受容体の大分類
薬が結合する受容体は、大きく4種類に分けられます。
| 種類 | 別名 | 主な例 |
|---|---|---|
| Gタンパク質共役型受容体 | GPCR | アドレナリン受容体、ムスカリン受容体など |
| イオンチャネル型受容体 | 配位子依存性イオンチャネル | GABA_A受容体、ニコチン受容体など |
| 酵素型受容体 | チロシンキナーゼ型 | インスリン受容体、成長因子受容体など |
| 核内受容体 | 転写因子型 | ステロイドホルモン受容体など |
国試では特に**GPCRの種類(Gi・Gs・Gq)**がよく問われます。
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の詳細
GPCRは、結合するGタンパク質の種類によってGs型・Gi型・Gq型に分けられます。
Gs型(cAMPが増える)
アデニル酸シクラーゼを活性化 → cAMP増加
| 受容体 | 場所・作用 |
|---|---|
| アドレナリン β₁受容体 | 心臓:心拍数・収縮力↑ |
| アドレナリン β₂受容体 | 気管支平滑筋弛緩・子宮弛緩 |
| ヒスタミン H₂受容体 | 胃壁細胞:胃酸分泌↑ |
| アセチルコリン M₂受容体(一部) | 心臓抑制 |
覚え方:「Gsは**Go!**でcAMPを増やして興奮させる」
Gi型(cAMPが減る)
アデニル酸シクラーゼを抑制 → cAMP減少
| 受容体 | 場所・作用 |
|---|---|
| アドレナリン α₂受容体 | ノルアドレナリン放出抑制(シナプス前) |
| アセチルコリン M₂受容体 | 心臓:心拍数↓(K⁺チャネル開口も) |
| オピオイド μ・δ・κ受容体 | 鎮痛・呼吸抑制 |
| ドパミン D₂受容体 | 線条体:運動制御 |
覚え方:「GiはブレーキでcAMPを減らして抑制する」
Gq型(IP₃・DAGが増える)
ホスホリパーゼCを活性化 → IP₃・DAG増加 → Ca²⁺遊離・PKC活性化
| 受容体 | 場所・作用 |
|---|---|
| アドレナリン α₁受容体 | 血管収縮・瞳孔散大 |
| アセチルコリン M₁・M₃受容体 | 腺分泌↑・平滑筋収縮 |
| ヒスタミン H₁受容体 | 気管支収縮・血管拡張・かゆみ |
| アンジオテンシンII AT₁受容体 | 血管収縮・アルドステロン分泌 |
覚え方:「GqはCa²⁺でぐいっと収縮させる」
イオンチャネル型受容体
リガンドが結合すると直接イオンチャネルが開く、最も速い受容体です。
| 受容体 | 透過するイオン | 作用 |
|---|---|---|
| GABA_A受容体 | Cl⁻(流入) | 過分極→抑制 |
| ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR) | Na⁺・Ca²⁺(流入) | 脱分極→興奮 |
| グルタミン酸 NMDA受容体 | Na⁺・Ca²⁺(流入) | 興奮・シナプス可塑性 |
GABA_A受容体には複数の結合部位があり、それぞれ異なる薬が作用します:
- ベンゾジアゼピン結合部位:ミダゾラム、ジアゼパムなど(Cl⁻チャネルの開口頻度↑)
- バルビツール酸結合部位:チオペンタールなど(Cl⁻チャネルの開口時間↑)
- GABA結合部位:GABA自身が結合
酵素型受容体(チロシンキナーゼ型)
リガンドが結合すると受容体自身がチロシンキナーゼとして活性化します。
| 受容体 | リガンド | 作用 |
|---|---|---|
| インスリン受容体 | インスリン | 血糖低下・グリコーゲン合成促進 |
| EGF受容体(HER1) | 上皮成長因子 | 細胞増殖 |
| HER2 | — | 乳がんで過剰発現 |
ポイント:インスリン受容体はGタンパク質を介さない!国試でひっかけとして出やすい。
まとめ:受容体分類の早見表
| 受容体 | 型 | 細胞内シグナル |
|---|---|---|
| α₁(アドレナリン) | Gq | IP₃↑・Ca²⁺↑ |
| α₂(アドレナリン) | Gi | cAMP↓ |
| β₁・β₂(アドレナリン) | Gs | cAMP↑ |
| M₁・M₃(ムスカリン) | Gq | IP₃↑・Ca²⁺↑ |
| M₂(ムスカリン) | Gi | cAMP↓・K⁺チャネル↑ |
| H₁(ヒスタミン) | Gq | IP₃↑・Ca²⁺↑ |
| H₂(ヒスタミン) | Gs | cAMP↑ |
| GABA_A | イオンチャネル型 | Cl⁻流入 |
| インスリン受容体 | 酵素型 | チロシンキナーゼ活性化 |
第111回 国試過去問チェック
問26(第111回 必須問題)
Giタンパク質共役型受容体はどれか。1つ選べ。
- アドレナリン α₂受容体
- アセチルコリン M₃受容体
- γ-アミノ酪酸 GABA_A受容体
- ヒスタミン H₂受容体
- インスリン受容体
正答:1
解説:
- α₂受容体 → Gi型(正解)
- M₃受容体 → Gq型(× )
- GABA_A受容体 → イオンチャネル型(× GPCRではない)
- H₂受容体 → Gs型(× )
- インスリン受容体 → 酵素型(チロシンキナーゼ型)(× GPCRではない)
試験のコツ:GABA_A受容体とインスリン受容体はGPCRではないというひっかけが頻出!まず型を確認することが大切です。
