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【薬剤師国試対策】分光分析(UV/IR/原子吸光)を徹底整理|光源・官能基・重金属定量

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • UV-Vis吸収における発色団・助色団の役割を説明できる
  • UV検出器・可視検出器の光源の違いを説明できる
  • IRスペクトルから主要官能基(C=O・O-H・N-H)の吸収波数を読み取れる
  • 原子吸光光度法の原理・光源・原子化方法を説明できる
  • 原子吸光とUV-Visの光源の違い(中空陰極ランプ vs 重水素放電管)を区別できる
目次
  1. 1.UV-Vis吸収分光法
  2. 発色団と助色団
  3. UV-Vis 装置の光源
  4. 2.IR吸収分光法(赤外分光法)
  5. C=O の位置で官能基を区別
  6. 3.原子吸光光度法
  7. 原理
  8. 光源と原子化法
  9. UV-Vis検出器との光源比較
  10. 4.国試頻出まとめ
  11. 5.国試過去問チェック

🌈 UV-Vis吸収分光法

発色団と助色団

種類 定義
発色団 UV-Vis光を吸収する官能基 C=O、C=C、ベンゼン環
助色団 発色団の吸収を長波長側にシフトさせる基 −OH、−NH₂、−OR

共役が伸びるほど・助色団が増えるほど λmax が長波長側へシフト(深色移動)

UV-Vis 装置の光源

波長域 光源
UV域(200〜380 nm) 重水素放電管(D₂ランプ)
可視域(380〜800 nm) タングステンランプ(ハロゲンランプ)

⚠️ 重水素放電管 = UV光源、タングステンランプ = 可視光源!
原子吸光の光源(中空陰極ランプ)とは異なる。


📊 IR吸収分光法(赤外分光法)

官能基ごとに特徴的な吸収波数を示す。

官能基 吸収波数(cm⁻¹) 特徴
O−H(アルコール) 3200〜3550 幅広いブロード
N−H 3300〜3500 シャープ
C−H 2850〜3000
C=O(カルボニル) 1630〜1780 強い吸収・最重要
C=C 1620〜1680

C=O の位置で官能基を区別

化合物 C=O 吸収(cm⁻¹)
酸無水物 〜1850 + 〜1770(2本)
エステル 1735〜1750
ケトン 1710〜1720
カルボン酸 1700〜1725
アミド 1630〜1690(最も低波数

アミドのC=Oが最も低波数(共鳴によりC=O結合が弱まる)
波数が低い = エネルギーが低い = 結合が弱い


⚛️ 原子吸光光度法

原理

試料を高温フレームで気体状の基底状態原子に分解(原子化)→ 元素固有の波長の光を吸収 → Lambert-Beer則に従い定量

「気体状の基底状態原子」が吸収する点がポイント!
分子ではなく原子として測定する。

光源と原子化法

項目 内容
光源 中空陰極ランプ(ホロカソードランプ)
光源の特徴 測定元素ごとに専用ランプを使用(元素特異的)
標準的な原子化 フレーム式(可燃性ガス:アセチレン+支燃性ガス:空気)
水銀(Hg)の原子化 冷蒸気方式(常温で蒸気圧が高いHgに使用)

⚠️ 原子吸光の光源 = 中空陰極ランプ(重水素放電管ではない!)

UV-Vis検出器との光源比較

装置 光源
原子吸光光度計 中空陰極ランプ
UV-Vis分光光度計(UV域) 重水素放電管
UV-Vis分光光度計(可視域) タングステンランプ

原子吸光は Lambert-Beer 則に従う(分光光度法の一種)
用途:Pb・Cd・As・Hg などの重金属定量、日本薬局方収載の試験法


📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 発色団 C=O・C=C・ベンゼン環(UV-Vis吸収)
2 助色団 −OH・−NH₂(λmax を長波長側へシフト)
3 UV光源 重水素放電管
4 可視光源 タングステンランプ
5 原子吸光の光源 中空陰極ランプ(重水素放電管ではない)
6 原子吸光の原子化 フレーム式(アセチレン+空気)が標準
7 冷蒸気方式 Hg(水銀)専用の原子化法
8 アミドのC=O 最も低波数(1630〜1690 cm⁻¹)
9 O-Hの吸収 幅広いブロード(3200〜3550 cm⁻¹)

📝 国試過去問チェック

第110回薬剤師国家試験 問99(一般)

日本薬局方金チオリンゴ酸ナトリウムの定量法には原子吸光光度法が用いられる。このことに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。 なお、測定条件は以下のとおりである。

測定条件
使用ガス:可燃性ガス
     支燃性ガス 空気
ランプ:(波長 242.8 nm)

1. ア に入るのは、アセチレンである。

2. イ に入るのは、重水素放電管である。

3. 原子化には冷蒸気方式が用いられる。

4. 定量には、ランベルト・ベール(Lambert-Beer)の法則が適用される。

5. 金の原子スペクトルは、連続スペクトルである。

解答と解説を見る

正解:1、4

1○ フレーム式原子吸光では可燃性ガスとしてアセチレン(支燃性ガス:空気)を使用する。高温フレームで試料を原子化する標準的な方法。正しい。

4○ 原子吸光光度法は Lambert-Beer 則(A = εcl)に従い、吸光度から濃度を求めて定量する。正しい。

2✗ イに入るのは中空陰極ランプ(ホロカソードランプ)。測定元素(ここでは金 Au)専用のランプを使用する。重水素放電管はUV-Vis分光光度計のUV域光源であり、原子吸光には使わない。

3✗ 冷蒸気方式は**水銀(Hg)**の原子化に用いる特殊な方法(常温で蒸気圧が高いHgに限定)。金(Au)の原子化にはフレーム式が用いられる。

5✗ 原子スペクトルは線スペクトル(特定の波長のみに鋭い線が現れる)。連続スペクトルは黒体放射など。元素固有の線スペクトルがあるからこそ、元素選択的な定量が可能。


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