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国試頻出!受容体の種類と覚え方|Gi・Gs・Gqタンパク質共役型を完全攻略

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • 受容体の4種類(GPCR・イオンチャネル型・酵素型・核内受容体)を区別できる
  • Gs・Gi・Gqの違いとセカンドメッセンジャー・代表的受容体を説明できる
  • GqシグナルのPLC→IP₃・DAG→Ca²⁺・PKCの流れをフローで説明できる
  • サイトカイン受容体型(JAK-STAT)とANP受容体(膜結合型グアニル酸シクラーゼ)の特徴を説明できる
  • α受容体・M受容体・H受容体のGタンパク質サブタイプ(Gs/Gi/Gq)を即答できる
目次
  1. 1.受容体の大分類
  2. 2.Gタンパク質共役型受容体(GPCR)
  3. Gs型(cAMP↑)
  4. Gi型(cAMP↓)
  5. Gq型(Ca²⁺↑)
  6. Gタンパク質サブタイプの比較
  7. 3.イオンチャネル型受容体
  8. 4.酵素型・サイトカイン受容体型
  9. 5.受容体分類 早見表
  10. 6.国試頻出まとめ
  11. 7.国試過去問チェック

🗂️ 受容体の大分類

種類 別名 主な例
Gタンパク質共役型受容体 GPCR・7回膜貫通型 アドレナリン受容体・ムスカリン受容体
イオンチャネル型受容体 配位子依存性イオンチャネル GABA_A受容体・ニコチン受容体
酵素型受容体 チロシンキナーゼ型など インスリン受容体・成長因子受容体
核内受容体 転写因子型 ステロイドホルモン受容体・レチノイン酸受容体

国試では特にGPCRのサブタイプ(Gs・Gi・Gq)が頻出
GABA_A受容体とインスリン受容体はGPCRではない(イオンチャネル型・酵素型)


📡 Gタンパク質共役型受容体(GPCR)

Gs型(cAMP↑)

Gs共役受容体が活性化
    ↓
GsがGTPと結合(GDP→GTP交換)→ アデニル酸シクラーゼ(AC)を活性化
    ↓
ATP → cAMP↑
    ↓
プロテインキナーゼA(PKA)が活性化
    ↓
Ser/Thr残基のリン酸化 → 細胞応答
受容体 場所・作用
アドレナリン β₁受容体 心臓:心拍数・収縮力↑
アドレナリン β₂受容体 気管支平滑筋弛緩・子宮弛緩
ヒスタミン H₂受容体 胃壁細胞:胃酸分泌↑

Gi型(cAMP↓)

Gi共役受容体が活性化
    ↓
GiがGTPと結合 → アデニル酸シクラーゼ(AC)を抑制
    ↓
cAMP↓ → PKA活性低下
    ↓
M₂受容体の場合:Kチャネル開口→K⁺流出→過分極→心拍数↓
受容体 場所・作用
アドレナリン α₂受容体 ノルアドレナリン放出抑制(シナプス前)
アセチルコリン M₂受容体 心臓:心拍数↓(K⁺チャネル開口も)
オピオイド μ・δ・κ受容体 鎮痛・呼吸抑制
ドパミン D₂受容体 線条体:運動制御

Gq型(Ca²⁺↑)

Gq共役受容体が活性化
    ↓
GqがGTPと結合 → ホスホリパーゼC-β(PLC-β)を活性化
    ↓
PIP₂(ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸)を分解
    ↓
┌── IP₃(水溶性)→ 小胞体のIP₃受容体に結合 → Ca²⁺放出
└── DAG(脂溶性)→ プロテインキナーゼC(PKC)を活性化
                        ↓
                  Ser/Thr残基のリン酸化 → 細胞応答
受容体 場所・作用
アドレナリン α₁受容体 血管収縮・瞳孔散大・子宮収縮
アセチルコリン M₁・M₃受容体 腺分泌↑・平滑筋収縮
ヒスタミン H₁受容体 気管支収縮・血管拡張・かゆみ
アンジオテンシンII AT₁受容体 血管収縮・アルドステロン分泌

Gq→PLC-β→PIP₂→IP₃(Ca²⁺放出)+DAG(PKC活性化)
GqはGTPを加水分解(ATPではない)
脂溶性セカンドメッセンジャー=DAG(アラキドン酸ではない)
PKCはSer/Thrキナーゼ(チロシン残基をリン酸化するのはRTK)

Gタンパク質サブタイプの比較

Gタンパク質 エフェクター セカンドメッセンジャー 代表的受容体
Gs アデニル酸シクラーゼ(AC)↑ cAMP↑ → PKA活性化 β₁・β₂受容体、H₂受容体
Gi AC↓ cAMP↓ α₂受容体、M₂受容体、オピオイドμ受容体
Gq PLC-β↑ IP₃(Ca²⁺↑)+DAG(PKC↑) α₁受容体、M₁・M₃受容体、H₁受容体

イオンチャネル型受容体

リガンドが結合すると直接イオンチャネルが開く、最も速い受容体。

受容体 透過するイオン 作用
GABA_A受容体 Cl⁻(流入) 過分極→抑制
ニコチン性AChR(nAChR) Na⁺・Ca²⁺(流入) 脱分極→興奮
グルタミン酸 NMDA受容体 Na⁺・Ca²⁺(流入) 興奮・シナプス可塑性
GABA_A受容体への結合部位と薬物:

GABA結合部位
    ← GABA(内因性リガンド)→ Cl⁻チャネル開口

ベンゾジアゼピン結合部位(GABA存在下でのみ有効)
    ← ミダゾラム・ジアゼパム → Cl⁻チャネルの開口頻度↑

バルビツール酸結合部位
    ← チオペンタール → Cl⁻チャネルの開口時間↑

ベンゾジアゼピン=開口頻度↑、バルビツール酸=開口時間↑
GABA_A受容体はGPCRではない(イオンチャネル型)


酵素型・サイトカイン受容体型

インスリン受容体(チロシンキナーゼ型):
インスリン結合 → 受容体のβサブユニットが二量体化
    ↓
βサブユニットの自己リン酸化(チロシン残基)
    ↓
IRS-1(インスリン受容体基質)のリン酸化
    ↓
PI3K → PIP₃ → PDK1 → Akt(PKB)活性化
    ↓
GLUT4の細胞膜移行 → グルコース取り込み↑

JAK-STAT経路(サイトカイン受容体型):
サイトカイン(IFN-α・EPO等)が受容体に結合 → 受容体が二量体化
    ↓
受容体に結合したJAKが活性化(受容体自体にキナーゼ活性なし)
    ↓
JAKがSTATをリン酸化(チロシン残基)
    ↓
STATが二量体化 → 核内移行 → 遺伝子発現調節

ANP受容体(膜結合型グアニル酸シクラーゼ型):
ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)が結合
    ↓
受容体内蔵の膜結合型グアニル酸シクラーゼが活性化
    ↓
GTP → cGMP↑ → PKG活性化 → Na⁺排泄↑・血圧↓
受容体 特徴
インスリン受容体 チロシンキナーゼ型 インスリン結合→βサブユニットの自己リン酸化
IFN-α受容体・EPO受容体 サイトカイン受容体型(JAK-STAT) 受容体自体にキナーゼ活性なし→結合したJAKが活性化
ANP受容体 膜結合型グアニル酸シクラーゼ型 cGMP↑→PKG活性化→血圧↓

インスリン受容体=チロシンキナーゼ型(Gタンパク質を介さない)
ANP受容体=膜結合型グアニル酸シクラーゼ(可溶性グアニル酸シクラーゼ=NOの受容体)
JAK-STAT経路では受容体自体にキナーゼ活性がない(結合したJAKが担う)


📊 受容体分類 早見表

受容体 Gタンパク質型 細胞内シグナル
α₁(アドレナリン) Gq PLC↑→IP₃↑・Ca²⁺↑・DAG↑・PKC↑
α₂(アドレナリン) Gi cAMP↓
β₁・β₂(アドレナリン) Gs cAMP↑→PKA↑
M₁・M₃(ムスカリン) Gq PLC↑→IP₃↑・Ca²⁺↑
M₂(ムスカリン) Gi cAMP↓・K⁺チャネル開口↑
H₁(ヒスタミン) Gq PLC↑→IP₃↑・Ca²⁺↑
H₂(ヒスタミン) Gs cAMP↑→胃酸分泌↑
GABA_A イオンチャネル型 Cl⁻流入→過分極
nAChR(ニコチン) イオンチャネル型 Na⁺・Ca²⁺流入→脱分極
インスリン受容体 酵素型(チロシンキナーゼ) βサブユニット自己リン酸化
ANP受容体 酵素型(グアニル酸シクラーゼ) cGMP↑

H₁=Gq(気管支収縮・かゆみ)、H₂=Gs(胃酸分泌)
M₂=Gi(心拍数↓)、M₁・M₃=Gq(腺分泌・平滑筋収縮)


国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 Gs受容体 β₁・β₂・H₂ → cAMP↑ → PKA活性化
2 Gi受容体 α₂・M₂・オピオイドμ → cAMP↓
3 Gq受容体 α₁・M₁・M₃・H₁・AT₁ → IP₃↑・Ca²⁺↑・DAG↑
4 GqはGTPを加水分解(ATPではない) Gタンパク質共通の特徴
5 脂溶性セカンドメッセンジャー DAG(アラキドン酸ではない)
6 PKCのリン酸化対象 Ser/Thr残基(チロシン残基はRTK)
7 ベンゾジアゼピン GABA_A受容体の開口頻度↑
8 バルビツール酸 GABA_A受容体の開口時間↑
9 ANP受容体 膜結合型グアニル酸シクラーゼ(cGMP↑)
10 JAK-STAT 受容体自体にキナーゼ活性なし→結合したJAKが活性化

📝 国試過去問チェック

第111回薬剤師国家試験 問26(必須)

Giタンパク質共役型受容体はどれか。1つ選べ。

  1. アドレナリン α₂受容体 2. アセチルコリン M₃受容体 3. γ-アミノ酪酸 GABA_A受容体 4. ヒスタミン H₂受容体 5. インスリン受容体
解答と解説を見る

正解:1. アドレナリン α₂受容体

1○ α₂受容体はGi共役型→アデニル酸シクラーゼ抑制→cAMP↓。シナプス前膜ではノルアドレナリン放出を自己抑制する。正しい。

2✗ M₃受容体はGq共役型→PLC↑→IP₃↑・Ca²⁺↑(腺分泌・平滑筋収縮)。GiではなくGq。

3✗ GABA_A受容体はイオンチャネル型受容体(Cl⁻チャネル)。GPCRではない。

4✗ H₂受容体はGs共役型→cAMP↑→PKA活性化→胃壁細胞の胃酸分泌↑。GiではなくGs。

5✗ インスリン受容体は酵素型(チロシンキナーゼ型)。GPCRではなく、βサブユニットが自己リン酸化する。


第111回薬剤師国家試験 問120(一般)

Gqタンパク質共役型受容体が活性化されたとき、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. GqタンパクはATPを加水分解する
  2. エフェクター酵素はホスホリパーゼCである
  3. セカンドメッセンジャー(脂溶性)はアラキドン酸である
  4. セカンドメッセンジャー(IP₃)は小胞体からCa²⁺を放出させる
  5. PKCは基質のチロシン残基をリン酸化する
解答と解説を見る

正解:2、4

2○ Gq共役受容体の下流エフェクター酵素はホスホリパーゼC-β(PLC-β)。PIP₂をDAGとIP₃に分解する。正しい。

4○ IP₃(水溶性セカンドメッセンジャー)は小胞体のIP₃受容体に結合し、小胞体内のCa²⁺を細胞質へ放出させる。正しい。

1✗ Gタンパク質のαサブユニットはGTPを加水分解(GTPase活性)してGDPに変換する。ATPではない。

3✗ 脂溶性セカンドメッセンジャーはDAG(ジアシルグリセロール)。アラキドン酸はDAGからジアシルグリセロールリパーゼ(またはPLA₂)によって別途産生される代謝産物であり、直接のセカンドメッセンジャーではない。

5✗ PKC(プロテインキナーゼC)はSer/Thrキナーゼ(セリン・スレオニン残基をリン酸化)。チロシン残基をリン酸化するのは受容体型チロシンキナーゼ(RTK)。


第107回薬剤師国家試験 問151(一般)

細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ヒスタミンH₁受容体が刺激されると、GsタンパクでACが活性化される
  2. インスリン受容体が刺激されると、インスリン受容体βサブユニットの自己リン酸化が起こる
  3. IFN-α受容体が刺激されると、JAKのチロシンキナーゼが活性化される
  4. オピオイドμ受容体が刺激されると、GqでホスホリパーゼCが活性化される
  5. ANP受容体が刺激されると、可溶性グアニル酸シクラーゼが活性化される
解答と解説を見る

正解:2、3

2○ インスリン受容体はチロシンキナーゼ型受容体。インスリン結合→受容体βサブユニットが二量体化→チロシン残基の自己リン酸化→IRS-1のリン酸化→PI3K/Akt経路→GLUT4移行→グルコース取り込み↑。正しい。

3○ IFN-α受容体はサイトカイン受容体型(受容体自体にキナーゼ活性なし)。IFN-α結合→受容体に結合しているJAK1・TYK2が活性化→STATをリン酸化→STAT二量体が核内移行→抗ウイルス遺伝子の発現↑。正しい。

1✗ H₁受容体はGq共役型→PLC-β活性化→IP₃・DAG産生→Ca²⁺上昇・PKC活性化。GsではなくGq。

4✗ オピオイドμ受容体はGi共役型→アデニル酸シクラーゼ抑制→cAMP↓。GqではなくGi。

5✗ ANP受容体は膜結合型グアニル酸シクラーゼ(受容体自体がグアニル酸シクラーゼ活性を持つ)。可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化するのはNO(一酸化窒素)。


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