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国試頻出!骨粗しょう症治療薬の作用機序まとめ|ビスホスホネート・テリパラチド・デノスマブを完全整理

📅 2026年5月14日
📖 この記事でわかること
  • 骨粗しょう症治療薬の骨吸収抑制薬と骨形成促進薬の違いがわかる
  • ビスホスホネート・SERM・デノスマブ・テリパラチドの作用機序が覚えられる
  • 第111回国試の過去問(問159)で実戦練習できる
目次
  1. 1.骨代謝の基本
  2. 2.骨吸収抑制薬
  3. 3.骨形成促進薬
  4. 4.活性型ビタミンD₃製剤
  5. 5.まとめ:骨粗しょう症治療薬の作用機序一覧
  6. 6.第111回 国試過去問チェック

骨代謝の基本

骨は**破骨細胞(骨吸収)骨芽細胞(骨形成)**のバランスで維持されます。骨粗しょう症では骨吸収>骨形成の状態。

治療薬は:

  • 骨吸収を抑える薬(ビスホスホネート・SERM・デノスマブ・カルシトニン)
  • 骨形成を促す薬(テリパラチド・ロモソズマブ)

骨吸収抑制薬

ビスホスホネート製剤

メバロン酸経路の酵素(ファルネシルピロリン酸合成酵素)を阻害 → 破骨細胞の機能↓・アポトーシス誘導 → 骨吸収↓

薬物 投与方法 特徴
アレンドロン酸 経口(週1回) 骨粗しょう症の第一選択
リセドロン酸 経口(週1回・月1回) アレンドロン酸と同等の効果
ゾレドロン酸 静注(年1回) 最強のビスホスホネート
ミノドロン酸 経口(月1回) 国産ビスホスホネート

服用上の注意:起床時に多量の水で服用し、30分は横にならない(食道潰瘍防止) 副作用:顎骨壊死(抜歯前に休薬を検討)・非定型大腿骨骨折

SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)

骨組織のエストロゲン受容体を選択的に活性化(アゴニスト) → 骨吸収↓

乳腺・子宮にはエストロゲン拮抗作用(乳がん・子宮体がんのリスク↑なし)

薬物 特徴
ラロキシフェン 閉経後骨粗しょう症。静脈血栓塞栓症に注意
バゼドキシフェン ラロキシフェンの後継薬

デノスマブ(抗RANKL抗体)

RANKL(破骨細胞分化因子)に結合 → 破骨細胞の分化・活性化を阻害 → 骨吸収↓

薬物 特徴
デノスマブ(プラリア) 皮下注(6ヶ月1回)。低Ca血症に注意。腎機能低下でも使用可

カルシトニン

甲状腺のC細胞から分泌されるホルモン。破骨細胞のカルシトニン受容体を刺激 → 骨吸収↓ + 尿中Ca²⁺排泄↑

注意:カルシトリオール(活性型ビタミンD₃)はカルシトニン受容体ではなくビタミンD受容体に作用する

骨形成促進薬

テリパラチド(PTH誘導体)

副甲状腺ホルモン(PTH)の活性断片。骨芽細胞の副甲状腺ホルモン1型受容体(PTH1R)に結合

→ 骨芽細胞の活性化・増殖促進 → 骨形成↑

薬物 投与方法 特徴
テリパラチド(フォルテオ) 皮下注(毎日) 唯一の骨形成促進薬(骨密度を実際に増やす)。投与期間24ヶ月まで
テリパラチド(テリボン) 皮下注(週1回) 同じ成分で週1回製剤

ポイント:PTHを間欠的に投与すると骨形成↑(持続投与だと骨吸収↑となり逆効果)

ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)

スクレロスチン(骨芽細胞抑制タンパク)に結合 → 古典的Wntシグナル伝達の抑制が解除 → 骨形成↑骨吸収↓(二重効果)

薬物 特徴
ロモソズマブ(イベニティ) 皮下注(月1回×12ヶ月)。心血管イベント歴のある患者には慎重に

活性型ビタミンD₃製剤

腸管からのCa²⁺吸収促進 → 骨石灰化を助ける(骨形成補助)

薬物 特徴
カルシトリオール(活性型ビタミンD₃) ビタミンD受容体に結合。高Ca血症に注意
アルファカルシドール 肝で活性化

まとめ:骨粗しょう症治療薬の作用機序一覧

薬物 作用分類 キーワード
アレンドロン酸 骨吸収抑制 ファルネシルピロリン酸合成酵素阻害
ラロキシフェン 骨吸収抑制 骨エストロゲン受容体活性化(SERM)
デノスマブ 骨吸収抑制 RANKL結合・抗体
カルシトリオール 骨吸収抑制補助 ビタミンD受容体
テリパラチド 骨形成促進 PTH1R刺激・間欠投与
ロモソズマブ 骨形成促進+骨吸収抑制 スクレロスチン阻害・Wnt↑

第111回 国試過去問チェック

問159(第111回 一般問題)

骨粗しょう症治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アレンドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。
  2. カルシトリオールは、カルシトニン受容体を刺激することで、腸管からのCa²⁺吸収を促進する。
  3. テリパラチドは、破骨細胞のビタミンD受容体に結合することで、破骨細胞のアポトーシスを促進する。
  4. ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体の活性化を介して、骨吸収を抑制する。
  5. ロモソズマブは、スクレロスチンに結合し、古典的Wntシグナル伝達を抑制して、骨形成を促進する。

正答:1・4

解説:

  • 1:○ アレンドロン酸=ビスホスホネート。ファルネシルピロリン酸合成酵素阻害→破骨細胞抑制
  • 2:× カルシトリオールはビタミンD受容体に結合(カルシトニン受容体ではない)
  • 3:× テリパラチドは**PTH1R(副甲状腺ホルモン受容体)**に結合(ビタミンD受容体ではない)。骨芽細胞に作用(破骨細胞ではない)
  • 4:○ ラロキシフェン=SERM。骨のエストロゲン受容体を活性化→骨吸収↓
  • 5:× ロモソズマブはスクレロスチンに結合し、Wntシグナルの抑制を**解除して(活性化して)**骨形成を促進する(「抑制」ではなく「活性化」)
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