薬


【クロニジン】
延髄の血管運動中枢の α₂ 受容体を「刺激」
(遮断ではない!国試頻出の引っかけ)
  ↓
交感神経出力↓
  ↓
末梢血管抵抗↓ → 血圧↓


【トルバプタン】
バソプレシンV₂受容体を拮抗
  ↓
集合管での水チャネル(アクアポリン)発現↓
  ↓
水の再吸収↓
  ↓
水だけを排泄(アクアレシス)
(電解質は排泄しない)

急な中止 → リバウンド高血圧に注意

薬物 作用機序 特徴
クロニジン 延髄α₂受容体刺激→交感神経出力↓ 急な中止でリバウンド高血圧
アリスキレン レニン直接阻害 RAS系の最上流を阻害
エプレレノン アルドステロン受容体(MR)選択的遮断 スピロノラクトンより女性化乳房が少ない
ドキサゾシン α₁遮断 前立腺肥大を合併した高血圧
カルベジロール α₁+β遮断 心不全合併高血圧
トルバプタン V₂受容体拮抗→水利尿(アクアレシス) 禁忌:高ナトリウム血症

国試頻出まとめ

# ポイント
1 CCB(Ca拮抗薬):L型Ca²⁺チャネル遮断→血管拡張。アムロジピンが代表
2 シルニジピン:L型+N型Ca²⁺チャネル遮断→交感神経末端のNE遊離↓→反射性頻脈が少ない
3 ARB(アジルサルタン等):AT₁受容体遮断→血管収縮↓・アルドステロン↓。空咳なし
4 ACE阻害薬(イミダプリル等):ACE阻害→アンジオテンシンII↓+ブラジキニン蓄積→空咳あり。妊婦禁忌
5 サイアザイド系利尿薬:遠位尿細管のNa⁺-Cl⁻共輸送体阻害(Na⁺-K⁺-2Cl⁻はループ利尿薬!)
6 クロニジン:延髄α₂受容体を「遮断」ではなく「刺激」→交感神経出力↓。急中止でリバウンド高血圧
7 アリスキレンレニン直接阻害(RAS系の最上流)。ACE阻害薬・ARBとは別の部位
8 トルバプタン:V₂受容体拮抗→水だけ排泄(アクアレシス)。禁忌:高ナトリウム血症
9 ACE=キニナーゼII。ACE阻害薬はブラジキニン分解も阻害→蓄積→空咳の原因
10 麦角系α₁遮断薬(ドキサゾシン):前立腺肥大合併高血圧に有効(α₁遮断で尿道弛緩も)

📝 国試過去問チェック

第111回 問162(一般問題)

高血圧症治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. アジルサルタンは、アンジオテンシンIIのAT₁受容体を遮断して、血管収縮及びアルドステロン分泌を抑制する。
2. シルニジピンは、電位依存性N型Ca²⁺チャネルを遮断して、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制する。
3. ヒドロクロロチアジドは、Na⁺-K⁺-2Cl⁻共輸送体を阻害して、遠位尿細管におけるNa⁺の再吸収を抑制する。
4. ウラピジルは、アドレナリンα₁受容体を遮断して、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制する。
5. イミダプリルは、レニンを阻害して、アンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIへの変換を抑制する。

解答と解説を見る

正解:1・2

1○ アジルサルタン=ARB。AT₁受容体遮断→血管収縮↓・アルドステロン↓。
2○ シルニジピン=L型+N型CCB。N型遮断で交感神経末端のNE放出↓。
3✗ ヒドロクロロチアジドはNa⁺-Cl⁻共輸送体を阻害(Na⁺-K⁺-2Cl⁻共輸送体はループ利尿薬)。
4✗ ウラピジルはα₁遮断で血管を拡張させる(NE遊離抑制ではない)。
5✗ イミダプリルはACE阻害薬(レニン阻害はアリスキレン)。


第108回 問158(一般問題)

高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する
2. アテノロールは、アドレナリンβ₁受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリンα₁受容体遮断により血管収縮を抑制する
3. シルニジピンは、電位依存性N型Ca²⁺チャネルを遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する
4. リシノプリルは、キニナーゼIIを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する
5. クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリンα₂受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する

解答と解説を見る

正解:1・3

1○ アリスキレンは直接レニン阻害薬→アンジオテンシンI産生↓。
3○ シルニジピンはL型+N型Ca²⁺チャネル遮断→交感神経末端からのNE放出↓。
2✗ アテノロールはβ₁選択的遮断薬。α₁受容体には作用しない(α₁+β両方を遮断するのはカルベジロール)。
4✗ リシノプリル(ACE阻害薬)はキニナーゼII(=ACE)を阻害→ブラジキニンが分解されなくなる(蓄積↑→空咳の原因)。
5✗ クロニジンはα₂受容体を「遮断」ではなく**「刺激」**することで交感神経活動を抑制する。

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