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🩺 実務

チーム医療・多職種連携

📅 2026年5月20日🔄 更新: 2026年5月20日
📖 この記事でわかること
  • ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とリビング・ウィルの違いを説明できる
  • 嚥下困難の患者で連携すべき職種(言語聴覚士)を選べる
  • クリニカルパスの「バリアンス」の意味を正確に理解できる
  • 居宅療養管理指導後の情報提供先(ケアマネジャー)を覚えられる
  • DMATの活動時期と役割を説明できる
目次
  1. 1.ACP(アドバンス・ケア・プランニング)
  2. 2.DNAR(蘇生措置拒否)
  3. 3.多職種連携と薬剤師の役割
  4. 嚥下困難→言語聴覚士(ST)
  5. TDM(バンコマイシン)における薬剤師の役割
  6. チーム医療の原則
  7. 病棟薬剤師の主な業務
  8. 4.クリニカルパスとバリアンス
  9. 5.心肺蘇生法(CPR)
  10. 6.居宅療養管理指導と在宅業務
  11. 7.DMAT・地域包括ケアシステム
  12. 8.健康サポート薬局・学校薬剤師
  13. 健康サポート薬局の届出要件
  14. 学校薬剤師の職務
  15. 9.国試頻出まとめ
  16. 10.国試過去問チェック

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)

用語 内容
ACP(アドバンス・ケア・プランニング) 健康なうちから本人・家族・医療チームが繰り返し話し合い、終末期の意向を共有・更新するプロセス
リビング・ウィル 終末期医療に関する事前指示書(書面)
インフォームド・コンセント 医療行為への説明と同意
グリーフケア 死別後の悲嘆を抱える遺族へのケア
ファーマシューティカルケア 薬剤師が患者の薬物治療に責任を持つ考え方

💡 ACPは「繰り返し話し合うプロセス」、リビング・ウィルは「書面による事前指示」!

DNAR(蘇生措置拒否)

DNAR(Do Not Attempt Resuscitation):終末期において、本人または代理人の同意を得て、心停止時の二次心肺蘇生措置を行わないという意思表示。

内容 DNARに含まれるか
心停止時の胸骨圧迫・人工呼吸をしない ✅ 含まれる
除細動を行わない ✅ 含まれる
通常の治療・ケアは継続 ✅ DNARは蘇生措置の限定。他の治療を止めることではない
苦痛緩和のための鎮痛薬使用 ✅ 継続する

⚠️ DNARは「蘇生を試みない」意思決定。点滴・酸素・鎮痛などの治療は継続される

多職種連携と薬剤師の役割

嚥下困難→言語聴覚士(ST)

問題 連携すべき職種 理由
嚥下機能の低下 言語聴覚士(ST) 嚥下評価・嚥下訓練の専門家
栄養管理 管理栄養士 食事形態の調整
義歯・口腔ケア 歯科医師・歯科衛生士 口腔環境の整備
医療機器管理 臨床工学技士 人工呼吸器など

💡 「のどに引っかかる → 嚥下機能評価 → 言語聴覚士(ST)」の流れを覚える

TDM(バンコマイシン)における薬剤師の役割

ステップ 内容 主な担当職種
1 治療方針の決定 医師
2 静脈内投与後の採血 看護師
3 皮膚症状発現時の処置 医師・看護師
4 血中濃度の測定 臨床検査技師
5 測定結果に基づく投与設計の提案 薬剤師
血中濃度測定結果を受け取る
↓
薬物動態パラメータ(半減期・分布容積等)を算出
↓
患者の腎機能・体重等を考慮
↓
次回投与量・投与間隔の最適化を提案(医師へ)

💡 薬剤師の役割は「測定結果に基づく投与設計の提案」。採血・測定・処置は他職種

チーム医療の原則

キーワード 内容
協働(コラボレーション) ✅ 各職種が対等な立場で共に働く
情報共有 各職種間で医療情報を共有して意思決定
共通言語 専門略語を避けわかりやすく情報共有

⚠️ 各職種独自の略語を使うと他職種に意図が伝わらずチーム医療を妨げる

病棟薬剤師の主な業務

業務 担当
薬物アレルギー歴・副作用歴の確認 ✅ 薬剤師
入院時持参薬の確認・鑑別 ✅ 薬剤師
処方提案・疑義照会 ✅ 薬剤師
点滴の交換 ❌ 看護師
人工呼吸器の操作・管理 ❌ 臨床工学技士
嚥下指導 ❌ 言語聴覚士

クリニカルパスとバリアンス

クリニカルパス:疾患・手術ごとに入院から退院までの標準的治療計画をスケジュール化したもの。

バリアンス:クリニカルパスで設定したアウトカムが達成されない状態(予定からの逸脱)。

バリアンスの種類 内容
患者要因 合併症発症・病状悪化
医療者要因 手技・処方ミス
システム要因 検査遅延・ベッド不足
家族・地域要因 退院先の調整困難

心肺蘇生法(CPR)

項目 内容
圧迫部位 胸骨の下半分(胸の中央)
圧迫の深さ 5〜6 cm
圧迫のテンポ 100〜120回/分
圧迫:人工呼吸 30:2

居宅療養管理指導と在宅業務

薬剤師による居宅訪問
↓
薬学的管理・服薬指導
↓
【介護支援専門員(ケアマネジャー)へ情報提供】← 義務
↓
ケアプランへ反映
書類 内容 作成者
薬学的管理指導計画書 訪問前に策定する薬物療法の計画(定期的に見直し) 薬剤師
訪問薬剤管理指導報告書 訪問後に医師・ケアマネへ提出 薬剤師
居宅サービス計画書(ケアプラン) 介護サービス全体の計画 ケアマネジャー

💡 訪問後→ケアマネジャーへ情報提供が義務。ケアプランを作るのはケアマネジャー

DMAT・地域包括ケアシステム

制度 内容
DMAT 発災直後〜急性期(概ね48時間以内)に活動する機動性の高い医療チーム。広域医療搬送・トリアージが主業務
地域包括ケアシステム 高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせる体制(医療・介護・予防・生活支援の一体化)
地域連携クリニカルパス 退院後の医療機関間での治療計画共有
医療
 ↕
介護 ←→ 予防
 ↕
生活支援・住まい
(地域で一体的に提供)

💡 DMAT=発災直後の急性期。PTSD・長期支援はDMATの仕事ではない

健康サポート薬局・学校薬剤師

健康サポート薬局の届出要件

要件 内容
個人情報に配慮した相談窓口の設置 ✅ プライバシー確保が必須
開局時間 週45時間以上・1日8時間以上
薬剤師 かかりつけ薬剤師の届出・研修修了

⚠️ 処方箋なしに医療用医薬品を調剤することは絶対不可。健康サポート薬局は相談・受診勧奨・適正使用支援が役割

学校薬剤師の職務

職務 内容
薬物乱用防止教育 ✅ 薬剤師の重要な役割
学校環境衛生検査 教室の空気・水質・照度等の検査
シックハウス症候群の原因物質 ホルムアルデヒド(合板・建材・壁紙)が代表的

国試頻出まとめ

# テーマ ポイント
1 ACP 繰り返し話し合うプロセス。リビング・ウィル(書面)と区別
2 DNAR 蘇生措置の限定。他の治療(点滴・鎮痛等)は継続。本人同意が原則
3 嚥下困難→言語聴覚士 STが嚥下評価・訓練の専門家
4 バリアンス アウトカムが達成されない状態(予定からの逸脱)
5 薬剤師のTDM業務 測定結果に基づく投与設計の提案。採血・測定は他職種
6 居宅療養管理指導 訪問後はケアマネジャーへ情報提供が義務
7 チーム医療 協働・情報共有・共通言語。独自略語は妨げになる
8 DMAT 発災直後〜48時間以内の急性期医療チーム
9 健康サポート薬局 個人情報に配慮した相談窓口が必須要件
10 ホルムアルデヒド シックハウス症候群の代表的原因物質。学校薬剤師の検査項目

国試過去問チェック

第111回 問85(必須)

健康状態が良好なうちから、本人が家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い共有する取り組みはどれか。1つ選べ。

  1. リビング・ウィル 2. インフォームド・コンセント 3. グリーフケア 4. ファーマシューティカルケア 5. アドバンス・ケア・プランニング
✅ 正解・解説を見る

正解:5

1✗ リビング・ウィル→終末期の事前指示書(書面)。話し合いのプロセスではない
2✗ インフォームド・コンセント→医療行為への説明と同意
3✗ グリーフケア→死別後の遺族へのケア
4✗ ファーマシューティカルケア→薬剤師が薬物治療に責任を持つ考え方
5○ ACP→健康なうちから繰り返し話し合い、意向を共有・更新するプロセス


第111回 問86(必須)

成人に対する心肺蘇生における胸骨圧迫の最も適切な部位はどれか。1つ選べ。

  1. 頸部 2. 胸骨の上半分 3. 胸骨の下半分 4. 腹部 5. 剣状突起
✅ 正解・解説を見る

正解:3

3○ 胸骨の下半分(胸の中央)→深さ5〜6cm・100〜120回/分で圧迫


第111回 問88(必須)

服薬時に頻繁に薬がのどに引っかかる患者への対応で、嚥下機能の評価のために薬剤師が連携すべき職種はどれか。1つ選べ。

  1. 言語聴覚士 2. 理学療法士 3. 作業療法士 4. 管理栄養士 5. 臨床工学技士
✅ 正解・解説を見る

正解:1

1○ 言語聴覚士(ST)→嚥下評価・嚥下訓練の専門家
2✗ 理学療法士→運動機能・呼吸訓練
3✗ 作業療法士→日常生活動作の訓練
4✗ 管理栄養士→食事形態の調整(連携するが評価はST)
5✗ 臨床工学技士→医療機器管理


第111回 問89(必須)

クリニカルパスにおけるバリアンスはどれか。1つ選べ。

  1. 治療計画からの治療方針の逸脱 2. 投与計画の不備 3. アウトカムが達成されない状態 4. 薬剤師による薬物治療への介入 5. 患者からのクレーム
✅ 正解・解説を見る

正解:3

3○ バリアンス=クリニカルパスで設定したアウトカムが達成されない状態(予定からの逸脱)


第110回 問83(必須)

薬剤師が居宅療養管理指導を行った際に、ケアプランに反映させるために情報提供すべき職種はどれか。1つ選べ。

  1. 訪問看護師 2. 介護支援専門員 3. 介護福祉士 4. 社会福祉士 5. 訪問介護員
✅ 正解・解説を見る

正解:2

2○ 介護支援専門員(ケアマネジャー)→ケアプランの作成・調整を担う。薬剤師の情報提供先


第110回 問84(必須)

DMATの活動として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 広域医療搬送対象患者の選出 2. 長期的医療支援 3. PTSD診療 4. 一般用医薬品の販売 5. 慢性疾患の管理
✅ 正解・解説を見る

正解:1

1○ DMAT=発災直後〜48時間以内の急性期。広域医療搬送対象患者の選出・トリアージが主業務
2✗ 長期的医療支援→JMAT等の役割
3✗ PTSD診療→亜急性〜慢性期の業務
4✗ 一般用医薬品の販売→DMATの業務外


第110回 問86(必須)

学校薬剤師の職務として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 保健室内での調剤 2. 一般用医薬品の販売 3. ワクチン投与 4. 学校医の補助 5. 薬物乱用防止のための教育
✅ 正解・解説を見る

正解:5

1✗ 保健室内での調剤→薬局以外での調剤は原則禁止
2✗ 一般用医薬品の販売→薬局または店舗販売業でのみ可能
3✗ ワクチン投与→医師・看護師等の業務
5○ 薬物乱用防止のための教育・学校環境衛生検査が学校薬剤師の代表的役割


第109回 問82(必須)

バンコマイシンのTDMにおいて、薬剤師が担う業務として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 治療方針の決定 2. 静脈内投与後の採血 3. 皮膚症状発現時の処置 4. 血中濃度の測定 5. 測定結果に基づく投与設計の提案
✅ 正解・解説を見る

正解:5

1✗ 治療方針の決定→医師
2✗ 採血→看護師
3✗ 皮膚症状処置→医師・看護師
4✗ 血中濃度測定→臨床検査技師
5○ 測定結果に基づく投与設計の提案→薬剤師の専門業務


第109回 問84(必須)

健康サポート薬局の届出要件として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 個人情報に配慮した相談窓口の設置 2. 24時間営業 3. 無菌調剤室の設置 4. 専門薬剤師による抗がん剤の選択 5. 予防接種の調製
✅ 正解・解説を見る

正解:1

1○ 個人情報に配慮した相談窓口(プライバシー確保)→健康サポート薬局の必須要件
2✗〜5✗ 24時間営業・無菌調剤・抗がん剤選択・予防接種調製は要件ではない


第109回 問89(必須)

チーム医療に関する記述として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 国家資格を有する職種のみで構成する 2. 医師の意見を最優先にする 3. 専門用語を積極的に使用する 4. 職種ごとにクリニカルパスを作成する 5. 職種間で医療情報を共有して意思決定する
✅ 正解・解説を見る

正解:5

1✗ MSW・介護士・心理士等も含む多職種で構成
2✗ 各職種の専門性を尊重し対等に議論
3✗ 共通言語でわかりやすく情報共有
4✗ 共通のクリニカルパスを多職種で作成・管理
5○ 職種間で医療情報を共有して意思決定→チーム医療の本質


第108回 問81(必須)

チーム医療を妨げる要因はどれか。1つ選べ。

  1. 各職種と情報を共有する 2. コミュニケーション能力をつける 3. 各職種の専門性を確立する 4. 各職種の役割を理解する 5. 各職種独自の略語を使用する
✅ 正解・解説を見る

正解:5

5○ 各職種独自の略語を使用する→他職種に意図が伝わらず情報共有・意思決定を阻害
1〜4✗ すべてチーム医療を促進する要因


第107回 問82(必須)

2025年を目途に、高齢者が住み慣れた地域で人生の最期まで暮らし続けられる体制を構築する取り組みはどれか。1つ選べ。

  1. 地域包括ケアシステム 2. 地域連携クリニカルパス 3. 健康サポート薬局 4. かかりつけ薬局 5. 地域医療情報システム
✅ 正解・解説を見る

正解:1

1○ 地域包括ケアシステム=医療・介護・予防・生活支援を地域で一体的に提供する体制
2✗ 地域連携クリニカルパス→退院後の医療機関間の治療計画共有


第107回 問88(必須)

居宅サービス計画書(ケアプラン)の作成を依頼する職種はどれか。1つ選べ。

  1. 訪問看護師 2. 介護支援専門員 3. 介護福祉士 4. 社会福祉士 5. 生活相談員
✅ 正解・解説を見る

正解:2

2○ 介護支援専門員(ケアマネジャー)がケアプランを作成。薬剤師はここへ情報提供する


第106回 問81(必須)

チーム医療における各職種の関係性として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 独立 2. 依存 3. 協働 4. 主従 5. 競合
✅ 正解・解説を見る

正解:3

3○ 協働(コラボレーション)=各職種が対等な立場で専門性を発揮しながら共に働く
4✗ 主従→上下関係は各職種の専門性が尊重されない


第106回 問82(必須)

病棟薬剤師の業務として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 点滴の交換 2. 人工呼吸器の操作 3. 嚥下指導 4. 入院患者の薬物アレルギー歴の確認 5. 麻薬の施用
✅ 正解・解説を見る

正解:4

1✗ 点滴の交換→看護師
2✗ 人工呼吸器の操作→臨床工学技士
3✗ 嚥下指導→言語聴覚士
4○ 薬物アレルギー歴・副作用歴の確認→病棟薬剤師の入院時基本業務
5✗ 麻薬の施用(注射・投与)→医師


第106回 問83(必須)

DNARに関する記述として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 医師の判断のみで実施できる 2. すべての医療行為を中止する 3. 鎮痛薬の使用を中止する 4. 延命治療をすべて拒否することである 5. 終末期において本人あるいは代理人の同意を得て二次心肺蘇生措置を行わないこと
✅ 正解・解説を見る

正解:5

1✗ 本人または代理人の同意が必要
2✗ 通常の治療・ケアは継続
3✗ 鎮痛薬使用は継続
5○ DNAR=終末期に本人/代理人の同意を得て、心停止時の二次心肺蘇生措置を行わない意思表示


第105回 問87(必須)

健康サポート薬局の薬剤師の業務として不適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 残薬確認・アドヒアランス支援 2. 血圧が高い来局者に降圧剤を調剤 3. 受診勧奨 4. 医薬品適正使用の講演 5. 地域包括支援センターの紹介
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正解:2

2○(不適切)処方箋なしに医療用医薬品を調剤することは絶対不可!
1・3・4・5✗(適切)すべて健康サポート薬局の正当な業務


第105回 問88(必須)

在宅訪問前に薬剤師が策定し、定期的に見直す薬物療法の計画書はどれか。1つ選べ。

  1. 訪問薬剤管理指導報告書 2. 重要事項説明書 3. 薬学的管理指導計画書 4. 居宅サービス計画書 5. 訪問薬剤管理指導記録簿
✅ 正解・解説を見る

正解:3

3○ 薬学的管理指導計画書→訪問前に薬剤師が策定し、定期的に見直す薬物療法の計画
1✗ 訪問薬剤管理指導報告書→訪問後に医師・ケアマネへ提出
4✗ 居宅サービス計画書(ケアプラン)→ケアマネジャーが作成


第105回 問90(必須)

シックハウス症候群の原因となる代表的な物質はどれか。1つ選べ。

  1. トルエン 2. キシレン 3. ホルムアルデヒド 4. パラジクロロベンゼン 5. エチルベンゼン
✅ 正解・解説を見る

正解:3

3○ ホルムアルデヒド=シックハウス症候群の代表的原因物質。合板・建材・壁紙から発生。学校薬剤師の重要な環境検査項目

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