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🏥 病態・薬物治療

アレルギー性鼻炎の病態と薬物治療【国試頻出】通年性・季節性・減感作療法

📅 2026年5月20日🔄 更新: 2026年5月21日
📖 この記事でわかること
  • アレルギー性鼻炎の治療薬(抗ヒスタミン薬・ステロイド点鼻・抗ロイコトリエン薬)がわかる
  • COPDと間質性肺炎(IPF)の吸入薬・抗線維化薬の違いと適応がわかる
  • 喀血・慢性副鼻腔炎・マイコプラズマ肺炎の治療方針と禁忌がわかる
  • 吸入薬(LABA・LAMA・ICS)の組み合わせと代表薬がわかる
  • 国試頻出10テーマと3問分の過去問解説がわかる
目次
  1. 1.アレルギー性鼻炎
  2. 分類と原因アレルゲン
  3. 病態(即時型アレルギー反応)
  4. 症状分類と治療薬の選択
  5. 主な治療薬
  6. アレルゲン免疫療法(減感作療法)
  7. 2.喀血と疾患の鑑別
  8. 喀血(かっけつ)とは
  9. 出血の経路による区別
  10. 喀血を生じる主な疾患
  11. 3.特発性肺線維症(IPF)の治療
  12. IPFとは
  13. 治療薬
  14. 間質性肺炎の診断マーカー
  15. 薬剤性間質性肺炎をきたす薬剤
  16. 4.COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  17. 病態と診断
  18. GOLD分類(重症度)
  19. 5.慢性副鼻腔炎とマクロライド少量長期療法
  20. 6.マイコプラズマ肺炎(非定型肺炎)
  21. マイコプラズマ肺炎の特徴
  22. 非定型肺炎の原因菌と治療薬比較
  23. 7.国試頻出まとめ
  24. 8.国試過去問チェック

🌬️ アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は国試で毎年出題される重要テーマです。**Ⅰ型アレルギー(即時型)**によって起こります。

分類と原因アレルゲン

分類 原因アレルゲン 時期
通年性 ダニ・ハウスダストが最多、ゴキブリ・ペットなど 1年中
季節性(花粉症) スギ(2〜4月)・ヒノキ・イネ科など 特定の季節

⚠️ 「通年性の原因はスギ花粉が最多」は誤り! スギは季節性の代表。通年性はダニ・ハウスダストが最多

病態(即時型アレルギー反応)

段階 内容
① 感作期 アレルゲン吸入 → IgE産生 → 肥満細胞に結合
② 即時相 再暴露 → IgEとアレルゲンが結合 → 肥満細胞からヒスタミン・ロイコトリエン遊離 → くしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉
③ 遅発相 好酸球・好中球などの浸潤 → 慢性炎症

症状分類と治療薬の選択

分類 症状 有効な治療
くしゃみ鼻漏型 くしゃみ・水様性鼻汁 抗ヒスタミン薬 ✓
鼻閉型 鼻づまり 鼻噴霧ステロイド ✓・抗ロイコトリエン薬 ✓
充全型 両方 鼻噴霧ステロイド ✓(両型に有効)

主な治療薬

薬剤 分類 作用
ビラスチン・フェキソフェナジン 第2世代抗ヒスタミン薬 H₁受容体遮断→くしゃみ・鼻汁抑制
フルチカゾン(鼻噴霧) 局所ステロイド 炎症全般を抑制→くしゃみ・鼻汁・鼻閉の全症状に有効
プランルカスト・モンテルカスト ロイコトリエン受容体拮抗薬(CysLT₁拮抗) 鼻閉・鼻汁に有効
クロモグリク酸 肥満細胞安定化薬(メディエーター遊離抑制) 予防的に使用
ラマトロバン TXA₂TP受容体+DP₂(CRTH2)受容体拮抗 鼻粘膜の炎症軽減
オマリズマブ 抗IgE抗体 難治性のスギ花粉症
デュピルマブ 抗IL-4受容体α鎖抗体 難治性副鼻腔炎合併例

アレルゲン免疫療法(減感作療法)

項目 内容
原理 原因アレルゲンを少量から徐々に投与 → 免疫寛容を誘導
期間 通常3〜5年継続(2〜3週間では終了しない!)
投与経路 皮下注射(SCIT)・舌下投与(SLIT)
特徴 根治に近い効果が期待できる唯一の治療法

🫁 喀血と疾患の鑑別

喀血(かっけつ)とは

気道(気管・気管支・肺)からの出血が咳とともに口から出る。鮮紅色・泡沫状が多い。

出血の経路による区別

名称 出血源 疾患例
喀血 気道・肺 気管支拡張症・肺結核・肺がん・肺塞栓
吐血(おうけつ) 消化管(食道・胃・十二指腸) 胃潰瘍・食道静脈瘤・マロリーワイス症候群

喀血を生じる主な疾患

疾患 喀血の特徴
気管支拡張症 大量喀血になりうる(気管支壁の血管が脆弱化・拡張)
肺結核 空洞形成した血管からの出血
肺がん 腫瘍による血管侵食
肺塞栓 肺梗塞時の喀血

🧬 特発性肺線維症(IPF)の治療

IPFとは

項目 内容
病態 原因不明の肺実質の進行性線維化疾患
画像所見 蜂巣肺(ハニカムパターン)・牽引性気管支拡張(CT)
予後 不良(中央生存期間 約2〜3年)
換気障害 拘束性換気障害(肺が硬く膨らみにくい)

治療薬

薬剤 分類 機序
ピルフェニドン(ピレスパ) 抗線維化薬 TGF-β産生抑制・線維芽細胞増殖抑制。光線過敏症注意
ニンテダニブ(オフェブ) 抗線維化薬(チロシンキナーゼ阻害) FGFR・PDGFR・VEGFR阻害→線維化抑制。下痢副作用多い

⚠️ 間違えやすい薬剤

  • ゲフィチニブ(EGFR阻害薬)→ 肺がんの治療薬だが、副作用で間質性肺炎を誘発
  • ブレオマイシン(抗がん薬)→ 副作用で肺線維症を誘発(IPFの治療薬ではない)

間質性肺炎の診断マーカー

マーカー 用途
KL-6(シアル化糖鎖抗原) 間質性肺炎に特異的。肺胞Ⅱ型細胞から産生。診断・病勢評価に使用
SP-D(サーファクタントプロテインD) 間質性肺炎(補助マーカー)

間質性肺炎の聴診所見:吸気時のベルクロラ音(fine crackles)—髪をこするような細かい断続音

薬剤性間質性肺炎をきたす薬剤

薬剤 本来の用途
ゲフィチニブ EGFR阻害薬(肺がん)
メトトレキサート 抗リウマチ薬・抗がん薬
ブレオマイシン 抗がん薬
アミオダロン 抗不整脈薬
小柴胡湯(オウゴン含有) 漢方薬。インターフェロンとの併用禁忌

💨 COPD(慢性閉塞性肺疾患)

病態と診断

項目 内容
病態 末梢気道病変(炎症・線維化)と気腫性病変(肺胞壁破壊)が混在
換気障害 閉塞性換気障害(FEV₁/FVC低下)
診断基準 気管支拡張薬吸入後 FEV₁/FVC < 70%

GOLD分類(重症度)

病期 %FEV₁ 症状
GOLD 1(軽症) ≥ 80% 慢性咳嗽・喀痰
GOLD 2(中等症) 50〜79% 労作時息切れ
GOLD 3(重症) 30〜49% 労作時息切れ増悪
GOLD 4(最重症) < 30% 安静時呼吸困難、QOL著明低下

⚠️ CO₂ナルコーシスに注意 慢性CO₂貯留があるCOPD患者では、呼吸中枢が低酸素刺激で換気を維持している。高流量酸素を投与すると換気が抑制→CO₂がさらに蓄積→意識障害。 → 低流量酸素療法(1〜2 L/分)が原則


🔵 慢性副鼻腔炎とマクロライド少量長期療法

項目 内容
治療薬 クラリスロマイシン・ロキシスロマイシン
用量 通常用量の1/2量を3〜6か月投与
作用 抗炎症作用・粘液産生抑制・線毛運動改善(抗菌作用を使うのではない)
対象疾患 慢性副鼻腔炎・びまん性汎細気管支炎・気管支拡張症

🦠 マイコプラズマ肺炎(非定型肺炎)

マイコプラズマ肺炎の特徴

項目 内容
原因菌 Mycoplasma pneumoniae細胞壁なし
好発 小児〜若者(非定型肺炎の代表)
症状 乾性咳嗽が長引く。聴診でラ音なし(胸部X線と乖離)
治療 マクロライド系(第1選択)・テトラサイクリン系・ニューキノロン系

⚠️ βラクタム系(ペニシリン・セフェム・カルバペネム)は無効 → 細胞壁合成阻害薬は細胞壁のないマイコプラズマに効かない

非定型肺炎の原因菌と治療薬比較

原因菌 細胞壁 治療薬
Mycoplasma pneumoniae なし マクロライド・テトラサイクリン・ニューキノロン
Chlamydophila pneumoniae あり(異型) マクロライド・テトラサイクリン・ニューキノロン
Legionella pneumophila あり(グラム陰性) ニューキノロン(第1選択)・マクロライド

📋 国試頻出まとめ

# テーマ 重要ポイント
1 通年性アレルギー性鼻炎の原因 ダニ・ハウスダストが最多(スギではない)
2 鼻噴霧ステロイドの効果 くしゃみ・鼻汁・鼻閉の全症状に有効
3 減感作療法の期間 3〜5年継続(2〜3週間では終了しない)
4 難治性アレルギー性鼻炎 オマリズマブ(抗IgE抗体)
5 喀血の代表疾患 気管支拡張症・肺結核・肺がん(消化管は「吐血」)
6 IPFの治療薬 ピルフェニドンニンテダニブ(抗線維化薬)
7 間質性肺炎のマーカー KL-6(特異的)
8 COPDの換気障害 閉塞性(FEV₁/FVC低下)。高流量酸素はCO₂ナルコーシスリスク
9 マクロライド少量長期療法 慢性副鼻腔炎・びまん性汎細気管支炎に使用
10 マイコプラズマ肺炎の治療 マクロライド系(第1選択)。βラクタム系は無効

📝 国試過去問チェック

第111回 問157(アレルギー性鼻炎)

アレルギー性鼻炎の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 通年性アレルギー性鼻炎の原因では、スギ花粉が最も多い。
  2. 季節性アレルギー性鼻炎は、アレルギー性結膜炎を併発しやすい。
  3. 鼻噴霧用副腎皮質ステロイド薬は、くしゃみ鼻漏型と鼻閉型の両方に有効である。
  4. 既存治療で効果不十分な難治例に対しては、エタネルセプトが適用される。
  5. 減感作療法は、通常2〜3週間で終了する。
解答と解説を見る

正答:2・3

1❌ 通年性アレルギー性鼻炎の原因はダニ・ハウスダストが最多。スギ花粉は季節性の代表。2✅ 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)では、花粉が結膜にも付着するためアレルギー性結膜炎を高頻度で合併する。3✅ 鼻噴霧ステロイド(フルチカゾン等)はくしゃみ・鼻汁・鼻閉のすべての症状に有効。4❌ エタネルセプトは抗TNF-α製剤で関節リウマチの治療薬。難治性アレルギー性鼻炎にはオマリズマブ(抗IgE抗体)が用いられる。5❌ 減感作療法は通常3〜5年継続する。2〜3週間は誤り。


第110回 問67(特発性肺線維症の治療)

特発性肺線維症の治療に用いられるのはどれか。1つ選べ。

  1. アベマシクリブ
  2. インターフェロン アルファ
  3. ゲフィチニブ
  4. ピルフェニドン
  5. ブレオマイシン
解答と解説を見る

正答:4

4✅ ピルフェニドン(ピレスパ)はTGF-β産生を抑制する抗線維化薬で、IPFの進行を抑制する。ニンテダニブ(オフェブ)も同様に使用される。1❌ アベマシクリブ → CDK4/6阻害薬(乳がん)。2❌ インターフェロンα → C型肝炎・悪性腫瘍。3❌ ゲフィチニブ → EGFR阻害薬(肺がん)。逆に副作用として間質性肺炎を誘発することがある。5❌ ブレオマイシン → 抗がん薬。副作用で肺線維症を誘発する(治療薬ではない)。


第107回 問57(間質性肺炎のマーカー)

間質性肺炎の指標として、特異度が高いのはどれか。1つ選べ。

  1. アミラーゼ(AMY)
  2. 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)
  3. クレアチンキナーゼ(CK)
  4. グリコヘモグロビン(HbA₁c)
  5. シアル化糖鎖抗原(KL-6)
解答と解説を見る

正答:5

5✅ **KL-6(シアル化糖鎖抗原KL-6)**は肺胞Ⅱ型細胞・気管支上皮細胞から産生され、間質性肺炎の診断・病勢評価に特異性が高い。1❌ アミラーゼ → 膵疾患・唾液腺疾患のマーカー。2❌ BNP → 心不全のマーカー。3❌ CK → 筋疾患・急性心筋梗塞のマーカー。4❌ HbA₁c → 糖尿病の長期血糖コントロール指標。

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