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【薬剤師国試対策】X線回折・ブラッグの式を徹底整理|粉末X線回折・結晶多形

📅 2026年5月19日🔄 更新: 2026年5月19日
📖 この記事でわかること
  • ブラッグの式(nλ = 2d sinθ)を使って格子面間隔を計算できる
  • 粉末X線回折パターンの横軸が2θであることを説明できる
  • 結晶とアモルファス(非晶質)のX線回折パターンの違いを説明できる
  • 結晶多形(ポリモルフィズム)が溶解度・融点に与える影響を説明できる
  • 比容積-温度グラフからガラス転移点を読み取ることができる
目次
  1. 1.ブラッグの式
  2. 粉末X線回折パターンの横軸
  3. 2.結晶 vs アモルファスのパターン
  4. 3.結晶・アモルファスと比容積-温度グラフ
  5. 4.医薬品の結晶多形(ポリモルフィズム)
  6. X線回折による多形の識別
  7. 5.国試頻出まとめ
  8. 6.国試過去問チェック

📐 ブラッグの式

X線が結晶の格子面に入射すると、隣接する格子面からの反射波が**干渉して強め合う(回折)**条件:

nλ = 2d sinθ

記号 意味
n 反射次数(整数、通常 n = 1)
λ X線の波長
d 格子面間隔
θ ブラッグ角(入射X線と格子面のなす角)

隣接格子面からの反射X線の光路差 = 2d sinθ。これが nλ と等しいとき回折が起こる。

粉末X線回折パターンの横軸

パラメータ
横軸 2θ(2i):入射角の2倍
縦軸 回折強度

⚠️ 横軸は θ(i)ではなく 2θ(2i)!
検出器は入射X線に対して 2θ の位置に設置されるため。


🔬 結晶 vs アモルファスのパターン

状態 X線回折パターン 特徴
結晶 シャープなピーク(鋭い回折線) 格子面間隔 d が整然と揃っている
アモルファス(非晶質) ハロー状(なだらかな広がり) 長距離秩序がない → 鋭い回折線が出ない

「結晶 = シャープ、アモルファス = ハロー状」


🌡️ 結晶・アモルファスと比容積-温度グラフ

比容積(単位質量あたりの体積)と温度の関係から、物質の固体状態が分かる。

比容積
  |        /  液体
  |       /
  |      /  過冷却液体(アモルファス)
  |    ×← ガラス転移点(Tg)
  |   /  ガラス(非晶質固体)
  |  /
  | /  結晶
  |_______________→ 温度
     ↑融点(Tm)
温度点 意味
融点(Tm) 結晶が融解する温度(結晶の折れ点)
ガラス転移点(Tg) アモルファス固体が「ガラス状態」から「過冷却液体状態」に変わる温度

ガラス転移点(Tg)はアモルファス固体特有の転移。結晶では観察されない。
比容積-温度グラフで、アモルファスの曲線が折れ曲がる点 = Tg


💊 医薬品の結晶多形(ポリモルフィズム)

同一化学組成で結晶構造が異なる状態結晶多形という。

性質 多形による影響
溶解度・溶解速度 多形ごとに異なる → 生物学的利用能(BA)に影響
融点 多形ごとに異なる
物理的安定性 準安定形は保存中に安定形へ転移することがある

⚠️ 準安定形(metastable form)は溶解度が高い → BAが高い場合がある
ただし保存中に安定形へ転移すると溶解度が低下する危険がある。

X線回折による多形の識別

多形ごとに格子面間隔 d が異なる → 回折角 2θ が変化 → 粉末X線回折パターン(PXRD)で多形を同定


📋 国試頻出まとめ

# ポイント 内容
1 ブラッグの式 nλ = 2d sinθ
2 横軸は2θ θ・sinθ ではなく 2θ(2i)
3 結晶のパターン シャープなピーク
4 アモルファスのパターン ハロー状(ブロードな山)
5 ガラス転移点(Tg) アモルファス固体特有・比容積-温度グラフの折れ点
6 結晶多形の影響 溶解度・融点・安定性が変化
7 多形の識別 PXRDパターン(2θ位置)の比較
8 準安定形 安定形より溶解度が高い・BAが高い場合あり
9 融点 vs Tg 融点 = 結晶の転移点、Tg = アモルファスの転移点

📝 国試過去問チェック

第109回薬剤師国家試験 問4(必須)

粉末X線回折パターンの横軸に表されるパラメータはどれか。1つ選べ。 ただし、i は入射X線と格子面群との間の角度である。

1. 2i

2. i

3. i/2

4. √i

5. sin i

解答と解説を見る

正解:1

粉末X線回折パターンの**横軸は 2θ(= 2i)**が使用される。

ブラッグの法則 nλ = 2d sinθ において、θ(= i)は入射X線と格子面のなす角(ブラッグ角)。実験装置では検出器を入射X線に対して 2θ の角度位置に設置して測定するため、横軸は 2θ(2i)となる。

1○ 2i。正しい。

2✗ i そのものは横軸には使用しない。

3✗ i/2 は標準的なパラメータではない。

4✗ √i は使われない。

5✗ sin i はブラッグの式の計算に使うが、横軸のパラメータとしては用いない。


第107回薬剤師国家試験 問48(必須)

図は、結晶固体及び非晶質固体の比容積と温度との関係を示したものである。温度アが示すのはどれか。1つ選べ。

(図:縦軸 = 比容積、横軸 = 温度。液体・過冷却液体・ガラス・結晶の曲線が描かれており、過冷却液体とガラスの曲線の折れ点をアで示す)

1. 凝固点

2. 沸点

3. ガラス転移点

4. 融点

5. 結晶化温度

解答と解説を見る

正解:3

「ア」はアモルファス(非晶質)固体の曲線(ガラス〜過冷却液体)が折れ曲がる点であり、これが**ガラス転移点(Tg)**である。

3○ ガラス転移点(Tg)。アモルファス固体がガラス状態(固体的挙動)から過冷却液体状態(液体的挙動)に変化する温度。比容積-温度グラフでは折れ曲がりとして現れる。正しい。

1✗ 凝固点は液体が固体(結晶)になる温度。グラフでは液体→結晶の曲線が折れる点(融点と同じ温度)。

2✗ 沸点はグラフに示されていない(液体→気体の転移点)。

4✗ 融点は結晶の曲線が折れ曲がる点(結晶が融解して液体になる温度)。「ア」はアモルファスの曲線の折れ点であり、融点ではない。

5✗ 結晶化温度は、過冷却液体が結晶化する温度。グラフでは過冷却液体の曲線が結晶の曲線に合流する点。


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