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国試頻出!微生物学まとめ|細菌・ウイルス・真菌・消毒滅菌を完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • グラム陽性菌・グラム陰性菌・非定型病原体の特徴と感染症を説明できる
  • 主要な細菌毒素(ボツリヌス・破傷風・コレラ等)の作用機序を区別できる
  • 消毒薬の種類と適応(ノロウイルス・芽胞菌対応)を正しく選択できる
  • ワクチンの種類(生・不活化・トキソイド)と代表疾患を列挙できる
  • 抗菌薬のリボソーム標的(30S・50S)と耐性機構を説明できる
目次
  1. 1.微生物の分類
  2. 2.グラム染色と細菌の構造
  3. 3.主要細菌
  4. グラム陽性菌
  5. グラム陰性菌
  6. 非定型病原体(β-ラクタム系無効)
  7. 4.細菌毒素
  8. 5.主要ウイルス
  9. RNAウイルス
  10. DNAウイルス
  11. 6.真菌
  12. 7.消毒・滅菌
  13. 8.ワクチンの種類
  14. 9.感染経路と母子感染
  15. 10.抗菌薬の作用点と耐性機構
  16. リボソームを標的とする抗菌薬
  17. 抗菌薬耐性機構
  18. 11.国試頻出まとめ
  19. 12.国試過去問チェック

🦠 微生物の分類

微生物 大きさ 細胞壁 代表例
細菌 1〜10 μm なし(原核生物) あり(ペプチドグリカン) 大腸菌・黄色ブドウ球菌
ウイルス 20〜300 nm なし なし インフルエンザ・HIV
真菌 数〜数十 μm あり(真核生物) あり(グルカン・キチン) カンジダ・アスペルギルス
原虫 10〜100 μm あり(真核生物) なし マラリア・トリコモナス

ウイルスは細胞構造を持たない → 抗菌薬は無効。抗ウイルス薬が必要。


グラム染色と細菌の構造

グラム陽性菌 グラム陰性菌
染色結果 紫〜青紫色 赤〜ピンク色
細胞壁 ペプチドグリカン層厚い ペプチドグリカン層薄い+外膜あり
外膜(LPS) なし あり(内毒素)

特殊な細菌の細胞壁構造:

菌種 特有の構造 ポイント
グラム陽性菌 タイコ酸・リポタイコ酸 PG層の細胞膜外側に存在
グラム陰性菌 外膜・LPS(エンドトキシン) 毒性は脂質Aによる
抗酸菌(結核菌) ミコール酸(長鎖脂肪酸) グラム染色されにくい
マイコプラズマ 細胞壁(PG)なし 細胞膜はある。β-ラクタム系無効
肺炎球菌 莢膜(多糖) 貪食回避→毒力因子

タイコ酸・リポタイコ酸はPG層の細胞膜「外側」!(内側は誤り)
ミコール酸は抗酸菌(結核菌)の特徴!(淋菌ではない)
マイコプラズマには細胞壁がないが細胞膜はある!(細胞膜もないは誤り)


🧫 主要細菌

グラム陽性菌

菌名 特徴・疾患
黄色ブドウ球菌 コアグラーゼ陽性。MRSA。食塩耐性(マンニット食塩寒天培地で増殖)。食中毒・肺炎
肺炎球菌 莢膜あり→貪食回避。市中肺炎の最多原因菌
ボツリヌス菌 芽胞形成・嫌気性。弛緩性麻痺。蜂蜜→乳児ボツリヌス症
破傷風菌 芽胞形成。痙性麻痺。トキソイドワクチン
ウエルシュ菌 芽胞形成・偏性嫌気性。ガス壊疽・食中毒(カレー・シチューなど大型鍋)
ディフィシル菌 芽胞形成あり。抗菌薬投与後に偽膜性大腸炎

グラム陰性菌

菌名 特徴・疾患
大腸菌(O157) ベロ毒素→HUS(溶血性尿毒症症候群)
カンピロバクター 鶏肉生食。食中毒の最多原因(近年)。ギラン・バレー症候群
ヘリコバクター・ピロリ ウレアーゼ陽性。胃潰瘍・胃がんの原因
コレラ菌 米のとぎ汁様便。コレラ毒素(cAMP↑)
緑膿菌 日和見感染。多剤耐性。ピオシアニン(青緑色色素)

非定型病原体(β-ラクタム系無効)

菌名 特徴 感染症 治療
マイコプラズマ 細胞壁なし 異型肺炎(若者・乾いた咳)飛沫感染 マクロライド・テトラサイクリン
クラミジア 偏性細胞内寄生 性器クラミジア感染症 テトラサイクリン・マクロライド
リケッチア 偏性細胞内寄生・節足動物媒介 ツツガムシ病(ダニ幼虫媒介) テトラサイクリン

☠️ 細菌毒素

毒素 産生菌 作用機序 症状
ボツリヌス毒素 ボツリヌス菌 SNARE切断→ACh放出阻害 弛緩性麻痺
破傷風毒素 破傷風菌 GABA・グリシン遊離阻害 痙性麻痺
コレラ毒素 コレラ菌 Gs蛋白活性化→cAMP↑→腸管分泌亢進 大量水様便
百日咳毒素 百日咳菌 Gi蛋白不活化→cAMP↑ 痙咳
TSST-1 黄色ブドウ球菌 スーパー抗原→T細胞多クローン活性化 毒素性ショック症候群
ベロ毒素 腸管出血性大腸菌(O157) 28S rRNA不活化→タンパク合成阻害 HUS

破傷風=痙性麻痺、ボツリヌス=弛緩性麻痺(逆!)
LPSの毒性は脂質Aによる(多糖部位ではない)
スーパー抗原はMHC IIとTCR Vβに架橋してT細胞を活性化(B細胞ではない)


主要ウイルス

RNAウイルス

ウイルス 特徴 疾患
インフルエンザ HA・NA。A型:不連続変異→パンデミック インフルエンザ
麻疹 コプリック斑。空気感染 麻疹(はしか)
風疹 先天性風疹症候群(白内障・難聴・心奇形)。飛沫感染 風疹
ノロウイルス ノンエンベロープ。アルコール消毒が効きにくい。二枚貝 食中毒・胃腸炎
HIV CD4陽性T細胞に感染。逆転写酵素(レトロウイルス)。AIDS:CD4<200/μL AIDS

DNAウイルス

ウイルス 特徴 疾患
B型肝炎ウイルス HBs抗原(感染指標)・HBs抗体(免疫の指標) B型肝炎
水痘・帯状疱疹ウイルス 初感染=水痘。再活性化=帯状疱疹。空気感染 水痘・帯状疱疹
HPV HPV16・18型→子宮頸がんの原因。ワクチンあり 子宮頸がん
EBウイルス B細胞に感染。伝染性単核球症 バーキットリンパ腫との関連
アデノウイルス 咽頭結膜熱(プール熱)。アルコール消毒無効 上気道炎

空気感染:結核・水痘・麻疹(3つを確実に覚える)


🍄 真菌

真核生物。細胞膜はエルゴステロール(ヒトはコレステロール)→抗真菌薬の選択毒性の根拠。

菌名 疾患 好発
カンジダ 口腔・食道・膣カンジダ症 抗菌薬長期使用後・免疫低下者
アスペルギルス 侵襲性肺アスペルギルス症 好中球減少患者
クリプトコッカス 髄膜炎。墨汁染色で検出 HIV感染者(CD4<100)
ニューモシスチス ニューモシスチス肺炎(PCP)。AIDS定義疾患 HIV感染者(CD4<200)
薬剤 作用点
アゾール系 エルゴステロール合成阻害(14α-脱メチル化酵素阻害)
アムホテリシンB エルゴステロールと結合→膜障害
キャンディン系 β-1,3-グルカン合成酵素阻害→細胞壁合成阻害

🧴 消毒・滅菌

方法 条件 特徴
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ) 121℃・15分 芽胞も死滅
乾熱滅菌 160〜180℃・1〜2時間 内毒素(LPS)の不活化に有効
EOGガス滅菌 低温(55℃以下) 熱に弱いプラスチック製品
消毒薬 ノロウイルス 芽胞菌 特徴
次亜塩素酸ナトリウム 有効 一部有効 ノロウイルス第一選択。有機物で失活
グルタラール 有効 有効 内視鏡の高水準消毒
エタノール(70〜80%) 無効 無効 ノンエンベロープウイルスに弱い
塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸) 無効 無効 芽胞・結核菌・ウイルスに無効

ノロウイルス→次亜塩素酸ナトリウム一択!アルコールは無効!


ワクチンの種類

ワクチン種別 疾患
生ワクチン BCG・麻疹・風疹・水痘・ムンプス・ロタウイルス
不活化ワクチン インフルエンザ・日本脳炎・A型肝炎・ポリオ(IPV)・百日咳
トキソイド 破傷風・ジフテリア
組換えタンパク B型肝炎・HPV

🌐 感染経路と母子感染

感染経路 代表的疾患
空気感染 結核・水痘・麻疹
飛沫感染 インフルエンザ・マイコプラズマ肺炎・風疹
接触感染 MRSA・ノロウイルス・疥癬
血液感染 B型・C型肝炎・HIV
疾患 病原体 感染経路
風しん ウイルス 経胎盤→先天性風疹症候群(難聴・白内障・心奇形)
トキソプラズマ症 原虫 経胎盤(猫の糞・生肉が感染源)
ATL(成人T細胞白血病) HTLV-1ウイルス 経母乳(主要経路)
淋菌感染症 細菌 経産道(新生児結膜炎)
カンジダ症 真菌 経産道

抗菌薬の作用点と耐性機構

リボソームを標的とする抗菌薬

リボソームサブユニット 薬剤
30S(小) アミノグリコシド系(ストレプトマイシン・カナマイシン)→翻訳誤読
30S(小) テトラサイクリン系→アミノアシルtRNA結合阻害
50S(大) マクロライド系・リンコマイシン系→ペプチド転移阻害
50S(大) クロラムフェニコール・リネゾリド→開始複合体形成阻害

抗菌薬耐性機構

耐性機構 具体例 対象薬
薬物不活化酵素 β-ラクタマーゼ ペニシリン・セファロスポリン
標的の変化 VanA(D-Ala-D-Ala→D-Ala-D-Lac)→バンコマイシン結合不可 バンコマイシン(VRE)
外膜透過性低下 ポーリンの減少 カルバペネム系・アミノグリコシド系
標的変異 RNAポリメラーゼβサブユニット変異 リファンピシン
薬物排出ポンプ Rプラスミドによる多剤排出トランスポーター 多剤耐性

ポーリン「減少」がカルバペネム耐性化を促す!(増加は誤り)
リファンピシン耐性 = RNAポリメラーゼ遺伝子変異(DNAポリメラーゼではない)


国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 グラム陽性菌の染色 紫〜青紫色(陰性菌は赤〜ピンク)
2 破傷風 vs ボツリヌス 破傷風=痙性麻痺、ボツリヌス=弛緩性麻痺
3 マイコプラズマ 細胞壁なし→β-ラクタム系無効。飛沫感染
4 ノロウイルス消毒 次亜塩素酸ナトリウム(アルコール・ベンザルコニウムは無効)
5 空気感染3つ 結核・水痘・麻疹
6 30Sリボソーム標的 アミノグリコシド系・テトラサイクリン系
7 バンコマイシン耐性(VRE) D-Ala-D-Ala → D-Ala-D-Lac に置換
8 タイコ酸・リポタイコ酸 PG層の細胞膜外側(内側は誤り)
9 ミコール酸 抗酸菌(結核菌)の特徴(淋菌ではない)

📝 国試過去問チェック

第107回薬剤師国家試験 問119(一般)

細菌の細胞表面構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. グラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の内側に存在する。

2. グラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側には内毒素であるリポ多糖を含む外膜が存在する。

3. 淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い脂質層が存在する。

4. マイコプラズマには、ペプチドグリカンや細胞膜が存在しない。

5. 肺炎球菌には、多糖を主成分とする莢膜が存在する。

解答と解説を見る

正解:2、5

2○ グラム陰性菌は内膜(細胞膜)→薄いペプチドグリカン層→外膜(LPS含む)の構造をもつ。外膜のLPS(リポ多糖)は内毒素(エンドトキシン)として機能する。正しい。

5○ 肺炎球菌は多糖を主成分とする莢膜をもち、貪食細胞による排除を回避する主要な病原因子。正しい。

1✗ タイコ酸・リポタイコ酸はペプチドグリカン層の細胞膜外側に存在する(内側は誤り)。グラム陽性菌の特徴的な細胞表面構造。

3✗ ミコール酸を多量に含む厚い脂質層をもつのは抗酸菌(結核菌)。淋菌(ナイセリア属)ではなく、グラム陰性菌であり外膜・LPSをもつ。

4✗ マイコプラズマには細胞壁(ペプチドグリカン)は存在しないが、細胞膜は存在する(細胞膜を完全に欠く生物はない)。細胞壁がないためβ-ラクタム系抗菌薬が無効。


第108回薬剤師国家試験 問118(一般)

細菌の抗菌薬耐性化には種々の遺伝子もしくはその産物が関わっている。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. グラム陰性菌の外膜にあるポーリンの増加は、カルバペネム系抗菌薬への耐性化を促す。

2. 腸球菌のバンコマイシン耐性遺伝子VanAの産物は、細胞壁のペプチドグリカン合成の代替経路で働き、グリコペプチド系抗菌薬の作用を回避する。

3. リファンピシン耐性菌では、DNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、耐性が獲得されている。

4. カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、抗菌薬をリン酸化する酵素として働き、RNAポリメラーゼへの結合を消失させるものがある。

5. Rプラスミドなどの伝達性因子を介して薬物排出タンパク質が過剰発現することは、多剤耐性化の一因となる。

解答と解説を見る

正解:2、5

2○ VanAはD-Ala-D-Ala末端をD-Ala-D-Lacに置換する代替経路で働く。これによりバンコマイシン(グリコペプチド系)が細胞壁前駆体に結合できなくなり耐性が生じる。正しい。

5○ Rプラスミドなど伝達性因子を介して薬物排出トランスポーターが過剰発現すると、複数の抗菌薬を菌体外に排出する多剤耐性が生じる。正しい。

1✗ ポーリン減少が耐性化を促す(増加は誤り)。ポーリンはグラム陰性菌外膜の水チャネルで、カルバペネム等の薬物透過経路。ポーリンが減少すると薬物が菌体内に入りにくくなる。

3✗ リファンピシン耐性は**RNAポリメラーゼ(β サブユニット)**遺伝子の変異による(DNAポリメラーゼではない)。リファンピシンはRNA合成を阻害する薬剤。

4✗ カナマイシン(アミノグリコシド系)の耐性酵素はアミノグリコシドをリン酸化・アセチル化・アデニリル化して修飾し、30Sリボソームへの結合を阻害する(RNAポリメラーゼではない)。


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