🦴 骨粗しょう症の病態
骨強度が低下して骨折リスクが高まった状態。骨強度は**骨密度(70%)と骨質(30%)**で決まる。
分類
| 分類 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 原発性骨粗しょう症 | 閉経後(エストロゲン↓)・老人性 | 女性に多い |
| 続発性骨粗しょう症 | ステロイド・甲状腺機能亢進症・低Ca食 | 薬剤性が重要 |
✅ 閉経後:エストロゲン↓ → RANKL↑ → 破骨細胞活性化 → 骨吸収↑ → 骨量↓ 骨吸収の相対的「増加」が原因(低下ではない)
診断
| 指標 | 基準 |
|---|---|
| 骨密度(DEXA法) | YAM(若年成人平均値)の70%未満、または既存骨折あり |
| 骨代謝マーカー | 骨形成(P1NP・BAP)・骨吸収(NTX・CTX)→ 治療効果モニタリング・骨折リスク予測に有用 |
💊 骨粗しょう症の薬物治療
骨吸収抑制薬
| 薬剤 | 機序 | 重要な注意点 |
|---|---|---|
| ビスホスホネート(アレンドロン酸等) | 破骨細胞阻害 → 骨吸収↓ | 第1選択。食道炎予防→服用後30分は座位・立位を保持。顎骨壊死に注意 |
| SERM(ラロキシフェン) | 骨・脂質にエストロゲン様作用、乳腺・子宮内膜には拮抗作用 | 乳がん・子宮体がんリスク↓。静脈血栓塞栓症に注意 |
| デノスマブ(プラリア) | 抗RANKL抗体 → 破骨細胞分化阻害 | 6か月毎皮下注。顎骨壊死・低Ca血症に注意 |
| カルシトニン | 破骨細胞活性抑制 | 鎮痛効果もある |
| エストロゲン(HRT) | 骨吸収抑制 | 閉経後に適用 |
| 活性型ビタミンD₃(アルファカルシドール) | 腸管からのCa吸収↑ | 高Ca血症に注意 |
⚠️ SERMは乳腺・子宮内膜には拮抗作用(エストロゲン様ではない)→ 乳がん・子宮体がんリスクを高めない
骨形成促進薬
| 薬剤 | 機序 | 重要な注意点 |
|---|---|---|
| テリパラチド(フォルテオ) | PTH誘導体 → 骨芽細胞活性化 → 骨形成↑ | 重症例に使用。使用期間は2年間限定 |
| ロモソズマブ(イベニティ) | 抗スクレロスチン抗体 → 骨形成↑ かつ 骨吸収↓ | 骨形成・吸収抑制の両作用。心血管イベントリスクに注意 |
✅ テリパラチドは骨形成促進(他の薬は骨吸収抑制)。唯一の骨形成促進薬として国試頻出
📋 国試頻出まとめ
| # | テーマ | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 骨粗しょう症の病態 | 閉経後はエストロゲン↓→骨吸収の相対的増加(低下ではない) |
| 2 | 診断基準 | DEXA法でYAMの70%未満、または既存骨折あり |
| 3 | 骨代謝マーカー | 治療効果判定・骨折リスク予測に有用 |
| 4 | 第1選択薬 | ビスホスホネート(アレンドロン酸等) |
| 5 | ビスホスホネートの服用法 | 空腹時・十分な水で服用後30分は座位または立位を保持 |
| 6 | SERM(ラロキシフェン) | 乳腺・子宮内膜には拮抗作用→乳がんリスク↓。静脈血栓塞栓症注意 |
| 7 | デノスマブ | 抗RANKL抗体。6か月毎皮下注。顎骨壊死注意 |
| 8 | テリパラチド | 唯一の骨形成促進薬。重症例に。2年間限定 |
| 9 | ロモソズマブ | 骨形成↑+骨吸収↓の両作用。心血管リスク注意 |
| 10 | 頭蓋骨の打ち抜き像 | 多発性骨髄腫の所見(骨粗しょう症ではない) |
📝 国試過去問チェック
第111回 問62(ビスホスホネートの服用上の注意)
ビスホスホネート系薬の使用上の注意として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 服用後30分は横になる
- 服用後30分は座位または立位を保つ
- 食後すぐに服用する
- 就寝直前に服用する
- 牛乳と一緒に服用する
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正答:2
1❌ 横になると食道に薬剤が滞留し、食道炎・食道潰瘍を起こすリスクがある。逆。2✅ ビスホスホネートは食道に滞留すると食道炎・食道潰瘍を起こすため、服用後**30分間は座位または立位(起坐位)を保持することが必須。3❌ 食事・飲料(水以外)はCa等の吸収を阻害するため、起床時空腹の状態で服用する。4❌ 就寝直前の服用は食道への滞留時間が長くなり危険。5❌ 牛乳(Ca含む)と一緒に服用すると吸収が大幅に低下する。十分な水(約180mL)**で服用する。
第109回 問186(骨粗しょう症の病態・治療)
骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす
- 典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある
- 骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である
- 閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う
- SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す
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正答:3・4
1❌ 閉経後は骨吸収の相対的「増加」により骨量が減少する(低下ではない)。エストロゲン↓→RANKL↑→破骨細胞活性化→骨吸収↑。2❌ 頭蓋骨の打ち抜き像は多発性骨髄腫の典型的X線所見。骨粗しょう症では椎体圧迫骨折などが特徴的。3✅ 骨代謝マーカー(NTX・CTX等)は骨折リスクの予測および治療効果のモニタリングに有用。4✅ エストロゲン補充療法(HRT)は閉経後骨粗しょう症の治療に適用される。骨吸収を抑制する。5❌ SERMは骨・脂質にはエストロゲン様作用を示すが、乳腺・子宮内膜には拮抗作用を示す。そのため乳がん・子宮体がんリスクは増加しない。
第110回 問185(骨粗しょう症治療薬の機序)
骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- テリパラチドは破骨細胞を阻害して骨吸収を抑制する
- デノスマブはRANKLに結合して破骨細胞の分化を阻害する
- ロモソズマブは骨形成促進と骨吸収抑制の両方の作用をもつ
- ビスホスホネートは骨芽細胞を活性化して骨形成を促進する
- SERMは乳腺・子宮内膜にエストロゲン様作用を示す
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正答:2・3
1❌ テリパラチドはPTH誘導体で骨芽細胞を活性化し骨形成を促進する薬剤。骨吸収抑制ではなく骨形成促進薬。2✅ デノスマブは抗RANKL抗体。RANKLに結合することでRANKLとRANKの結合を阻害し、破骨細胞への分化・活性化を抑制する。3✅ ロモソズマブは抗スクレロスチン抗体で、骨形成促進と骨吸収抑制の両作用を持つ唯一の薬剤。心血管イベントリスクに注意。4❌ ビスホスホネートは破骨細胞を阻害して骨吸収を抑制する薬剤。骨形成促進ではない。5❌ SERMは乳腺・子宮内膜には拮抗作用を示す(エストロゲン様作用ではない)。
