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📋 法規

医薬品開発・GxP・治験・市販後安全管理

📅 2026年5月21日🔄 更新: 2026年5月21日
📖 この記事でわかること
  • GxP各基準(GLP・GCP・GMP・GQP・GVP)の適用範囲が整理できる
  • 製造販売承認申請に必要な試験の種類と目的が把握できる
  • 治験の各相(第I〜III相)の目的と主な手続きがわかる
  • 市販後安全管理制度(市販直後調査・RMP)の概要が覚えられる
  • 再生医療等製品・注意事項等情報電子化など薬機法の新規定が理解できる
目次
  1. 1.GxP基準の完全整理
  2. 2.製造販売承認申請のための試験
  3. 非臨床試験の種類
  4. 安定性試験の3種類(覚え方:長・加・苛)
  5. 承認拒否事由
  6. 3.治験(臨床試験)
  7. 治験の各相
  8. 治験の主な手続き
  9. 4.市販後安全管理
  10. 市販後調査の種類
  11. 医薬品リスク管理計画(RMP)
  12. 5.再生医療等製品
  13. 6.注意事項等情報の電子化・特定用途医薬品
  14. 注意事項等情報の電子化(2021年薬機法改正)
  15. 特定用途医薬品の指定要件(2つとも必要)
  16. 地域連携薬局・レギュラトリーサイエンス
  17. 7.国試頻出まとめ
  18. 8.国試過去問チェック

🔬 GxP基準の完全整理

略称 正式名称 適用場面 主体
GLP 非臨床試験実施基準 毒性試験など非臨床安全性試験 ✅ 試験機関
GCP 臨床試験実施基準 治験(ヒトを対象) 治験実施医療機関
GMP 製造管理・品質管理基準 医薬品の製造工程 製造業者
GQP 製造販売後品質管理基準 製造販売業者の品質管理 ✅ 製造販売業者
GVP 製造販売後安全管理基準 市販後の安全性監視・RMP 製造販売業者
GPSP 製造販売後調査等管理基準 市販後の調査・試験の管理 製造販売業者

⚠️「物理化学的試験・規格設定」→ GxP(GLP・GMP・GQP等)はいずれも適用されない。PMDAは「信頼性の基準への適合のみが求められる」と説明している(「GLPではない」と覚えることは有用だが、「GMP/GQPが適用」は誤り) ⚠️ GMPは製造業者、GQPは製造販売業者に適用(区別すること)


📋 製造販売承認申請のための試験

非臨床試験の種類

試験の種類 目的
薬効薬理試験 期待される主作用(治療標的)の検討
副次的薬理試験 治療標的に関連しない作用・効果の機序を検討
安全性薬理試験 治療量以上で生じる望ましくない薬力学的作用
薬物動態試験 ADME(吸収・分布・代謝・排泄)の解明
毒性試験 急性・慢性・発がん性・生殖毒性など → GLP適用

安定性試験の3種類(覚え方:長・加・苛)

試験 条件 目的
長期保存試験 推奨保存条件 品質安定性の確認
加速試験 高温・高湿 加速劣化での安定性
苛酷試験 極端な温度・湿度・光 安定性の限界確認

⚠️「生物学的同等性試験」は安定性試験ではなく、ジェネリック医薬品の承認試験

承認拒否事由

拒否事由 内容
製造販売業の許可なし 申請者が製造販売業の許可を受けていないとき ✅
有効性・安全性の欠如 効能・効果を有すると認められないとき ✅
GMP不適合 製造所の製造管理・品質管理がGMPに適合しないとき

✅「同じ作用機序のものがすでに10剤以上ある」「海外での承認歴がない」→ 拒否事由ではない


🧪 治験(臨床試験)

治験の各相

対象 主な目的
第I相 健康成人(少数) 安全性・薬物動態の確認
前期第II相 少数の患者 有効性・安全性の確認、用量探索
後期第II相 中程度の患者数 用法・用量の確定
第III相 多数の患者(比較試験) 有効性・安全性の検証(承認申請データ)
第IV相 市販後の患者 市販後の有効性・安全性の確認

💡 覚え方:I相=健康人で安全性 → II相=患者で探索 → III相=大規模検証 → IV相=市販後監視

治験の主な手続き

項目 内容
30日ルール 新有効成分の治験は初回計画届出から30日経過後に開始可能 ✅
契約 治験依頼者は治験実施医療機関と契約締結が必要 ✅
IC(同意) 説明も同意も文書が必要(口頭同意は不可)
医師主導治験 製薬企業ではなく医師が主導して実施することも可能

📊 市販後安全管理

市販後調査の種類

調査の種類 期間 目的
市販直後調査 販売開始後6ヶ月 緊急の副作用情報収集・適正使用推進
一般使用成績調査 再審査期間中 通常診療下での使用成績
特定使用成績調査 再審査期間中 小児・高齢者・妊婦など特定集団
製造販売後臨床試験 再審査期間中 追加の有効性・安全性データ収集

⚠️ 市販直後調査は「販売を開始した時」から6ヶ月(承認時からではない)

医薬品リスク管理計画(RMP)

RMP(GVP省令に基づく)
├── 安全性検討事項
│   ├── 特定されたリスク
│   ├── 潜在的なリスク
│   └── 不足情報
├── 安全性監視計画(副作用情報の収集・評価)
└── リスク最小化計画(添付文書改訂・教育資材配布等)

⚠️ RMPはGVP省令に基づく(GCPではない) ⚠️「添付文書改訂」→ リスク最小化計画。「副作用評価」→ 安全性監視計画


🧬 再生医療等製品

種類 内容
加工細胞製品 人・動物の細胞に培養・加工を施したもの(動物も含まれる)✅
遺伝子治療用製品 人の体内で発現する遺伝子を含有させたもの ✅
規定 内容
感染症定期報告 製造販売業者は定期的に感染症に関する報告義務あり ✅
IC義務 取扱医療関係者は説明・同意取得の努力義務(義務ではなく努力義務)
副作用被害救済 許可再生医療等製品は医薬品副作用被害救済制度の対象

📱 注意事項等情報の電子化・特定用途医薬品

注意事項等情報の電子化(2021年薬機法改正)

区分 取扱い
医療用医薬品 紙の添付文書廃止 → 容器等にQRコード等の符号を記載 ✅
要指導・一般用医薬品 引き続き紙の添付文書を同梱(廃止されない)✅

製造販売業者はPMDAのホームページに注意事項等情報を公表する義務あり(厚生労働大臣への届出ではない)

特定用途医薬品の指定要件(2つとも必要)

要件 内容
① 優れた使用価値 その用途に関し特に優れた使用価値を有すること ✅
② 需要の未充足 その用途に係る需要が著しく充足されていないと認められること ✅

希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)は「患者数が国内で5万人未満」が条件

地域連携薬局・レギュラトリーサイエンス

種類 認定権者 主な機能
地域連携薬局 都道府県知事 他の医療提供施設と連携・在宅対応・24時間対応
専門医療機関連携薬局 都道府県知事 特定の傷病(がん等)に係る専門的な薬学管理

レギュラトリーサイエンス: 科学技術の成果を人と社会との調和の上で最も望ましい姿に「管理」するための科学


📋 国試頻出まとめ

# テーマ 重要ポイント
1 GLP vs GCP GLP=非臨床毒性試験 / GCP=治験(ヒト対象)
2 GMP vs GQP GMP=製造業者 / GQP=製造販売業者の品質管理
3 承認申請試験 副次的薬理試験=治療標的外の作用。安定性試験は長・加・苛の3種
4 治験各相 第I相=安全性確認。第III相=検証的試験(承認申請用)
5 治験手続き 30日ルール・契約必要・IC説明も同意も文書
6 市販直後調査 販売開始時から6ヶ月(承認時からではない)
7 RMP GVP省令に基づく。安全性検討事項は特定・潜在・不足情報の3種
8 再生医療等製品 動物細胞も含む・IC努力義務・許可再生医療等製品は副作用救済制度の対象
9 注意事項等情報 医療用→電子化(符号記載)。要指導・OTC→紙の同梱継続
10 特定用途医薬品 優れた使用価値+需要未充足の2要件。5万人未満はオーファン

📝 国試過去問チェック

第111回 問145(製造販売承認申請のための試験)

医薬品の製造販売承認申請のために実施する試験に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 薬効薬理試験とは、被験物質の治療用量及びそれ以上の曝露に関連した望ましくない薬力学的作用を検討する試験である。
  2. 副次的薬理試験とは、被験物質の期待した治療標的に関連しない作用又は効果の機序に関する試験である。
  3. 薬物動態試験とは、被験物質の吸収、分布、代謝又は排泄を明らかにするための試験である。
  4. 物理的化学的性質並びに規格及び試験方法の設定に関する試験は、GLPに従い実施しなければならない。
  5. 安定性試験には、長期保存試験、加速試験及び生物学的同等性試験の3種類がある。
解答と解説を見る

正答:2・3

1❌ これは安全性薬理試験の説明(治療量以上の望ましくない薬力学的作用)。薬効薬理試験は主作用の検討。

2✅ 副次的薬理試験は治療標的以外への作用を検討する試験。

3✅ 薬物動態試験はADME(吸収・分布・代謝・排泄)を解明する試験。

4❌ 物理化学的試験・規格設定にはGxP(GLP・GMP・GQP等)はいずれも適用されない。PMDAによれば「信頼性の基準への適合のみが求められる」(GLPは非臨床安全性試験に適用)。

5❌ 安定性試験の3種類は長期保存・加速・苛酷試験(生物学的同等性試験はジェネリック承認試験)。


第110回 問143(再生医療等製品)

医薬品医療機器等法における再生医療等製品に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 動物の細胞に、培養その他の加工を施したものは該当しない。
  2. 人の体内で発現する遺伝子を含有させたものは該当しない。
  3. 製造販売業者は、感染症定期報告を行わなければならない。
  4. 再生医療等製品取扱医療関係者は、使用の対象者に対し適切な説明を行い、同意を得て使用するよう努めなければならない。
  5. 医薬品副作用被害救済制度の対象ではない。
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正答:3・4

1❌ 動物の細胞に加工を施したものも含まれる

2❌ 遺伝子を含有させたもの(遺伝子治療用製品)も含まれる

3✅ 製造販売業者は感染症定期報告義務あり。

4✅ 取扱医療関係者は説明・同意取得の努力義務あり。

5❌ 許可再生医療等製品(副作用救済給付に係るもの)は医薬品副作用被害救済制度の対象となる〔独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第4条・第15条〕。


第109回 問143(注意事項等情報の電子化)

「注意事項等情報」について製造販売業者が行うべきこととして、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 医療用医薬品については、電子的な方法で「注意事項等情報」を入手できるように医薬品の容器等に符号を記載しなければならない。
  2. 要指導医薬品については、符号を記載した場合は紙の添付文書を同梱する必要はない。
  3. 医療用医薬品の「注意事項等情報」を、PMDAのホームページに公表しなければならない。
  4. 製造販売した後、速やかに「注意事項等情報」を厚生労働大臣に届け出なければならない。
  5. 適応外使用の可能性のある医薬品については、その適応外使用の方法の詳細を加えなければならない。
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正答:1・3

1✅ 医療用医薬品は紙の添付文書廃止→容器にQRコード等の符号を記載して電子入手。

2❌ 要指導医薬品は引き続き紙の添付文書同梱が必要

3✅ 製造販売業者はPMDAのホームページへの公表義務あり。

4❌ 厚生労働大臣への届出ではなく公表(PMDA等)が義務。

5❌ 適応外使用の方法詳細を加える義務はない。


第109回 問144(特定用途医薬品)

特定用途医薬品の指定に必須となる要件はどれか。2つ選べ。

  1. 製造販売の承認が与えられた場合に、その用途に関し、特に優れた使用価値を有すること。
  2. その用途に係る対象者が我が国で5万人未満であること。
  3. 既に製造販売承認を与えられている医薬品と作用機序が明らかに異なる物であること。
  4. その用途が、感染症の拡大などの緊急時に用いる必要がある物であること。
  5. その用途が、厚生労働大臣が指定する区分に属する疾病の治療等であって、その用途に係る需要が著しく充足されていないと認められる物であること。
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正答:1・5

1✅ 特に優れた使用価値を有することが要件。

2❌ 5万人未満は**希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)**の条件。

3❌ 異なる作用機序は必須要件ではない。

4❌ 緊急時での使用は緊急承認制度の要件。

5✅ 需要が著しく充足されていないことが要件。


第108回 問143(製造販売の承認拒否事由)

医薬品の製造販売の承認拒否事由に該当するのはどれか。2つ選べ。

  1. 申請者である企業が製造販売業の許可を受けていないとき。
  2. 申請に係る医薬品と同じ作用機序のものが、すでに10剤以上承認されているとき。
  3. 申請に係る医薬品が効能又は効果を有すると認められないとき。
  4. 申請に係る医薬品が海外での承認や審査を受けていないとき。
  5. 申請に係る医薬品の製造所における製造管理又は品質管理の方法が、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」に適合していると認められないとき。
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正答:1・3

1✅ 製造販売業の許可がないことは拒否事由。

2❌ 既存薬の数は拒否事由ではない。

3✅ 効能・効果を有すると認められないことは拒否事由。

4❌ 海外での承認歴は国内承認の要件ではない。

5❌ 製造所の管理基準の不適合は「GMP」への不適合が拒否事由(GCPではない)。


第108回 問144(医薬品の治験)

医薬品の治験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 治験は、承認申請のために製薬企業が行うものであり、医師が主導して行うことはできない。
  2. 医療機関に治験を依頼するに当たって、治験依頼者は治験実施医療機関と契約を締結しなければならない。
  3. 治験の実施に際しては、当該治験を実施する医療機関に設置された治験審査委員会の承認を得なければならない。
  4. 新有効成分の治験は、初回の治験計画を届け出てから起算して30日を経過した後でなければ依頼又は自ら実施してはならない。
  5. インフォームド・コンセントは、必ず文書による説明を行わなければならないが、同意は必ずしも文書で取得する必要はない。
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正答:2・4

1❌ 医師主導治験(医師が自ら実施)も可能。

2✅ 治験依頼者と治験実施医療機関の契約締結が必要。

3❌ 当該医療機関以外の認定CRBへの委託も可能。

4✅ 新有効成分の治験は初回計画届出から30日経過後に開始可能。

5❌ 説明も同意も文書が必要(口頭同意は不可)。


第107回 問143(治験の各相の目的)

医薬品の臨床開発における各相の目的として、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 第I相試験の目的は、患者における用法・用量の決定である。
  2. 前期第II相試験の目的は、薬物動態試験の実施である。
  3. 後期第II相試験の目的は、臨床薬理試験の実施である。
  4. 第III相試験の目的は、検証的試験の実施である。
  5. 第IV相試験の目的は、効能・効果の追加承認の取得である。
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正答:4

1❌ 第I相は健康成人での安全性・薬物動態確認(用法・用量決定は第II相後期)。

2❌ 薬物動態は主に第I相で実施。

3❌ 臨床薬理は第I相の内容。

4✅ 第III相は多数の患者による検証的試験(有効性・安全性の確証)。

5❌ 第IV相は市販後の安全性・有効性の確認(効能追加は別途申請)。


第107回 問144(医薬品リスク管理計画:RMP)

医薬品リスク管理計画(RMP)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. GCP省令に基づき策定される。
  2. 重要なリスクに対する安全性監視活動とリスク最小化活動の計画を策定する。
  3. 安全性検討事項には、特定されたリスク、潜在的なリスク及び不足情報の3種類が含まれる。
  4. 安全性監視計画には、添付文書の作成及び改訂が含まれる。
  5. リスク最小化計画には、副作用報告制度のデータを用いた安全性評価が含まれる。
解答と解説を見る

正答:2・3

1❌ RMPはGVP省令(製造販売後安全管理省令)に基づく(GCPではない)。

2✅ 安全性監視活動とリスク最小化活動の計画策定が目的。

3✅ 安全性検討事項は特定されたリスク・潜在的なリスク・不足情報の3種類。

4❌ 添付文書の作成・改訂はリスク最小化計画(安全性監視計画ではない)。

5❌ 副作用報告データの評価は安全性監視計画(リスク最小化計画ではない)。


第107回 問145(コンタクトレンズの医療機器分類)

コンタクトレンズが分類される医療機器の種類はどれか。1つ選べ。

  1. 高度管理医療機器 2. 管理医療機器 3. 一般医療機器 4. 再生医療等製品 5. 体外診断用医薬品
解答と解説を見る

正答:1

コンタクトレンズは直接眼球に接触しリスクが高いため、**高度管理医療機器(クラスIII)**に分類される。高度管理医療機器には他にペースメーカーや人工関節なども含まれる。管理医療機器(クラスII)にはMRI装置等、一般医療機器(クラスI)には体温計等が分類される。

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