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国試頻出!生理学まとめ:血液・止血・凝固|血球・造血・凝固カスケードを完全整理

📅 2026年5月15日🔄 更新: 2026年5月16日
📖 この記事でわかること
  • 酸素解離曲線の右方・左方シフトとCO中毒の関係を説明できる
  • EPO・TPO・G-CSFの産生場所と臨床応用を区別できる
  • 一次止血(血小板)と二次止血(凝固カスケード)の流れを説明できる
  • ビタミンK依存性凝固因子とワルファリン・DOACの作用機序を比較できる
  • TXA₂とPGI₂の拮抗関係・DICの検査所見を説明できる
目次
  1. 1.酸素解離曲線(S字型)
  2. 2.造血因子(頻出3種)
  3. 3.一次止血(血小板血栓)
  4. 抗血小板薬の作用点
  5. 4.二次止血(凝固カスケード)
  6. ビタミンK依存性凝固因子(語呂:2・7・9・10)
  7. ワルファリンの作用機序
  8. 抗凝固薬の比較
  9. 5.血小板凝集の調節(TXA₂ vs PGI₂)
  10. 6.線溶系と止血薬
  11. 止血薬・拮抗薬まとめ
  12. 7.DIC(播種性血管内凝固症候群)
  13. 8.国試頻出まとめ
  14. 9.国試過去問チェック

🔴 酸素解離曲線(S字型)

右方シフト → O₂放出↑ 左方シフト → O₂放出↓
体温↑・pH↓(H⁺↑)・CO₂↑・2,3-BPG↑ 体温↓・pH↑・CO₂↓・COHb(CO中毒)・胎児Hb(HbF)
組織での酸素供給↑(運動・発熱時) 胎盤でHbFが母体からO₂を奪いやすくなる

CO中毒 → COHbは左方シフト → 組織にO₂を渡せない
治療:高濃度O₂・高気圧O₂療法
胎児Hb(HbF)も左方シフト → 胎盤で母体からO₂を効率よく受け取れる
⚠️ 右方シフト=「組織でO₂を渡しやすい」(運動・発熱・アシドーシス時)


🏭 造血因子(頻出3種)

造血因子 産生場所 標的 臨床応用
EPO(エリスロポエチン) 腎臓(傍糸球体細胞) 赤血球系前駆細胞 腎性貧血治療(ダルベポエチン等)
TPO(トロンボポエチン) 肝臓 巨核球 → 血小板 血小板減少症治療
G-CSF 線維芽細胞・内皮細胞 好中球系前駆細胞 好中球減少症治療(フィルグラスチム)

EPOは腎臓産生 → 慢性腎臓病で産生↓ → 腎性貧血
TPOは肝臓産生 → 巨核球→血小板の産生を促進
⚠️ EPOとTPOの産生臓器を混同しない(EPO=腎、TPO=肝)


🩺 一次止血(血小板血栓)

一次止血(血小板血栓)の流れ

抗血小板薬の作用点

薬物 作用点 機序
アスピリン COX-1 不可逆的阻害 → TXA₂産生↓ → 凝集抑制
クロピドグレル・チカグレロル P2Y₁₂受容体(ADP受容体) ADP依存性凝集を阻害
アブシキシマブ GPIIb/IIIa(αIIbβ₃) フィブリノゲン結合を競合阻断

アスピリン=COX-1不可逆阻害 → TXA₂産生↓(血小板は核がないため新たなCOXを合成できない)
クロピドグレル=P2Y₁₂(ADP受容体)阻害


🔬 二次止血(凝固カスケード)

【外因系】                      【内因系】
組織損傷 → TF(組織因子)露出    接触活性化:XII → XIIa → XI → XIa
TF + VII → VIIa                 XIa:IX → IXa
          ↓                           ↓
          └────── X → Xa(共通系)────┘
                       ↓
               Xa + Va:プロトロンビナーゼ複合体
                       ↓
        II(プロトロンビン)→ IIa(トロンビン)
                       ↓
     フィブリノゲン(I)→ フィブリンモノマー
                       ↓ XIIIa
               フィブリンポリマー(赤色血栓)

ビタミンK依存性凝固因子(語呂:**2・7・9・10**)

凝固因子 名称 ポイント
II プロトロンビン トロンビンの前駆体。ワルファリンで↓
VII 安定因子 半減期最短(4〜6時間) → ワルファリン開始後最初にPT延長
VIII 抗血友病因子A VitK非依存血友病A(X連鎖劣性)
IX クリスマス因子 VitK依存・血友病B(X連鎖劣性)
X スチュアート因子 DOACの直接Xa阻害薬の標的

VitK依存:FII・FVII・FIX・FX + プロテインC・S

VitK依存性凝固因子=2・7・9・10(VIII=VitK非依存・血友病A)
FVII半減期が最短 → ワルファリン投与後に最初にPT(外因系)が延長
⚠️ 血友病AはFVIII欠損、血友病BはFIX欠損(どちらもX連鎖劣性)

ワルファリンの作用機序

ワルファリン → VKOR(ビタミンKエポキシド還元酵素)を阻害
    ↓
VitKが活性型(KH₂)に再生されない
    ↓
VitK依存性凝固因子(II・VII・IX・X・プロテインC・S)の
γ-カルボキシル化が障害 → Ca²⁺結合能を失い機能しない

抗凝固薬の比較

薬物 作用機序 標的 特徴
ヘパリン AT-IIIを活性化(間接阻害) トロンビン・Xa等 注射・即効性・妊婦可・拮抗:プロタミン
ワルファリン VKOR阻害 → VitK依存因子↓ II・VII・IX・X 経口・遅効性(約3日)・妊婦禁忌・拮抗:VitK
ダビガトラン 直接トロンビン(IIa)阻害 トロンビン DOAC・拮抗:イダルシズマブ
リバーロキサバン・エドキサバン 直接Xa因子阻害 FXa DOAC・AT-III非依存・拮抗:アンデキサネット

エドキサバン・リバーロキサバン=直接Xa阻害・AT-III非依存
ダビガトランの拮抗薬=イダルシズマブ
⚠️ ワルファリンは妊婦禁忌(胎盤通過→催奇形性)、ヘパリンは妊婦可


⚖️ 血小板凝集の調節(TXA₂ vs PGI₂)

物質 産生細胞 セカンドメッセンジャー 血小板凝集
TXA₂(トロンボキサンA₂) 血小板 IP₃↑ → Ca²⁺↑ 促進
ADP 血小板 P2Y₁₂(Gi)→ cAMP**↓** 促進
PGI₂(プロスタサイクリン) 血管内皮細胞 cAMP↑ 抑制
NO 血管内皮細胞 cGMP↑ 抑制
セロトニン 血小板(濃染顆粒) 5-HT₂A(Gq)→Ca²⁺↑ 促進

PGI₂=血管内皮産生・cAMP↑→血小板凝集抑制
TXA₂=血小板産生・Ca²⁺↑→血小板凝集促進
セロトニンは活性化血小板から放出されて凝集を促進
⚠️ PGI₂はcAMP↑(cAMP↓ではない) → 抑制方向


🕸️ 線溶系と止血薬

プラスミノゲン
    ↓ t-PA(組織プラスミノゲン活性化因子)・u-PA
プラスミン → フィブリンを分解
    ↓
FDP・D-ダイマー(架橋フィブリン断片)

D-ダイマーは架橋フィブリンが線溶された証拠 → DVT・肺塞栓・DICの診断補助
トラネキサム酸=プラスミンのフィブリンへの結合を競合阻害 → フィブリン溶解↓

止血薬・拮抗薬まとめ

薬物 機序 用途
トラネキサム酸 プラスミンのフィブリン結合を競合的に阻害 手術出血・月経過多・血友病補助
フィトナジオン(VitK₁) VitK補充 → 凝固因子(II・VII・IX・X)合成促進 ワルファリン拮抗・新生児出血
プロタミン ヘパリンと静電気的結合→中和 ヘパリン過量の拮抗

🚨 DIC(播種性血管内凝固症候群)

基礎疾患(敗血症・悪性腫瘍・産科合併症等)
    ↓ 全身性のトロンビン産生亢進
微小血管内に多発血栓形成 → 末梢臓器障害
    ↓ 凝固因子・血小板の消費
出血傾向(皮下出血・消化管出血等)

DICの検査所見(すべて覚える):

検査項目 変化 理由
血小板数 消費
PT・APTT 延長 凝固因子の消費
フィブリノゲン 消費
FDP・D-ダイマー 線溶亢進
アンチトロンビン 消費・凝固亢進

DIC=血小板↓・PT延長・フィブリノゲン↓・FDP↑・アンチトロンビン↓
⚠️ アンチトロンビンは消費されて低下する(増加ではない)


📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 CO中毒の酸素解離曲線 左方シフト → O₂を組織に渡せない
2 EPOの産生臓器 腎臓(腎性貧血の原因)
3 TPOの産生臓器 肝臓(血小板産生促進)
4 アスピリン COX-1不可逆阻害 → TXA₂↓
5 VitK依存性凝固因子 II・VII・IX・X(VIIIはVitK非依存)
6 FVII半減期 最短(4〜6h) → ワルファリン後最初にPT延長
7 エドキサバン 直接Xa阻害・AT-III非依存
8 PGI₂ 血管内皮産生・cAMP↑ → 血小板凝集抑制
9 トラネキサム酸 プラスミンのフィブリン結合を競合阻害
10 DICの検査所見 血小板↓・PT延長・フィブリノゲン↓・FDP↑・AT↓

📝 国試過去問チェック

第110回薬剤師国家試験 問35(必須)

アンチトロンビン非依存的に血液凝固第Xa因子の活性を直接阻害する抗凝固薬はどれか。1つ選べ。

  1. エノキサパリン 2. フォンダパリヌクス 3. ダビガトランエテキシラート 4. ワルファリン 5. エドキサバン
解答と解説を見る

正解:5. エドキサバン

5○ エドキサバン(・リバーロキサバン・アピキサバン)はDOACの直接Xa阻害薬。アンチトロンビン(AT-III)を介さず、FXaに直接結合して阻害する。正しい。

1✗ エノキサパリン(低分子ヘパリン)はAT-IIIを活性化してFXaを間接阻害(AT-III依存性)。

2✗ フォンダパリヌクスは選択的FXa阻害薬だが、AT-IIIを介した間接阻害(AT-III依存性)。

3✗ ダビガトランエテキシラートは直接トロンビン(FIIa)阻害薬(Xa阻害ではない)。

4✗ ワルファリンはVKOR阻害→VitK依存性凝固因子の合成阻害(FXaを直接阻害するのではない)。


第110回薬剤師国家試験 問66(必須)

播種性血管内凝固症候群(DIC)で認められる検査所見はどれか。1つ選べ。

  1. アンチトロンビンの減少 2. FDPの減少 3. 血小板数の増加 4. プラスミノゲンの増加 5. プロトロンビン時間(PT)の短縮
解答と解説を見る

正解:1. アンチトロンビンの減少

1○ DICでは全身性にトロンビンが産生されアンチトロンビンが消費されるため低下する。診断・重症度評価の重要な指標。正しい。

2✗ DICでは線溶が亢進するためFDPは増加(減少ではない)。D-ダイマーも同様に増加。

3✗ 血小板は微小血栓形成に消費されるため減少(増加ではない)。血小板減少はDICの重要所見。

4✗ プラスミノゲンは線溶亢進に伴い消費されるため減少(増加ではない)。

5✗ DICでは凝固因子が消費されるためPTは延長(短縮ではない)。APTTも延長する。


第109回薬剤師国家試験 問32(必須)

プラスミンのフィブリンへの結合を阻害することで、止血作用を示すのはどれか。1つ選べ。

  1. フィトナジオン 2. プロタミン 3. トラネキサム酸 4. ヘモコアグラーゼ 5. カルバゾクロムスルホン酸
解答と解説を見る

正解:3. トラネキサム酸

3○ トラネキサム酸はリジン類似構造を持ちプラスミンのリジン結合部位(フィブリンへの結合部位)を競合的に占拠する。これによりプラスミンがフィブリンに結合できなくなりフィブリン溶解(線溶)が阻害される→止血効果。正しい。

1✗ フィトナジオン(VitK₁)はビタミンKを補充してVitK依存性凝固因子の産生を促進する止血薬。プラスミンへの作用ではない。

2✗ プロタミンはヘパリンと静電気的に結合してヘパリンを中和する(ヘパリンの拮抗薬)。

4✗ ヘモコアグラーゼはヘビ由来酵素でフィブリノゲンに作用して血液凝固を促進する。

5✗ カルバゾクロムスルホン酸は血管壁を強化して毛細血管の透過性を抑制する止血薬。


第107回薬剤師国家試験 問112(一般)

血小板に関わる分子についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. セロトニンは、血管の損傷部位で活性化された血小板から放出される
  2. セロトニンは、血小板のホスホジエステラーゼを活性化して、血小板凝集を抑制する
  3. ADPは、血小板内のIP₃量を増加させ、血小板凝集を促進する
  4. TXA₂は、血小板内のCa²⁺濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する
  5. PGI₂は、血小板内のcAMP量を減少させ、血小板凝集を促進する
解答と解説を見る

正解:1、4

1○ セロトニンは血小板の濃染顆粒に貯蔵されており、血管損傷部位で血小板が活性化されると放出される。放出されたセロトニンは5-HT₂A受容体を介して血管収縮・血小板凝集をさらに促進する。正しい。

4○ TXA₂はTP受容体(Gq共役)→PLC→PIP₂→IP₃→小胞体からCa²⁺放出→血小板内Ca²⁺濃度上昇→血小板凝集促進。正しい。

2✗ セロトニンは5-HT₂A受容体(Gq共役)を介してCa²⁺を上昇させ血小板凝集を促進する。ホスホジエステラーゼ活性化・凝集抑制の作用はない。

3✗ ADPは主にP2Y₁₂受容体(Gi共役)→cAMP減少→PKA活性低下→凝集促進。IP₃増加による経路はTXA₂・コラーゲン・トロンビンが担う。

5✗ PGI₂はIP受容体(Gs共役)→アデニル酸シクラーゼ活性化→cAMP増加→PKA活性化→血小板凝集抑制。cAMP減少・凝集促進は誤り。


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