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国試頻出!排尿障害治療薬の作用機序まとめ|タダラフィル・α1遮断薬・ミラベグロンを完全整理

📅 2026年5月14日🔄 更新: 2026年5月15日
📖 この記事でわかること
  • α₁受容体遮断薬・5α-還元酵素阻害薬・PDE5阻害薬(タダラフィル)の作用機序が整理できる
  • 過活動膀胱治療薬(抗コリン薬・β₃作動薬)の違いがわかる
  • 前立腺肥大症と過活動膀胱の治療薬の使い分けが理解できる
  • 第107・108回国試の過去問で実戦練習できる
目次
  1. 1.排尿のしくみ
  2. 2.前立腺肥大症(BPH)の治療薬
  3. ① α₁受容体遮断薬
  4. ② 5α-還元酵素阻害薬
  5. ③ タダラフィル(PDE5阻害薬)
  6. 3.過活動膀胱(OAB)の治療薬
  7. ① 抗コリン薬(ムスカリン受容体遮断薬)
  8. ② β₃受容体作動薬
  9. 4.排尿障害治療薬の副作用まとめ
  10. 5.国試頻出まとめ
  11. 6.国試過去問チェック

🚽 排尿のしくみ

【蓄尿時】
交感神経(β₃受容体)が膀胱排尿筋を弛緩
交感神経(α₁受容体)が尿道・前立腺平滑筋を収縮
→ 尿を溜める

【排尿時】
副交感神経(M₃受容体)が膀胱排尿筋を収縮
→ 尿を出す

━━━ 疾患別の問題と治療薬 ━━━
前立腺肥大症(BPH)
  前立腺が尿道を圧迫 → 排尿困難
  → α₁遮断薬・5α-還元酵素阻害薬・PDE5阻害薬

過活動膀胱(OAB)
  膀胱が過剰収縮 → 頻尿・切迫性尿失禁
  → 抗コリン薬・β₃受容体作動薬

前立腺肥大症(BPH)の治療薬

① α₁受容体遮断薬

前立腺肥大症の病態

前立腺肥大 → 尿道を物理的に圧迫
+
尿道・前立腺のα₁受容体が過緊張 → 尿道が狭窄

【α₁受容体遮断薬の作用】
α₁受容体を遮断
  ↓
尿道・前立腺平滑筋の弛緩
  ↓
尿道の抵抗↓ → 排尿が改善
薬物 特徴
タムスロシン α₁A選択性。前立腺に選択的。起立性低血圧が少ない
シロドシン 最もα₁A選択的。射精障害(逆行性射精)に注意
ナフトピジル α₁D選択性。膀胱刺激症状にも有効

副作用:起立性低血圧(α₁遮断による血管拡張)・めまい・射精障害

② 5α-還元酵素阻害薬

テストステロン(男性ホルモン)
  ↓ 5α-還元酵素(Ⅱ型)
← フィナステリドがⅡ型を選択的阻害
← デュタステリドがⅠ型・Ⅱ型両方を阻害

DHT(ジヒドロテストステロン)
  ↓
前立腺のアンドロゲン受容体に結合
  ↓
前立腺の増殖・肥大

【5α-還元酵素阻害薬の作用】
DHT産生↓
  ↓
前立腺の縮小
  ↓
排尿改善(効果発現まで数ヶ月かかる)
薬物 特徴
フィナステリド Ⅱ型5α-還元酵素を選択的阻害。前立腺肥大症・男性型脱毛症
デュタステリド Ⅰ型・Ⅱ型両方を阻害。フィナステリドより強力

禁忌:妊婦・妊娠の可能性がある女性(催奇形性) PSA値を約50%低下させる(前立腺がんの診断に注意) 副作用:性欲減退・勃起不全・女性化乳房

③ タダラフィル(PDE5阻害薬)

NO(一酸化窒素)
  ↓
グアニル酸シクラーゼ活性化
  ↓
cGMP産生↑
  ↓ PDE5(ホスホジエステラーゼ5)がcGMPを分解
← タダラフィルがPDE5を阻害

cGMP蓄積↑
  ↓
前立腺・尿道・膀胱頸部の平滑筋弛緩
  ↓
排尿改善
適応 用量
前立腺肥大症に伴う排尿障害 1日1回(低用量)
勃起不全(ED) 性行為前(高用量)または1日1回(低用量)
肺動脈性肺高血圧症(PAH) 1日1回

禁忌:硝酸薬・NO供与薬との併用(cGMP過剰蓄積→重篤な低血圧)


過活動膀胱(OAB)の治療薬

① 抗コリン薬(ムスカリン受容体遮断薬)

過活動膀胱の病態

副交感神経(アセチルコリン)
  ↓
膀胱排尿筋のM₃受容体に結合
  ↓
膀胱排尿筋が過剰収縮
  ↓
切迫性尿意・頻尿・尿失禁

【抗コリン薬の作用】
M₃受容体を遮断
  ↓
膀胱排尿筋の過剰収縮↓
  ↓
頻尿・切迫性尿失禁↓
薬物 特徴
オキシブチニン M₃遮断+平滑筋直接弛緩。経皮製剤あり(口渇が少ない)
ソリフェナシン M₁/M₃選択性が高い。1日1回
イミダフェナシン M₁/M₃選択性。口渇・便秘が少ない
トルテロジン 膀胱選択性が高い

副作用:口渇・便秘・尿閉・眼圧上昇(抗コリン作用) 禁忌:緑内障・前立腺肥大症による排尿困難(尿閉悪化)

② β₃受容体作動薬

膀胱の蓄尿時の正常な働き

β₃受容体が刺激される
  ↓
Gs → アデニル酸シクラーゼ活性化 → cAMP↑
  ↓
膀胱排尿筋が弛緩 → 蓄尿

【β₃受容体作動薬の作用】
β₃受容体を直接刺激
  ↓
cAMP↑ → 膀胱排尿筋の弛緩↑
  ↓
蓄尿機能↑ → 頻尿・尿失禁↓
薬物 特徴
ミラベグロン β₃選択的作動薬。抗コリン薬が禁忌の患者にも使用可
ビベグロン 国産β₃作動薬。1日1回

抗コリン作用がないため、口渇・便秘・尿閉が少ない 禁忌:重篤な心疾患・コントロール不良の高血圧


📊 排尿障害治療薬の副作用まとめ

薬物 主な副作用・注意点
タムスロシン・シロドシン 起立性低血圧・射精障害
フィナステリド・デュタステリド 性欲減退・勃起不全・女性化乳房。妊婦禁忌
タダラフィル 硝酸薬との併用禁忌(重篤な低血圧)
抗コリン薬(ソリフェナシン等) 口渇・便秘・尿閉・眼圧↑。緑内障禁忌
ミラベグロン・ビベグロン 高血圧・心拍数↑

国試頻出まとめ

# ポイント
1 α₁受容体遮断薬(タムスロシン等):α₁受容体遮断→尿道・前立腺弛緩→排尿抵抗↓。副作用:起立性低血圧・射精障害
2 タムスロシン=α₁A選択性、ナフトピジル=α₁D選択性(膀胱刺激症状にも有効)
3 フィナステリド:Ⅱ型5α-還元酵素阻害→DHT↓→前立腺縮小。妊婦禁忌(催奇形性)・PSA値↓50%
4 デュタステリド:Ⅰ型+Ⅱ型5α-還元酵素を阻害(フィナステリドより強力)
5 タダラフィル(PDE5阻害薬):cGMP分解↓→cGMP蓄積→前立腺・尿道弛緩→排尿改善。禁忌:硝酸薬との併用(重篤な低血圧)
6 タダラフィルはcGMPを分解するPDE5を阻害(cAMPではない!国試頻出の引っかけ)
7 抗コリン薬(ソリフェナシン等):M₃受容体遮断→膀胱排尿筋の過剰収縮↓→過活動膀胱改善。禁忌:緑内障・前立腺肥大症
8 ミラベグロン・ビベグロンβ₃受容体刺激→cAMP↑→膀胱排尿筋弛緩→蓄尿↑。抗コリン作用なし→口渇・尿閉が少ない
9 ミラベグロンはβ₃作動薬(M₃遮断ではない!)。オキシブチニンはM₃遮断薬(β₃作動薬ではない!)→混同禁止
10 PDE5阻害薬(タダラフィル):前立腺肥大症・ED・肺動脈性肺高血圧症(PAH)の3適応あり

📝 国試過去問チェック

第107回 問161(一般問題)

男性の排尿障害に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. タムスロシン塩酸塩は、前立腺・尿道平滑筋のα₁受容体を遮断することで排尿を促進する
2. フィナステリドは、5α-還元酵素を阻害してテストステロンからDHTへの変換を抑制し、前立腺を縮小する
3. タダラフィルは、cAMPを分解するPDE5を阻害することで平滑筋を弛緩させる
4. ミラベグロンは、膀胱のM₃受容体を遮断して排尿筋の過剰収縮を抑制する
5. オキシブチニンは、β₃受容体を刺激して膀胱排尿筋を弛緩させる

解答と解説を見る

正解:1・2

1○ タムスロシン=α₁A受容体遮断→尿道・前立腺弛緩→排尿改善。
2○ フィナステリド=5α-還元酵素阻害→DHT↓→前立腺縮小。
3✗ タダラフィルはcGMPを分解するPDE5を阻害(cAMPではなくcGMP!)。
4✗ ミラベグロンはβ₃受容体作動薬(M₃遮断ではない。M₃遮断は抗コリン薬の機序)。
5✗ オキシブチニンはM₃遮断薬(β₃作動薬ではない)。


第108回 問34(必須問題)

過活動膀胱の治療薬として、β₃アドレナリン受容体を刺激することで効果を示す薬物の作用機序はどれか。1つ選べ。

1. ホスホジエステラーゼV阻害
2. アドレナリンα₁受容体遮断
3. ムスカリンM₃受容体遮断
4. β₃アドレナリン受容体刺激
5. 5α-還元酵素阻害

解答と解説を見る

正解:4

4○ ミラベグロン・ビベグロンはβ₃受容体を刺激→cAMP↑→膀胱排尿筋弛緩→蓄尿機能↑→過活動膀胱を改善。
1✗ PDE5阻害はタダラフィル(前立腺肥大症・ED・PAH)。
2✗ α₁遮断はタムスロシン等(前立腺肥大症の排尿改善)。
3✗ M₃遮断は抗コリン薬(ソリフェナシン等)→過活動膀胱に有効だが機序が異なる。
5✗ 5α-還元酵素阻害はフィナステリド(前立腺肥大症)。

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