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国試頻出!片頭痛治療薬の作用機序まとめ|トリプタン・CGRP抗体・カルシウム拮抗薬を完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • 片頭痛の病態と治療薬の分類(急性期治療薬・予防薬)がわかる
  • トリプタン系・CGRP関連薬・カルシウム拮抗薬の作用機序が覚えられる
  • 閃輝暗点など片頭痛の特徴的な前兆がわかる
  • 第107・111回国試の過去問で実戦練習できる
目次
  1. 1.片頭痛の病態(三叉神経血管説)
  2. 2.急性期治療薬(発作時に使用)
  3. トリプタン系(5-HT₁B/₁D受容体作動薬)
  4. ラスミジタン(5-HT₁F受容体作動薬)
  5. アセトアミノフェン・NSAIDs
  6. 3.予防薬(毎日服用して発作を減らす)
  7. CGRP関連薬(抗体製剤)
  8. カルシウム拮抗薬
  9. その他の予防薬
  10. 4.片頭痛の前兆と鑑別
  11. 5.国試頻出まとめ
  12. 6.国試過去問チェック

🧠 片頭痛の病態(三叉神経血管説)

何らかの誘因(ストレス・ホルモン変動・睡眠不足・食事等)
  ↓
三叉神経の活性化
  ↓
三叉神経終末から CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)・サブスタンスP が放出
  ↓
脳血管(硬膜血管)の拡張
↓ + 神経原性炎症(血管周囲の炎症)
  ↓
拍動性・片側性の頭痛(4〜72時間持続)

【治療の2大戦略】
① 脳血管を収縮させる(トリプタン系・Ca²⁺拮抗薬)
② CGRP・炎症を抑える(CGRP関連薬・トリプタン)

急性期治療薬(発作時に使用)

トリプタン系(5-HT₁B/₁D受容体作動薬)

トリプタン系薬投与
  ↓
【5-HT₁B受容体刺激】        【5-HT₁D受容体刺激】
脳血管(硬膜血管)収縮        三叉神経末端からのCGRP・サブスタンスP放出↓
  ↓                            ↓
拡張した脳血管を元に戻す      神経原性炎症↓
  ↓
拍動性頭痛の改善
薬物 特徴
スマトリプタン 皮下注・経口・点鼻薬あり
エレトリプタン 脳移行性↑
ゾルミトリプタン 5-HT₁B/₁D両方を刺激。鼻スプレーあり
リザトリプタン 速効性
ナラトリプタン 作用時間が長い

禁忌:虚血性心疾患・脳血管障害(血管収縮作用のため)

ラスミジタン(5-HT₁F受容体作動薬)

ラスミジタン投与
  ↓
5-HT₁F受容体を選択的に刺激
  ↓
三叉神経終末からのCGRP放出↓ → 神経原性炎症↓
  ↓
血管収縮作用なし → 心血管疾患患者にも使用可能

トリプタン系との違い:血管収縮作用なし → 虚血性心疾患・脳血管障害患者にも使用可能

アセトアミノフェン・NSAIDs

軽〜中等度発作の第一選択。プロスタグランジン産生を抑制して痛覚閾値を上げる。


🛡️ 予防薬(毎日服用して発作を減らす)

CGRP関連薬(抗体製剤)

CGRP関連薬の作用の違い

【ガルカネズマブ・フレマネズマブ】
CGRP分子そのものに直接結合
  ↓
CGRPが受容体に結合できなくなる
  ↓
脳血管拡張・神経原性炎症を抑制

【エレヌマブ】
CGRP受容体に結合(受容体をブロック)
  ↓
CGRPが受容体に結合できなくなる
  ↓
脳血管拡張・神経原性炎症を抑制
薬物 標的 投与
ガルカネズマブ CGRP分子に結合 月1回皮下注
フレマネズマブ CGRP分子に結合 月1回または3ヶ月に1回
エレヌマブ CGRP受容体に結合 月1回皮下注

マブ(mab)=モノクローナル抗体製剤」。ガルカネズマブはCGRP分子を、エレヌマブはCGRP受容体をブロック。

カルシウム拮抗薬

薬物 特徴
ロメリジン 脳血管選択的Ca²⁺拮抗。片頭痛予防の第一選択薬の一つ
フルナリジン 脳循環改善

その他の予防薬

分類 薬物 特徴
β遮断薬 プロプラノロール・メトプロロール 機序は不明確
抗てんかん薬 バルプロ酸・トピラマート バルプロ酸は妊婦禁忌
抗うつ薬 アミトリプチリン(三環系) セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害

🔍 片頭痛の前兆と鑑別

閃輝暗点(せんきあんてん): 片頭痛に特徴的な視覚性前兆。ギザギザした光が視野内に見え、その後に視野欠損を伴う(通常20〜30分持続)。

頭痛の種類 閃輝暗点 性質 持続時間
片頭痛 あり(前兆型) 拍動性・片側 4〜72時間
緊張型頭痛 なし 圧迫感・両側 30分〜7日
群発頭痛 なし 拍動性・片側 15〜180分

閃輝暗点は片頭痛にのみ特徴的な前兆。緊張型・群発頭痛では見られない。


国試頻出まとめ

# ポイント
1 三叉神経血管説:三叉神経活性化→CGRP放出→脳血管拡張・神経原性炎症→拍動性頭痛
2 トリプタン系:5-HT₁B刺激→脳血管収縮、5-HT₁D刺激→CGRP放出↓。禁忌:虚血性心疾患・脳血管障害
3 ラスミジタン:5-HT₁F受容体選択的刺激→血管収縮なし→心血管疾患患者にも使用可能
4 エレヌマブ:CGRP受容体に結合する抗体製剤(予防薬)
5 ガルカネズマブ・フレマネズマブ:CGRP分子に結合する抗体製剤(予防薬)
6 ロメリジン:脳血管選択的Ca²⁺拮抗薬→片頭痛予防薬
7 バルプロ酸(予防薬):妊婦禁忌(催奇形性)
8 閃輝暗点:片頭痛に特徴的な視覚性前兆。緊張型・群発頭痛では伴わない
9 片頭痛の頭痛は拍動性・片側性・4〜72時間持続。悪心・光過敏・音過敏を伴う
10 「マブ(mab)」はモノクローナル抗体製剤を示す語尾(ガルカネズマブ・エレヌマブ等)

📝 国試過去問チェック

第111回 問156(一般)

片頭痛治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. エレトリプタンは、セロトニン5-HT₁B受容体を刺激して、脳血管を収縮させる。
2. ゾルミトリプタンは、セロトニン5-HT₁F受容体を選択的に刺激して、ニューロペプチドの放出を抑制する。
3. エレヌマブは、電位依存性Ca²⁺チャネルに結合して、ニューロペプチドの放出を抑制する。
4. ガルカネズマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に結合して、神経原性炎症を抑制する。
5. ロメリジンは、プロスタグランジンE₂の産生を抑制して、痛覚閾値を上昇させる。

解答と解説を見る

正解:1・4

1○ エレトリプタンは5-HT₁B受容体刺激→脳血管収縮。トリプタン系の基本作用。
4○ ガルカネズマブはCGRP分子に結合する抗体製剤→CGRPが受容体に結合できなくなる→神経原性炎症↓。
2✗ ゾルミトリプタンは5-HT₁B/₁D受容体を刺激する(₁F選択的なのはラスミジタン)。
3✗ エレヌマブは電位依存性Ca²⁺チャネルではなくCGRP受容体に結合する抗体製剤。
5✗ ロメリジンは脳血管選択的Ca²⁺拮抗薬(プロスタグランジン産生抑制はNSAIDs・アセトアミノフェン)。


第107回 問61(必須)

閃輝暗点を伴うことがある頭痛はどれか。1つ選べ。

1. 片頭痛
2. 反復性緊張型頭痛
3. 慢性緊張型頭痛
4. 反復性群発頭痛
5. 慢性群発頭痛

解答と解説を見る

正解:1

閃輝暗点(ギザギザした光が視野内に現れ視野欠損を伴う視覚症状)は**片頭痛の前兆(aura)**として特徴的。頭痛発症の20〜30分前に出現し自然消失する。
緊張型頭痛・群発頭痛では前兆としての閃輝暗点は伴わない。

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