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医療制度・医療法・薬価と国民医療費

📅 2026年5月20日🔄 更新: 2026年5月20日
📖 この記事でわかること
  • 医療法第1条の4第2項「理解を得る」がインフォームドコンセントの法的根拠と説明できる
  • 日本薬局方各条に「性状・品質規格」が記載され、用法・用量・副作用は添付文書と覚えられる
  • 特定生物由来製品の記録事項(患者氏名・住所・製品名・ロット番号・投与日)と記録不要な項目を答えられる
  • 薬価調査の対象取引(卸→医療機関・薬局)と患者への請求(薬価どおり)を区別できる
  • 国民医療費の財源構成(公費約38〜40%・保険料約50%)と傷病別最多(循環器)を覚えられる
目次
  1. 1.医療法の基本理念
  2. 2.日本薬局方(JP)各条の記載内容
  3. 3.特定生物由来製品の記録事項
  4. 4.薬価制度
  5. 薬価調査(市場実勢価格)
  6. 薬価基準制度
  7. 5.国民医療費
  8. 財源構成
  9. 診療種類別・傷病分類別
  10. 6.医療コミュニケーション用語
  11. 7.国試頻出まとめ
  12. 8.国試過去問チェック

医療法の基本理念

条文 内容
第1条の2第1項 医療は国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎とする
第1条の2第1項 医療は治療のみならず、疾病の予防・リハビリテーションを含む
第1条の2第2項 医療は医療を受ける者の意向を十分に尊重し効率的に提供される
第1条の4第2項 医療の担い手は適切な説明を行い、「理解を得る」よう努める(インフォームドコンセントの法的根拠)

⚠️ 医療法に明記されていないもの:「個人の利益よりも公共の利益を優先」→そのような規定は存在しない

日本薬局方(JP)各条の記載内容

記載あり 記載なし(→添付文書)
性状(外観・臭い・溶解性) 用法・用量
確認試験 効能・効果
純度試験 副作用
含量規格 相互作用
貯法

💡 「用法・用量・効能・副作用・相互作用」は添付文書。日本薬局方各条には「性状」「品質規格」が記載

特定生物由来製品の記録事項

特定生物由来製品(血液製剤等)を患者に投与した際、20年間の記録保管が義務(トレーサビリティの確保)。

記録が必要 記録不要
患者の氏名 ❌ 製品を購入した卸売販売業者の名称
患者の住所
製品の名称
製品の製造番号または製造記号(ロット番号)
投与した年月日

⚠️ 「卸売販売業者の名称」は記録事項ではない

薬価制度

薬価調査(市場実勢価格)

製造業者A → 製造販売業者B → 卸売販売業者C → 医療機関・薬局D → 患者E
取引 価格
C→D(卸→医療機関・薬局) 薬価より安い取引価格(調査対象)✅
D→E(保険薬局→患者) 薬価どおり(保険点数で計算)

💡 薬価調査の対象:卸→医療機関・薬局の納入価格。患者への請求は薬価どおり

薬価基準制度

算定方式 適用
類似薬効比較方式 原則(既存の類似薬と比較して算定)
原価計算方式 例外(類似薬がない場合のみ)
  • 承認されていても薬価基準に収載されていない医薬品が存在する
  • 有用性加算・市場性加算・小児加算などの加算制度あり

⚠️ 「新医薬品の薬価算定は原価計算方式が原則」は誤り→類似薬効比較方式が原則

国民医療費

財源構成

財源 割合
保険料(事業主+被保険者) 約50%
公費(国+地方) 約38〜40%
その他(患者負担等) 約11%

診療種類別・傷病分類別

区分 最多
診療種類別 医科診療医療費(約70%以上)
傷病分類別(医科診療) 循環器系の疾患(次いで新生物〔がん〕)

⚠️ 2015〜2019年度の国民医療費は約44兆円(50兆円は超えていない)

医療コミュニケーション用語

用語 意味
ラポール(rapport) 互いに信頼感で結ばれた関係(患者-医療者の信頼関係)
エンパワメント 患者自身が意思決定・行動できる力をつけること
ナラティブ 患者の語り・物語を重視した医療
アドヒアランス 患者が治療に積極的に参加・遵守すること

国試頻出まとめ

# テーマ ポイント
1 医療法・理解を得る 第1条の4第2項→「理解を得るよう努める」がインフォームドコンセントの根拠
2 医療法に明記なし 「個人の利益よりも公共の利益を優先」→明記されていない
3 日本薬局方各条 「性状」「品質規格」が記載。用法・用量・副作用は添付文書
4 特定生物由来製品 患者の氏名・住所・製品名・ロット番号・投与日の記録義務(20年保存)。卸売業者名は不要
5 薬価調査対象 卸→医療機関・薬局の納入価格。患者への請求は薬価どおり
6 薬価算定の原則 類似薬効比較方式が原則(原価計算方式は例外)
7 国民医療費・公費 約38〜40%。保険料が約50%。2015〜2019年度は約44兆円
8 診療種類別最多 医科診療医療費(約70%以上)
9 傷病別最多 循環器系の疾患が最多
10 ラポール 互いに信頼感で結ばれた関係を示す言葉

国試過去問チェック

第111回 問74(必須)

医療法第1条の4第2項の空欄に入る語句として正しいのはどれか。1つ選べ。「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の□□よう努めなければならない。」

  1. 意見に従う 2. 意識を高める 3. 負担を少なくする 4. 不安を軽減する 5. 理解を得る
✅ 正解・解説を見る

正解:5

5○ 「理解を得る」→医療法第1条の4第2項。インフォームドコンセントの法的根拠


第111回 問75(必須)

日本薬局方の医薬品各条の中に記載されている項目はどれか。1つ選べ。

  1. 用法・用量 2. 効能・効果 3. 副作用 4. 性状 5. 相互作用
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正解:4

4○ 性状(外観・臭い・溶解性)→日本薬局方各条に記載
1✗・2✗・3✗・5✗ 用法・用量・効能・効果・副作用・相互作用→添付文書に記載


第111回 問76(必須)

医療機関において特定生物由来製品を患者に投与した際に、特定生物由来製品取扱医療関係者による記録が必要な項目に該当しないのはどれか。1つ選べ。

  1. 患者の氏名 2. 製品の名称 3. 製品の製造番号又は製造記号 4. 投与した年月日 5. 製品を購入した卸売販売業者の名称
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正解:5

5○(記録不要)製品を購入した卸売販売業者の名称→記録事項ではない
1✗〜4✗ 患者の氏名・製品名・ロット番号・投与日→すべて記録義務あり(トレーサビリティのため)


第111回 問78(必須)

薬価改定の基礎資料である市場実勢価格を調べるための調査の対象となる主たる取引はどれか。1つ選べ。(流通経路:製造業者A→製造販売業者B→卸売業者C→医療機関・薬局D→患者E)

  1. A→B 2. B→C 3. C→D 4. D→E 5. A→E
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正解:3

3○ C→D(卸売業者→医療機関・薬局間)→実際の納入価格を調査し薬価を適正化
4✗ D→E(保険薬局→患者)→薬価どおりで請求(調査対象ではない)


第111回 問79(必須)

近年(2018〜2021年度)の財源別国民医療費の公費(国+地方)として最も近いのはどれか。1つ選べ。

  1. 5% 2. 10% 3. 40% 4. 70% 5. 90%
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正解:3

3○ 公費(国+地方)は国民医療費の約38〜40%
保険料が約50%、患者負担等が約11%


第111回 問80(必須)

医療コミュニケーションにおいて求められる「互いに信頼感で結ばれている関係」を示す言葉はどれか。1つ選べ。

  1. レディネス 2. ラポール 3. エンパワメント 4. ナラティブ 5. コンプライアンス
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正解:2

2○ ラポール(rapport)→互いに信頼感で結ばれた関係(患者-医療者の信頼関係)
3✗ エンパワメント→患者自身が意思決定・行動できる力をつけること


第110回 問76(必須)

評価療養の対象となるのはどれか。1つ選べ。

  1. 出産に係る診療 2. 医薬品の治験に係る診療 3. 特別の療養環境(差額ベッド) 4. 予約診療 5. 紹介状なしでの特定機能病院の初診
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正解:2

2○ 医薬品の治験に係る診療→評価療養(将来の保険収載を前提とした先進的医療)
3✗・4✗・5✗ 差額ベッド・予約診療・紹介状なし初診→選定療養


第110回 問77(必須)

介護保険法において、第2号被保険者が要介護認定を受けられる特定疾病に該当するのはどれか。1つ選べ。

  1. 関節リウマチ 2. 結核 3. C型肝炎 4. 高血圧症 5. 脂質異常症
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正解:1

1○ 関節リウマチ→特定疾病16種類の一つ
2✗〜5✗ 結核・C型肝炎・高血圧症・脂質異常症→特定疾病に含まれない


第109回 問78(必須)

医療法において、医療提供施設として明記されているのはどれか。1つ選べ。

  1. 調剤を実施する薬局 2. 医薬品店舗販売業の許可を有する店舗 3. 医療を受ける者の居宅 4. 医療安全支援センター 5. 医療事故調査・支援センター
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正解:1

1○ 「調剤を実施する薬局」→医療法第1条の2第2項に医療提供施設として明記
2✗ 医薬品店舗販売業(調剤なし)→非該当


第109回 問79(必須)

介護保険の保険者に該当するのはどれか。1つ選べ。

  1. 国民健康保険組合 2. 健康保険組合 3. 地方厚生局 4. 都道府県 5. 市町村及び特別区
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正解:5

5○ 市町村及び特別区→介護保険の保険者
1✗ 国民健康保険組合→国民健康保険の保険者
2✗ 健康保険組合→健康保険の保険者


第108回 問73(必須)

以下のように法律で規定されているのはどれか。1つ選べ。「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」

  1. 保健師 2. 助産師 3. 看護師 4. 介護福祉士 5. 介護支援専門員
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正解:3

3○ 看護師→「傷病者・じょく婦への療養上の世話または診療の補助」が定義
1✗ 保健師→「保健指導」を業とする者
2✗ 助産師→「助産または妊婦・じょく婦・新生児の保健指導」を業とする者


第108回 問77(必須)

診療報酬の改定の内容に関する、厚生労働大臣の諮問先はどれか。1つ選べ。

  1. 医道審議会 2. 薬事・食品衛生審議会 3. 国民健康保険連合会 4. 中央社会保険医療協議会 5. 社会保険診療報酬支払基金
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正解:4

4○ 中央社会保険医療協議会(中医協)→診療報酬・調剤報酬改定の諮問先
1✗ 医道審議会→医師・薬剤師等の免許・行政処分
2✗ 薬事・食品衛生審議会→医薬品・医療機器の承認審査


第107回 問74(必須)

非加熱血液製剤の使用による薬害として問題になったのはどれか。1つ選べ。

  1. HIV感染症 2. C型肝炎 3. クロイツフェルト・ヤコブ病 4. 亜急性脊髄視神経症(SMON) 5. 催奇形性
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正解:1

1○ 非加熱血液製剤(血友病患者に使用)→HIV感染→薬害エイズ
3✗ クロイツフェルト・ヤコブ病→ヒト乾燥硬膜(薬害ヤコブ病)
4✗ SMON→キノホルム(整腸剤)


第107回 問77(必須)

医薬品を薬局が患者に提供するときの薬価どおりの価格による取引はどれか。1つ選べ。(流通:製造業A→製造販売業B→卸売業C→保険薬局D→患者E)

  1. A→B 2. B→C 3. C→D 4. C→E 5. D→E
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正解:5

5○ D→E(保険薬局→患者)→薬価どおりで請求(保険点数による計算)
3✗ C→D(卸→保険薬局)→薬価より安い納入価格(薬価差益が生じる)


第108回 問147(理論)

医療法に明記されていないのはどれか。1つ選べ。

  1. 医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎とする。
  2. 医療は、個人の利益よりも公共の利益を優先して行われなければならない。
  3. 医療は、治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む。
  4. 医療は、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、医療提供施設の機能に応じ効率的に提供されなければならない。
  5. 医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。
✅ 正解・解説を見る

正解:2

2○(明記されていない)「個人の利益よりも公共の利益を優先」→医療法に規定なし
1✗・3✗・4✗・5✗ いずれも医療法に明記されている


第107回 問148(理論)

医療法に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 診療所とは、医師が診察を行う施設で、20人以上の患者を入院させる施設をいう。
  2. 病院とは、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
  3. 地域医療支援病院の承認の要件に、救急医療を提供する能力を有することが含まれる。
  4. 特定機能病院の承認要件に、特定臨床研究の計画及び実施を行う能力を有することが含まれる。
  5. 臨床研究中核病院の承認要件に、高度の医療を提供する能力を有することが含まれる。
✅ 正解・解説を見る

正解:2・3

1✗ 20人以上の入院施設→病院の定義(診療所は19人以下または入院施設なし)
2○ 病院→20人以上の患者を入院させる施設(医療法第1条の5)
3○ 地域医療支援病院の要件→救急医療を提供する能力を有すること
4✗ 特定臨床研究→臨床研究中核病院の要件
5✗ 高度の医療提供能力→特定機能病院の要件

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