マスコット薬スタ
🏥 病態・薬物治療

骨粗しょう症の病態と薬物治療【国試対策】ビスホスホネート・SERM・テリパラチドまで

📅 2026年5月20日🔄 更新: 2026年5月21日
📖 この記事でわかること
  • 骨粗しょう症の病態(エストロゲン↓→骨吸収↑の機序)が理解できる
  • ビスホスホネート・SERM・デノスマブなど各薬剤の機序と注意点がわかる
  • 骨吸収抑制薬と骨形成促進薬の違いが整理できる
  • 国試頻出の骨粗しょう症問題を解けるようになる
目次
  1. 1.骨粗しょう症の病態
  2. 分類
  3. 診断
  4. 2.骨粗しょう症の薬物治療
  5. 骨吸収抑制薬
  6. 骨形成促進薬
  7. 3.国試頻出まとめ
  8. 4.国試過去問チェック

🦴 骨粗しょう症の病態

骨強度が低下して骨折リスクが高まった状態。骨強度は**骨密度(70%)骨質(30%)**で決まる。

分類

分類 原因 特徴
原発性骨粗しょう症 閉経後(エストロゲン↓)・老人性 女性に多い
続発性骨粗しょう症 ステロイド・甲状腺機能亢進症・低Ca食 薬剤性が重要

✅ 閉経後:エストロゲン↓ → RANKL↑ → 破骨細胞活性化 → 骨吸収↑ → 骨量↓ 骨吸収の相対的「増加」が原因(低下ではない)


診断

指標 基準
骨密度(DEXA法) YAM(若年成人平均値)の70%未満、または既存骨折あり
骨代謝マーカー 骨形成(P1NP・BAP)・骨吸収(NTX・CTX)→ 治療効果モニタリング・骨折リスク予測に有用

💊 骨粗しょう症の薬物治療

骨吸収抑制薬

薬剤 機序 重要な注意点
ビスホスホネート(アレンドロン酸等) 破骨細胞阻害 → 骨吸収↓ 第1選択。食道炎予防→服用後30分は座位・立位を保持。顎骨壊死に注意
SERM(ラロキシフェン) 骨・脂質にエストロゲン様作用、乳腺・子宮内膜には拮抗作用 乳がん・子宮体がんリスク↓。静脈血栓塞栓症に注意
デノスマブ(プラリア) 抗RANKL抗体 → 破骨細胞分化阻害 6か月毎皮下注。顎骨壊死・低Ca血症に注意
カルシトニン 破骨細胞活性抑制 鎮痛効果もある
エストロゲン(HRT) 骨吸収抑制 閉経後に適用
活性型ビタミンD₃(アルファカルシドール) 腸管からのCa吸収↑ 高Ca血症に注意

⚠️ SERMは乳腺・子宮内膜には拮抗作用(エストロゲン様ではない)→ 乳がん・子宮体がんリスクを高めない


骨形成促進薬

薬剤 機序 重要な注意点
テリパラチド(フォルテオ) PTH誘導体 → 骨芽細胞活性化 → 骨形成↑ 重症例に使用。使用期間は2年間限定
ロモソズマブ(イベニティ) 抗スクレロスチン抗体 → 骨形成↑ かつ 骨吸収↓ 骨形成・吸収抑制の両作用。心血管イベントリスクに注意

✅ テリパラチドは骨形成促進(他の薬は骨吸収抑制)。唯一の骨形成促進薬として国試頻出


📋 国試頻出まとめ

# テーマ 重要ポイント
1 骨粗しょう症の病態 閉経後はエストロゲン↓→骨吸収の相対的増加(低下ではない)
2 診断基準 DEXA法でYAMの70%未満、または既存骨折あり
3 骨代謝マーカー 治療効果判定・骨折リスク予測に有用
4 第1選択薬 ビスホスホネート(アレンドロン酸等)
5 ビスホスホネートの服用法 空腹時・十分な水で服用後30分は座位または立位を保持
6 SERM(ラロキシフェン) 乳腺・子宮内膜には拮抗作用→乳がんリスク↓。静脈血栓塞栓症注意
7 デノスマブ 抗RANKL抗体。6か月毎皮下注。顎骨壊死注意
8 テリパラチド 唯一の骨形成促進薬。重症例に。2年間限定
9 ロモソズマブ 骨形成↑+骨吸収↓の両作用。心血管リスク注意
10 頭蓋骨の打ち抜き像 多発性骨髄腫の所見(骨粗しょう症ではない)

📝 国試過去問チェック

第111回 問62(ビスホスホネートの服用上の注意)

ビスホスホネート系薬の使用上の注意として、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 服用後30分は横になる
  2. 服用後30分は座位または立位を保つ
  3. 食後すぐに服用する
  4. 就寝直前に服用する
  5. 牛乳と一緒に服用する
解答と解説を見る

正答:2

1❌ 横になると食道に薬剤が滞留し、食道炎・食道潰瘍を起こすリスクがある。逆。2✅ ビスホスホネートは食道に滞留すると食道炎・食道潰瘍を起こすため、服用後**30分間は座位または立位(起坐位)を保持することが必須。3❌ 食事・飲料(水以外)はCa等の吸収を阻害するため、起床時空腹の状態で服用する。4❌ 就寝直前の服用は食道への滞留時間が長くなり危険。5❌ 牛乳(Ca含む)と一緒に服用すると吸収が大幅に低下する。十分な水(約180mL)**で服用する。


第109回 問186(骨粗しょう症の病態・治療)

骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす
  2. 典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある
  3. 骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である
  4. 閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う
  5. SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す
解答と解説を見る

正答:3・4

1❌ 閉経後は骨吸収の相対的「増加」により骨量が減少する(低下ではない)。エストロゲン↓→RANKL↑→破骨細胞活性化→骨吸収↑。2❌ 頭蓋骨の打ち抜き像は多発性骨髄腫の典型的X線所見。骨粗しょう症では椎体圧迫骨折などが特徴的。3✅ 骨代謝マーカー(NTX・CTX等)は骨折リスクの予測および治療効果のモニタリングに有用。4✅ エストロゲン補充療法(HRT)は閉経後骨粗しょう症の治療に適用される。骨吸収を抑制する。5❌ SERMは骨・脂質にはエストロゲン様作用を示すが、乳腺・子宮内膜には拮抗作用を示す。そのため乳がん・子宮体がんリスクは増加しない。


第110回 問185(骨粗しょう症治療薬の機序)

骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. テリパラチドは破骨細胞を阻害して骨吸収を抑制する
  2. デノスマブはRANKLに結合して破骨細胞の分化を阻害する
  3. ロモソズマブは骨形成促進と骨吸収抑制の両方の作用をもつ
  4. ビスホスホネートは骨芽細胞を活性化して骨形成を促進する
  5. SERMは乳腺・子宮内膜にエストロゲン様作用を示す
解答と解説を見る

正答:2・3

1❌ テリパラチドはPTH誘導体で骨芽細胞を活性化し骨形成を促進する薬剤。骨吸収抑制ではなく骨形成促進薬。2✅ デノスマブは抗RANKL抗体。RANKLに結合することでRANKLとRANKの結合を阻害し、破骨細胞への分化・活性化を抑制する。3✅ ロモソズマブは抗スクレロスチン抗体で、骨形成促進と骨吸収抑制の両作用を持つ唯一の薬剤。心血管イベントリスクに注意。4❌ ビスホスホネートは破骨細胞を阻害して骨吸収を抑制する薬剤。骨形成促進ではない。5❌ SERMは乳腺・子宮内膜には拮抗作用を示す(エストロゲン様作用ではない)。

💬
📲 LINE登録で2大特典を無料プレゼント中
✅ 特典①:放射線マインドマップ
✅ 特典②:食品添加物の構造式(デジタル版)
友だち追加 →
💊

この記事が役に立ったら...

他の国試対策記事もチェックしてみてください!

🏥 病態・薬物治療の記事一覧ホームへ
骨粗しょう症の病態と薬物治療【国試対策】ビスホスホネート・SERM・テリパラチドまで|薬スタ