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【薬剤師国試対策】放射線の遮蔽と物質相互作用を徹底整理|光電効果・コンプトン・PET/SPECT

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • α・β・γ線の透過力・電離作用・遮蔽材の違いを説明できる
  • α線の飛跡が直線状で、β線がジグザグになる理由を説明できる
  • γ線の3つの物質相互作用(光電効果・コンプトン効果・電子対生成)を説明できる
  • PETとSPECTで使われる核種・壊変形式の違いを区別できる
  • β線の透過放射線量が指数関数的に減少することを説明できる
目次
  1. 1.放射線の種類と基本性質
  2. 2.α線・β線の飛跡の違い
  3. β線の透過放射線量
  4. 3.γ線の3つの物質相互作用
  5. 4.PET と SPECT の違い
  6. 主な核種と用途
  7. 5.国試頻出まとめ
  8. 6.国試過去問チェック

☢️ 放射線の種類と基本性質

放射線は粒子放射線電磁波放射線の2つに大別される。

放射線 実体 電荷 透過力 電離作用 遮蔽材
α線 ヘリウム原子核(⁴He²⁺) +2 最小 最大 紙・皮膚
β線 電子(e⁻)または陽電子(e⁺) ±1 中間 中間 アルミニウム板
γ線・X線 電磁波(光子) 0 最大 最小 鉛・厚いコンクリート
中性子線 中性子 0 非常に大 間接電離 水・ポリエチレン

電離作用:α線 > β線 > γ線
透過力:γ線 > β線 > α線(電離作用と逆順)


🔬 α線・β線の飛跡の違い

放射線 飛跡の形 理由
α線 直線状(太い) 質量が大きく、方向が変わりにくい
β線 ジグザグ(細い) 質量が小さく、原子核の電場で方向が変わりやすい

⚠️ α線の飛跡は「直線状」! ジグザグになるのはβ線!

β線の透過放射線量

⚠️ β線の透過放射線量は「指数関数的」に減少!「直線的」ではない!

α線は一定距離(飛程)を進んだ後に急激に止まる(飛程を過ぎると急減)。β線・γ線はともに指数関数的に減少する。


⚡ γ線の3つの物質相互作用

γ線(光子)はエネルギーによって3種類の反応で物質と相互作用する。

相互作用 エネルギー範囲 仕組み
光電効果 (< 0.5 MeV) 光子が原子に吸収され、光電子を放出。光子は消滅
コンプトン効果 (0.5〜5 MeV) 光子が電子と非弾性散乱。エネルギーが低下して散乱
電子対生成 (> 1.02 MeV) 光子が消滅し、電子+陽電子のペアが生成

低エネルギー → 光電、中エネルギー → コンプトン、高エネルギー → 電子対生成


🏥 PET と SPECT の違い

項目 PET SPECT
壊変形式 β⁺壊変(陽電子放出) γ線放出・核異性体転移
検出する放射線 消滅放射線(511 keV × 2本同時) γ線(1本)
代表核種 ¹⁸F、¹¹C、¹³N、¹⁵O ⁹⁹ᵐTc、¹²³I、⁶⁷Ga
特徴 高感度・高解像度 広く普及・核種の種類が豊富

PETの原理: β⁺(陽電子)放出 → 周囲の電子と消滅 → 180°反対方向に511 keVのγ線2本を同時放出 → 同時計数で位置を特定

⚠️ ⁶⁷Ga・¹²³I は SPECT 核種(γ線放出)。PETは¹⁸Fが代表。
⚠️ ¹⁵O は PET 核種(β⁺壊変・半減期2分)。SPECTではない。

主な核種と用途

核種 半減期 検査法 用途
¹⁸F 110分 PET ¹⁸F-FDGでがん・脳代謝
⁹⁹ᵐTc 6時間 SPECT 骨・脳・心臓・腎臓など
¹²³I 13時間 SPECT 甲状腺機能検査
⁶⁷Ga 78時間 SPECT 炎症・腫瘍
¹⁵O 2分 PET 脳血流・酸素代謝

📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 電離作用 α > β > γ(α線が最強)
2 透過力 γ > β > α(α線は紙で遮蔽)
3 α線の飛跡 直線状(ジグザグはβ線)
4 β線の透過 指数関数的に減少(直線的ではない)
5 γ線の相互作用 低E→光電、中E→コンプトン、高E→電子対生成
6 PET核種 β⁺壊変(¹⁸F・¹⁵O など)→ 511 keV × 2本
7 SPECT核種 γ線放出(⁹⁹ᵐTc・¹²³I・⁶⁷Ga)
8 ⁹⁹ᵐTcの壊変 核異性体転移(半減期6時間)
9 放射線の分類 粒子放射線(α・β・中性子)+ 電磁波放射線(γ・X線)

📝 国試過去問チェック

第108回薬剤師国家試験 問91(一般)

放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。

2. α線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。

3. β⁻線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。

4. 電離作用の強さは、α線 < β⁻線 < γ線の順である。

5. γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。

解答と解説を見る

正解:1、5

1○ 放射線は粒子放射線(α線・β線・中性子線など)と電磁波放射線(γ線・X線)に大別される。正しい。

5○ γ線(光子)の物質との相互作用は光電効果・コンプトン効果・電子対生成の3種類。これらによりエネルギーを失う。正しい。

2✗ α線の飛跡は直線状。質量が大きく(ヘリウム原子核)、方向が変わりにくいため直進する。ジグザグになるのはβ線(電子)。

3✗ β線の透過放射線量は指数関数的に減少する。「直線的」ではない。

4✗ 電離作用の強さは α線 > β線 > γ線。α線が最も強い電離作用をもつ(飛程が短く単位距離あたりの電離量が多い)。選択肢は順序が逆。


第108回薬剤師国家試験 問100(一般)

核医学画像診断法と、使用される放射性核種の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。

__診断法  核種

1. PET   ⁶⁷Ga

2. PET   ¹²³I

3. PET   ¹⁸F

4. SPECT  ⁹⁹ᵐTc

5. SPECT  ¹⁵O

解答と解説を見る

正解:3、4

3○ ¹⁸FはPET核種(β⁺壊変・半減期110分)。¹⁸F-FDGとしてがん・脳代謝検査に最も広く使用される。正しい。

4○ ⁹⁹ᵐTcはSPECT核種(核異性体転移・半減期6時間)。SPECTで最も広く使用される核種。正しい。

1✗ ⁶⁷GaはSPECT核種(γ線放出・半減期78時間)。炎症・腫瘍シンチグラフィーに使用。PETではない。

2✗ ¹²³IもSPECT核種(γ線放出・半減期13時間)。甲状腺機能検査に使用。PETではない。

5✗ ¹⁵OはPET核種(β⁺壊変・半減期2分)。脳血流・酸素代謝検査に使用。SPECTではない。


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