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⚛️ 物理

分子軌道法と電子配置

📅 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • 分子軌道法と原子軌道法の違いがわかる
  • 結合性軌道・反結合性軌道の意味を説明できる
  • 電子配置の3つの規則(パウリ・フント・アウフバウ)を区別できる
  • 結合次数を計算できる
目次
  1. 1.学習目標
  2. 2.分子軌道法とは
  3. 3.結合性軌道と反結合性軌道
  4. 4.電子配置の3つの規則
  5. ① アウフバウ原理(構築原理)
  6. ② パウリの排他原理
  7. ③ フントの規則(最大多重度の規則)
  8. 5.結合次数の計算
  9. 6.代表的な分子の電子配置
  10. H₂(水素分子)
  11. O₂(酸素分子)
  12. N₂(窒素分子)
  13. 7.国試頻出まとめ

学習目標

分子軌道法とは

**分子軌道法(MO法)**では、電子は特定の原子に属さず、**分子全体に広がった軌道(分子軌道)**に入ります。

これは「電子が特定の原子のまわりを回る」と考える**原子軌道法(VB法)**とは異なるアプローチです。

⚠️ 最重要ポイント:電子は分子全体に広がる

分子軌道法では、電子は特定の原子に局在していない。これが原子軌道法と最大の違い。

結合性軌道と反結合性軌道

2つの原子軌道が重なると、2種類の分子軌道が生じます。

軌道の種類 エネルギー 核間電子密度 効果
結合性軌道(σ, π) 元の原子軌道より低い 核間に増加 結合を強める
反結合性軌道(σ, π)** 元の原子軌道より高い 核間で節(ゼロ) 結合を弱める

電子配置の3つの規則

電子が分子軌道に入る順序には、3つの規則があります。

① アウフバウ原理(構築原理)

エネルギーの低い軌道から順番に電子が入る。

高エネルギー軌道から入ることはありません。

② パウリの排他原理

1つの軌道には、逆向きスピンの電子が最大2個まで入れる。

  • 同じスピン(↑↑)の2個は同一軌道に入れない
  • 1つの軌道に3個以上入れない

③ フントの規則(最大多重度の規則)

エネルギーが等しい軌道(縮退軌道)には、できるだけ多くの軌道に1個ずつ入れてから、2個目を入れる。

結合次数の計算

結合次数=結合性軌道の電子数反結合性軌道の電子数2\text{結合次数} = \frac{\text{結合性軌道の電子数} - \text{反結合性軌道の電子数}}{2}

結合次数 意味
1 単結合(σ結合1本) H₂, F₂
2 二重結合 O₂, CO
3 三重結合 N₂
0 結合しない He₂(存在しない)

🏃 結合次数が大きい = 結合が強い = 結合距離が短い = 解離エネルギーが大きい

代表的な分子の電子配置

H₂(水素分子)

  • 電子数:2個
  • σ結合性軌道に2個(反結合性に0個)
  • 結合次数 = (2 - 0) / 2 = 1 → 単結合

O₂(酸素分子)

  • 電子数:16個
  • 不対電子が2個存在 → 常磁性
  • 結合次数 = 2(二重結合)

⚠️ O₂は不対電子をもつ!

O₂は電子式(ルイス構造)では二重結合に見えるが、分子軌道法では縮退した反結合性π*軌道に電子1個ずつが入り、不対電子が2個存在する。これが液体酸素が磁石に引き寄せられる(常磁性)理由。

N₂(窒素分子)

  • 電子数:14個
  • 結合次数 = 3(三重結合)
  • N₂が非常に安定で反応しにくい理由がここにある

国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 電子の広がり 分子軌道法では電子は分子全体に広がる
2 パウリの排他原理 1軌道に逆スピンで最大2個、同スピン2個は不可
3 アウフバウ原理 低エネルギー軌道から順に入る
4 結合次数の式 (結合性 − 反結合性)÷ 2
5 O₂は常磁性 縮退π*軌道に不対電子2個をもつ
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