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🧬 生物

国試頻出!免疫学まとめ|リンパ器官・抗体・補体・サイトカインを完全整理

📅 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • 一次・二次リンパ器官の違いと各リンパ球の成熟場所を説明できる
  • 抗体クラス(IgG・IgA・IgM・IgE)の特徴とIgGの構造を説明できる
  • 補体系3経路・アナフィラトキシン・MACの役割を説明できる
  • 主要サイトカイン(IL-1・IL-6・TNF-α・IFN-γ等)の産生細胞と作用を説明できる
  • MHCクラスI・IIの発現細胞・提示抗原・認識するT細胞を区別できる
目次
  1. 1.リンパ器官の分類
  2. 2.自然免疫と獲得免疫
  3. 3.抗体(免疫グロブリン)
  4. IgGの構造とSDS-PAGE
  5. 4.補体系
  6. 5.サイトカイン
  7. 6.MHCと抗原提示
  8. 抗体クラススイッチ
  9. 7.国試頻出まとめ
  10. 8.国試過去問チェック

🏥 リンパ器官の分類

分類 臓器 役割
一次(中枢)リンパ器官 胸腺・骨髄 リンパ球が成熟・分化する場所
二次(末梢)リンパ器官 脾臓・リンパ節・扁桃・パイエル板 抗原提示・免疫反応が起こる場所
リンパ球 成熟場所
T細胞 骨髄で産生 → **胸腺(Thymus)**で成熟・選択
B細胞 **骨髄(Bone marrow)**で産生・成熟
NK細胞 骨髄で産生・成熟

一次リンパ器官 = 胸腺・骨髄(脾臓・リンパ節・扁桃・パイエル板はすべて二次)
老化赤血球を除去するのは脾臓(肝臓ではない)
小腸パイエル板のM細胞が管腔内の抗原を取り込む→腸管免疫


🛡️ 自然免疫と獲得免疫

液性免疫 細胞性免疫
主役 B細胞→形質細胞→抗体 細胞傷害性T細胞(CTL)
対象 細胞外細菌・毒素 細胞内病原体・ウイルス感染細胞・がん細胞
関与Th Th2(IL-4・IL-5・IL-13) Th1(IFN-γ・IL-2)

PAMPs と TLR(自然免疫のセンサー):

PAMP 病原体 認識受容体
LPS(リポ多糖) グラム陰性菌 TLR4(CD14と複合体)
ペプチドグリカン グラム陽性菌 TLR2
二本鎖RNA(dsRNA) ウイルス TLR3

⚠️ グラム陰性菌特有の構造 = LPS(エンドトキシン)→ TLR4 が認識


💉 抗体(免疫グロブリン)

クラス 特徴
IgG 最も多い。胎盤通過(FcRn経由)。二次免疫応答の主役
IgA 分泌型(sIgA)。唾液・涙・母乳・腸液。粘膜免疫の主役
IgM 一次免疫応答で最初に産生。5量体。補体活性化(古典経路)
IgE アレルギー・寄生虫感染。肥満細胞・好塩基球のFcεRIに結合

胎盤を通過するのはIgGのみ(FcRnを介した能動輸送)
母乳で移行するのはIgA(sIgA)

IgGの構造とSDS-PAGE

構成要素 分子量 本数
重鎖(H鎖) 50 kDa 2本
軽鎖(L鎖) 25 kDa 2本
IgG全体 150 kDa 1分子
SDS-PAGE条件 結果
2-ME(2-メルカプトエタノール)あり 2本バンド(H鎖50 kDa + L鎖25 kDa)
2-MEなし 1本バンド(150 kDa)
領域 機能
VH/VL(可変領域) 抗原結合部位(クローン特異的)
CH2 N結合型糖鎖修飾・補体C1q結合
CH2/CH3(Fc領域) FcγR(マクロファージ・NK細胞)に結合→オプソニン化・ADCC
CH3 FcRn結合(胎盤移行・半減期延長)

⚠️ 2-MEはジスルフィド(S-S)結合を還元切断する試薬
⚠️ H鎖50 kDa・L鎖25 kDa(100 kDa・50 kDaは誤り)


🔗 補体系

経路 活性化物質 特徴
古典経路 抗原抗体複合体(IgG・IgM) 獲得免疫と連動
レクチン経路 病原体表面のマンノース 自然免疫のみで活性化
副経路(第二経路) 細菌・真菌表面 常時低レベルで活性化

補体の主な作用:

産物 作用
C3b オプソニン化→貪食促進
C3a・C5a アナフィラトキシン→肥満細胞脱顆粒・血管透過性↑
C5b-9(MAC) 膜侵襲複合体→標的細胞の溶解

⚠️ アナフィラトキシン = C3a・C5a(ヒスタミンはアナフィラトキシンではない)
⚠️ C3b・C5bはMAC形成成分(アナフィラトキシンではない)


🧪 サイトカイン

サイトカイン 産生細胞 主な作用
IL-1 マクロファージ 発熱・炎症促進(内因性発熱物質)
IL-2 Th1細胞 T細胞増殖・活性化
IL-4 Th2細胞 B細胞活性化・IgEクラススイッチ
IL-6 マクロファージ 急性期タンパク(CRP)産生誘導・B細胞分化
TNF-α マクロファージ 炎症促進・発熱・接着分子誘導→好中球動員
IFN-γ Th1・NK細胞 マクロファージ活性化・MHC-II発現誘導

⚠️ ケモカインはタンパク質(アラキドン酸カスケードのCOX産物ではない)
⚠️ ブラジキニンはCRP産生を「増加」させる(減少は誤り)


🔬 MHCと抗原提示

MHCクラスI MHCクラスII
発現細胞 すべての有核細胞 抗原提示細胞(APC)のみ
提示する抗原 細胞内由来(ウイルス・腫瘍) 細胞外由来(細菌・外来タンパク)
認識するT細胞 CD8⁺ 細胞傷害性T細胞(CTL) CD4⁺ ヘルパーT細胞

MHCクラスI・II両方で抗原提示できる = 樹状細胞(クロスプレゼンテーション)
⚠️ リンパ節ではT細胞が樹状細胞から抗原提示を「受ける」(提示する側ではない)

抗体クラススイッチ

項目 内容
変化する領域 重鎖(H鎖)定常領域
変化しない領域 可変領域(V-D-J:抗原特異性は維持)
機構 定常領域遺伝子の組換え(CSR)
例外 IgMとIgDの同時発現のみ選択的スプライシング

⚠️ 「すべてのクラススイッチ = 選択的スプライシング」は誤り!
IgM/IgD以外はCSR(遺伝子組換え)による。


📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 一次リンパ器官 胸腺・骨髄(脾臓・リンパ節は二次)
2 胎盤通過する抗体 IgGのみ(FcRn経由)。母乳はIgA
3 IgMの特徴 一次免疫応答で最初に産生・5量体
4 SDS-PAGE(2-MEあり) H鎖50 kDa + L鎖25 kDa の2本バンド
5 アナフィラトキシン C3a・C5a(C3b・C5bはMAC成分)
6 LPS の認識受容体 TLR4(グラム陰性菌のPAMP)
7 TNF-αの作用 接着分子誘導→好中球動員
8 MHCクラスI すべての有核細胞に発現。CD8⁺T細胞が認識
9 老化赤血球の除去 脾臓(肝臓ではない)

📝 国試過去問チェック

第107回薬剤師国家試験 問117(一般)

ヒトの免疫系の組織と細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 骨髄では、造血幹細胞が分裂している。

2. 胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。

3. リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。

4. 肝臓では、老化した赤血球が除去される。

5. 小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。

解答と解説を見る

正解:1、5

1○ 骨髄には造血幹細胞が存在し、継続的に分裂して血液細胞(赤血球・白血球・血小板)を産生する。正しい。

5○ パイエル板は小腸の粘膜固有層にある二次リンパ器官。上皮層のM細胞が管腔内の抗原(細菌・ウイルス・食物抗原)を取り込み、下層の免疫細胞に届けて腸管免疫応答を開始する。正しい。

2✗ 胸腺ではT細胞が正の選択(MHC認識能の確認)と負の選択(自己反応性の排除)を受ける。B細胞の成熟・選択が行われるのは骨髄。形質細胞への分化は二次リンパ器官(脾臓・リンパ節)で起こる。

3✗ リンパ節では、T細胞が樹状細胞から抗原提示を「受ける」側。T細胞が樹状細胞に対して抗原提示をするのではない(提示するのは樹状細胞)。

4✗ 老化した赤血球を除去するのは脾臓の赤脾髄。肝臓でもヘモグロビン由来のビリルビン代謝は行われるが、赤血球の除去(破壊)は脾臓が主体。


第109回薬剤師国家試験 問118(一般)

炎症に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 炎症局所における発赤は、赤血球が血管外に浸潤することで起こる。

2. C3bとC5bは、アナフィラトキシンとしてマスト細胞を活性化する。

3. P-セレクチンは血管内皮細胞に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。

4. Toll様受容体(TLR)は、主に炎症後期における線維芽細胞の活性化に関わる。

5. 炎症時には、肝臓でCRPの産生が亢進する。

解答と解説を見る

正解:3、5

3○ P-セレクチンは炎症刺激(ヒスタミン・トロンビン)により血管内皮細胞表面に速やかに発現し、白血球(好中球・単球)のローリングを介して炎症部位への動員に関わる。正しい。

5○ 炎症・感染時にマクロファージからIL-6・IL-1が産生され、肝臓に作用してCRP(C反応性タンパク)の合成が亢進する。CRPは急性期タンパクの代表で炎症の重要な検査マーカー。正しい。

1✗ 発赤は炎症性血管拡張による**血流増加(充血)**で起こる。赤血球が血管外に浸潤しているのではない(浸潤するのは白血球)。

2✗ アナフィラトキシンはC3aとC5a。C3bはオプソニン(貪食促進)、C5bはMAC(膜侵襲複合体)の形成に関わる成分で、アナフィラトキシンではない。

4✗ TLR(Toll様受容体)はマクロファージ・樹状細胞に発現し、病原体のPAMPs(LPS・ペプチドグリカン等)を認識して炎症初期の自然免疫応答を開始する。炎症後期の線維芽細胞活性化ではない。


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